タンザニアってどんな国?
アフリカ大陸の東側にあるタンザニア。赤道直下に近く、太陽が照り付けるような暑さの日が多い気候です。日本の約2.5倍の国土に6,100万人の人々が暮らしています。そんなタンザニアの基本情報から見ていきましょう。
タンザニアの基本情報
まずはタンザニアの場所や首都、面積、人口、通貨などの基本情報から見てみましょう。
国名
タンザニア連合共和国
首都
ドドマ
ただしドドマにあるのは国会議事堂で、経済の中心となって政府官庁などが集まり事実上の首都の役割を担っているのはダルエスサラームです。
場所
タンザニアがあるのはアフリカ大陸の東側。北にケニア、ウガンダ、南にモザンビーク、マラウイ、ザンビア、西にルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国と接し、東側はインド洋に面しています。インド洋にはザンジバル島があります。

日本との時差
6時間
日本のほうがタンザニアより6時間進んでいます。
面積
94.5万㎢
日本の面積が約38万㎢ですから、タンザニアの面積は日本の約2.5倍です。
エリア
タンザニアは31の州で構成され、首都トドマがあるのはドドマ州、事実上の国の中心となっているダルエスサラームはダルエスサラーム州にあります。

人口
6,100万人
日本の人口が約1億2,400万人ですから、タンザニアの人口は日本の人口のおよそ50%です。
言語・公用語
スワヒリ語(国語)、英語(公用語)
通貨
タンザニアシリング
1 タンザニアシリング=0.061円(2024年7月7日現在)
宗教
イスラム教(約40%)、キリスト教(約40%)、土着宗教(約20%)
歴史
18世紀頃からヨーロッパ諸国がアフリカ各国に進出し、タンザニアは1881年にドイツの植民地となりました。しかし第一次世界大戦で敗戦国となったドイツは、すべての植民地を放棄。それによってタンザニアは1920年に英国委任統治領となりました。
そして、アフリカ諸国が一斉に独立を果たした通称「アフリカの年」の後でタンガニーカが1961年に独立し、1964年にザンジバルと統合してタンザニア連合共和国が成立したのです。

国旗
タンザニアの国旗は、緑、黒、青を組み合わせたデザインです。これは、かつて存在したタンガニーカという国家で使われていた国旗をもとにつくられたもので、緑は国土や農業、黒は国民、青はインド洋、2本入った黄色の線は豊かな鉱物資源を表現しています。

天気・気候
タンザニアは赤道近くに位置する熱帯性気候です。ダルエスサラームでは年間を通して半袖で過ごせるような気候ですが、一方で海抜数千メートル級の高原や山岳地方では涼しい日が続きます。
タンザニアの治安・住みやすさ
タンザニアの治安や住みやすさはどうでしょうか?
治安は一部を除いてよい
アフリカの国と聞くと、治安が良くないのではと思う方がいるかもしれません。しかし、タンザニアはアフリカ諸国と比べると比較的治安のいい国です。外務省「海外安全ホームページ」では、一部の地域を除いて危険情報は発令されていません。
とはいえ犯罪が起きる確率は日本よりずっと高く、強盗、空き巣、ひったくり、詐欺などの犯罪が日常的に起きています。また2020年には、タンザニアで初めてイスラム国に関係するとみられる武装グループによる襲撃事件も発生しています。人気のない場所や貧困層の多い地域などには近寄らず、知らない人に声をかけられて親切そうにされても、信用しないといった注意が必要です。
さらにキゴマ州西部とブルンジとの国境付近は、武装勢力が出没するなど危険なエリアで、外務省では「渡航中止勧告」のレベル3を発令しています。その他、ムトワラ州は「不要不急の渡航は止めてください」のレベル2、インド洋沿岸部などには「十分注意してください」のレベル1が発令されています。そのようなエリアには極力近づかないようにしましょう。

住みやすさは疑問
タンザニアには在タンザニア日本大使館があり、一定数の日本人が移住して生活しています。アフリカの中では治安が良い国であるタンザニアは、日本人が比較的安全に暮らしやすい国といえるかもしれません。
しかし在タンザニア日本大使館が作っている現地の安全手引では、自宅には十分な高さのある塀と門扉を設置し、信頼できる警備員を配置するといった、細かい防犯対策がすすめられています。外出時にもひったくり等に遭わないように気を付けることはもちろん、現地での生活に安全面での注意が必要です。
そのため、タンザニアでの暮らしはアフリカでは比較的住みやすいといわれるものの、そうではないと感じる人もいるでしょう。
タンザニアの見どころ・観光

タンザニアの観光スポットには何があるでしょうか?
セレンゲティ国立公園
マサイの言葉で「果てしなく広がる平原」を意味するセレンゲティ国立公園。この広大なサバンナは、ユネスコの世界遺産に登録されています。ディズニー映画『ライオン・キング』のモデルになったことで有名で、ライオン、ヒョウ、チーターなどの野生動物が数多く生息しています。
タンガニーカ湖

タンガニーカ湖は、タンザニアの西端にある湖です。アフリカではビクトリア湖に次いで2番目の大きさ。この湖が、タンザニアとコンゴ民主共和国との国境をなしています。長い期間下界から閉ざされていたことから、珍しい魚が数多く生息しています。
ザンジバル島
ザンジバル島は、インド洋に浮かぶタンザニアの島。サンゴ礁に囲まれ、透き通って輝く海があるリゾートです。多くのホテルが連立し、世界中から旅行客が訪れています。島には世界遺産に登録されたストーンタウンという街もあり、インド洋の交易で栄えた独特の街並みがあります。

タンザニアの特徴・有名なもの
タンザニアで有名なのは、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロやその地域で作られているコーヒーでしょう。
キリマンジャロ
キリマンジャロは標高5,895mと、富士山(標高3,776m)よりもずっと高い山。タンザニアの北東部にそびえたち、その高さはアフリカ大陸で一番です。
タンザニアは赤道近くにあるにもかかわらず、その標高の高さから、キリマンジャロの山頂には雪があります。ただ近年の地球温暖化によって、キリマンジャロの山頂にある雪がいつかなくなってしまうのではと危惧されています。

キリマンジャロ・コーヒー
キリマンジャロの山麓は、キリマンジャロ・コーヒーが作られている場所として有名です。タンザニアでは19世紀の終わり頃からコーヒーの栽培が本格的に始まったといわれ、昼夜で寒暖差のある高地はコーヒーの栽培に適しており、爽やかなキリマンジャロ・コーヒーが生まれています。
世界で作られているコーヒーのうち、キリマンジャロ・コーヒーの量は決して多くありませんが、タンザニアにとってコーヒーの輸出はとても大切な存在のひとつです。
コーヒーでおなじみの国・タンザニア
日本から遠く離れたアフリカにある国タンザニア。日本では、キリマンジャロ・コーヒーでおなじみです。アフリカ諸国に比べると治安が比較的よい場所もあるなど、親しみを感じやすい国といえるでしょう。そんなタンザニアについて、この記事を通して注目してみましょう。そしていつか『ライオン・キング』の舞台に実際に足を踏み入れてみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部