生理が重いの基準は?子どもはピルが飲める?バービーさん×スマルナ医師の「WEHealth 2024」スペシャルトークを完全レポート

フェムテック情報の発信の先駆者でもあるお笑い芸人のバービーさんと、オンライン・ピル処方サービス「スマルナ」の医師・中村先生のトークショー。なかなか人には聞けないピルや生理についてや悩みを赤裸々に語ってもらいました!「生理が重い」の目安は?ピルで生理が軽くなる?緊急避妊ピルはオンラインでも処方してもらえるの?小・中学生からでもピルは飲めるの?など、たっぷり聞いてきましたのでご参考ください。

生理や妊活についても発信しているバービーさん

「WEHealth 2024 sponsored by サラサーティー」のお笑い芸人のバービーさん(中央)とオンライン・ピル処方サービスの「スマルナ」の医師の中村葵先生(左)によるトークイベント。

体験型のフェムテックイベントの「WEHealth 2024 sponsored by サラサーティー」が3月8日の国際女性デーからの3日間の開催されました。テーマは「RE : DISCOVERY ・再発見」。そして、イベントの二日目のハイライトはお笑い芸人のバービーさん×オンライン・ピル処方サービスの「スマルナ」の医師の中村葵先生によるトークショー。

バービーさんは自身のYouTube「バービーちゃんねる」で生理や妊活の話題を取り上げるなどフェムテックにも精通し、自らの体験を元に様々な女性の悩みに関する情報を発信しています。
当たり前のことなのに誰も話さないことに疑問感じ、バービーさんが、生理について発信をはじめたのが4年前。ちょうど今のフェムテックブームの盛り上がりと重なり、バービーさんの存在は日本のフェムテックの支えになっていると言っても過言ではありません。

今回のトークショーでは、ピルや生理について、自らの体験を元に赤裸々語ってくれました。

バービーさんにとっては辛かった生理

生理の辛さについて語るバービーさん。

「生理前後も含めると、月の半分以上が辛いです。量も多いし、むくむし。集中できないから、論理的な思考もできず、テレビでも滑るし」と笑いをとりながらも、その辛さを語ってくれました。なんと、昼間でも夜用のナプキン(成人のオムツ並のサイズ)を付け、タンポンをして、さらに、吸水ショーツを履いて万全の準備をしても漏れるほどで、衣装を汚してしまったこともあったそう。

どうやって辛い生理を耐えたのですか?

「あまりに酷すぎて、我慢すらできないので忘れることでなんとか乗り越えてきました」と当時の大変さを語ってくれました。もちろん、バービーさんも何もしなかった訳ではなく、生理痛を和らげるためにあらゆることを試したそう。マッサージ、針や漢方、はたまた、矯正まで、トライアンドエラーの繰り返しだったとのことです。その中でも、ピルを飲むことで生理痛の辛さが劇的に和らいだとのことです。

ピルで生理が楽になる。まずは自分の生理痛の原因を知ろう

生理とピルについて語る中村先生とのバービーさん(右)。

ここで、「スマルナ」の医師の中村先生から「なぜピルが生理の諸症状に効くのか?」というお話を伺いました。中村先生いわく、子宮内の内膜がピルの作用により薄くなり、経血が少なくなり、その結果、生理痛なども少なくなるということです。生理前にイライラしたり精神的に不調になったり、腹痛や乳房の張りなど様々な症状が現れるPMS(月経前症候群)も解消できる場合があります。

自分を責めないで!

中村先生いわく、診療に来る多くの女性が生理痛を自分のせいだと責める傾向があるそう。生理痛の原因は様々ですが、自分のせいだと思うと、我慢しなくてはならないというネガティブな思考になりがち。我慢ではなく、生理痛の原因を知り、医師のアドバイスを元にきちんと対処していくことが大切です。そのためには、自分の生理の程度を知ることが第一歩になります。

生理が重いという目安は?

「昼間に夜用ナプキンが必要なのであれば、重い方だと自覚すべきです」と中村先生は話してくれました。日本産科婦人科学会では、正常な経血の量の基準を1回の生理で20〜140mlとしているため、それ以上多いと生理が重いと考えられます。

ただ、数字上ではよく分からないと思うので、昼間に夜用ナプキンでも漏れてしまうというのであれば、「過多月経」を疑った方がよいと考えます。それ以外にも原因はあるかもしれないので、婦人科で相談することをおすすめします。

婦人科受診はハードルが高い?

婦人科を受診することの大切さについて語るバービーさん。

バービーさん自身はかかりつけの医師が婦人科の先生も含めて、専門分野に分けて3人ほどいるそうです。

中村先生いわく、「婦人科系の悩みを抱えていても、受診へのハードルが高く「病院に行くほどでもないかも…」と思ってそのままになりがち。風邪を引いたら内科に診てもらうという感じで、気軽に相談して欲しい」と話してくれました。

それでも、婦人科に行くことに抵抗がある方や地方だとそもそも婦人科が少なく、女性医師がいない、または、近所の人の目が気になるといった理由で気軽に利用できないこともあるかもしれません。

気楽に相談できるオンライン診療

オンライン・ピル処方サービスの「スマルナ」のサンプル画面。「WEHealth」のイベントではスマルナのオンライン診察の体験が出来ました。

そんな婦人科を受診しづらいと感じている方には、ぜひ「スマルナ」のようなオンラインのピル処方のサービスを利用して欲しいと中村先生は話してくれました。ピルは体に会うか不安…という方も「スマルナ」では低用量ピル・中用量ピル・アフターピルを扱っており、低用量ピルは10種類あるので、自分に合うピルを医師と相談しながらじっくり探すことができます。

ピル以外の相談も可能

また、対面だと話しにくい避妊や妊娠についてのライフプランについても相談することができます。例えば、交際相手が避妊をしてくれないなどピルの処方以外のことでも相談に乗ってくれるとのことです。

万が一のアフターピルの処方も!

避妊の失敗などで妊娠の可能性がある場合、薬局ではまだまだ購入しずらいアフターピル(緊急避妊ピル)も処方してもらうことができます。アフターピルは、避妊に失敗したと思われる性行為から72時間以内に服用した場合、約84%の妊娠阻止率が期待できます。「スマルナ」では24時間相談受付をしているので、万が一の時に安心ですね。(*性行為から時間が経っていたり、悪天候などでお薬のお届けが72時間以内に間に合わない場合は、近隣の婦人科をご受診した方が良い場合もあります。アフターピル服用後の性行為への避妊効果はありません。)

SRHRについて考えよう

トークショーの最後にポーズするバービーさん(中央)と中村先生(左)。

「SRHR・性と生殖に関する健康と権利」という言葉についても中村先生から聞くことができました。「SRHR」は世界で提言されてから30年経ちますが、まだ、あまり日本では広まっていない言葉です。自分の体は自分のものであり、「セクシュアリティ・性」(性交渉・避妊・妊娠・出産など)に関することを自分で決められる権利のことです。

スマルナでも「SRHR」の認知度を高める活動をしており、「SRHR」の認知に世界的にも遅れをとっている日本では、学校教育でももっと積極的に取り入れて行くべき分野だと中村先生は話してくれました。

バービーさん「情報発信を続けていく」

「自分が生理について発信してきて4年目になってようやく、SRHRも含め、フェムテックの情報発信にグラデーションが出てきたと思います。数年前であれば考えられなかった、原宿のど真ん中でピルの話ができるのは素晴らしいこと。これからもこういった話についていけない人が振り落とされないように情報発信をし続けていきたい」とバービーさん。

小・中学生でもピルは飲めるの?

バービーさん(右)の質問に答える中村先生。

最後に、もう一つ、こちらは、HugKum読者向けに「子どものピルの服用」について、対談後に中村先生に聞いてみました。初潮が来る年齢も早くなり、小学生の早い学年から生理が始まるお子さんもいます。「小・中学生のうちからピルを飲ませてもいいのか?」という、思春期のお子さんを子育て中の多くが親御さんが気になるだろう点をズバリ聞いてみました。

子どもに生理の辛さを我慢させないで

中村先生いわく、ピルは初潮が来ていて、辛い症状があれば、使用できる場合もあるとのことです。ただ、小・中学生の場合は個人の骨の成⻑の程度によって、ピル以外の方法も含めて相談可能とのことです。親世代の方には、高校生までピルを飲ませるのに抵抗がある保護者の方もいるかもしれませんが、子どもに生理痛を我慢させる必要はないので、かかりつけの婦人科医にぜひ、相談してみてくださいね。

あなたにはこちらもおすすめ

品川女子学院が「生理期間を生きやすく」するために行う活動CLAIR.(クレア)とは。「男子校も訪れ、生理の理解を深めてもらいます」
品川女子学院「CLAIR.(クレア)」 2021年に、品川女子学院の起業体験プログラムを契機にスタートした有志による活動団体「CLAIR....
【中学受験と生理】吸水ショーツを常にはく、ピルでずらす…etc. 昨年受験を終えた女の子ママたちがリアルな悩みを座談会トーク!
昨年、中学受験を終えた女の子のママ5人と座談会。生理事情はどうだった? Bé-A〈ベア〉:本日はお集まりいただき、ありがとうございます。早...

取材/Rina Ota

編集部おすすめ

関連記事