お子さんへのマネー教育はいつから?
まず聞いたのは、「お子さんが何歳からマネー教育をしていますか?」という質問。
最も多い回答は6歳(小学校低学年)からで、30%以上の親御さんが回答しています。つづいて多いのは、9歳(小学校高学年)からの20%強。
みなさん、小学生では何らかのマネー教育をする予定でいることがわかりますね。
結果について、ファイナンシャルプランナーのたけやきみこさんはこう語ります。
登下校や学校の準備など生活面でお子さん自身が自立する時期なので、マネー教育を始めるには最適だと思っています。
お子さんとの日頃の会話に、「今日買ったお菓子はいくら」とか、「鉛筆はA店とB店では値段が違うね」など、マネー教育につながるような切り口で話してみて、お子さんの関心度を確認したり、お子さんの回答を受けとめたり、関心を持ってくれるような工夫をしてみましょう。
子どもへのマネー教育、なにをしている?
次に聞いたのは、「お金に関して、今お子さんに教えていることを教えてください」という質問。
40%以上の方が、「お金の使い方」を教えているとの回答でした。
具体的には・・・?
具体的にどのようなことを教えているのかもうかがいました。
お小遣い内で何が買えるか、やりくりをする [女性]
おこづかいを使ったらおこづかいメモ(収支の確認)をするようにしている、と同時に、たし算やひき算の練習にもなっている [ 女性 ]
お店やさんごっこをしている [ 女性 ]
一緒に買い物したり、お金払う手続きする [ 男性 ]
ごっこ遊びや、実際の買い物、お小遣いなどを通して、教育をされている方が多いようです。
これについて、たけやさんは以下のようにコメントしています。
家庭ごとにその家庭の「教育の哲学」というものがあっていいと思います。子育てと同じように、マネー教育も家庭教育の一環としてお子さんにあった方針を見つけて、実践してみましょう。
我が家では、子どもが2人おりますが、それぞれに方針が違います。貯蓄が得意な長女にはお金の管理はもちろんのこと、経済についても学んでほしいと考えて、投資にもチャレンジさせました。散財の傾向がある長男には、毎月のお小遣いから年間のお小遣い管理に変更し、予算を立てて、必要な時に親に申請して使うという習慣付けをすることで管理する能力が定着するような方針を考えました。
将来どんな知識を身につけてもらいたい?
ここまでで、さまざまな工夫を家庭でされていることがわかりましたが、将来的に子どもにはどのようなお金の知識を身に付けてほしいと考えているのでしょうか。
上の質問の「今お子さんに教えていること」の回答と同様に「お金の使い方」が最も多いですが、長期的な目線になると「人生設計の描き方」「資産形成」「金融トラブル」といった意見が増えることがわかります。
将来的なお金の教育となると、簡単にはいかないこともあるでしょう。たけやさんがご自身のご家庭で実践していた工夫を教えてもらいました。
失敗してもそれを課題として、次につなげられるようにお子さんの成長を見守ってあげましょう。
お金の管理は、財布に入れて管理することもできますが、我が家では、計算のいらない可視化されたKANRI箱※を小学校卒業まで使用しました。これは大人の家計管理でも利用される封筒分けと同じ原理。中学生になれば財布で管理ができるようになります。
※KANRI箱は仕切りのある箱に用途を仕分けしてそこにお金を入れておく管理方法です。例えば、「マンガ」の仕切りには500円を入れて買うときにここから取り出してマンガを買います。上から覗くとどの用途にいくらあるのかすぐにわかります。
お金に関わる行動、ヒヤっとしたことは?
子育てをしていると、親が想像もしていないことが起こりますよね。最後に、「お子さんのお金に関わる行動でヒヤっとしたこと」を調査しました。
子どもがクレーンゲームが好きで、熱中もしやすいタイプなので、友達と遊びに行って一万円以上使ってしまったと聞いた時。 [ 女性 ]
子どもだけで外出時にお友達に奢ってもらってしまった。[ 女性 ]
お年玉でもらったお金で友達におごろうとしていたこと [ 女性 ]
お年玉などたくさんもらった時に自慢をしたり、奢ってあげる買ってあげるなどと気軽に言ってしまったこと。とくにゲームセンターなど友人と熱中してしまって友人と平等な額ではなく、僕お金あるから~などと無駄遣いしてしまうこと。 [ 女性 ]
中でも多く見られた回答が、「ゲームセンターでの使い込み」、「お友達に奢ってしまう」という回答。それらに対し、たけやさんはこのように指南します。
お金を失くしてしまったり、取ってしまったり、ときには、お友達におごったりなど、お金のトラブルはさまざま。子どもはお金が大好きですし、大きな関心事なのです。お子さんが小さいうちのトラブルは保護者の方がカバーできるものです。
大人になる前にお子さんがそのようなことに関心があるということを知ることができたわけです。失敗をなかったことにせず、お子さんとそのことについて、きちんと話をしてください。そして、今後のマネー教育に活かることができれば、きっと正しい判断ができる大人になってくれるでしょう。
お金のプロが教えてくれたことを取り入れてみて
子どもへ正しい知識を身に付けてほしいと思っても、いつから始めるのか、どう教えたらいいのか、悩みはつきません。
今回答えてくれたパパママ565人のアンケート結果を参考にしながら、ファイナンシャルプランナーのたけやさんが教えてくれた家庭でできる工夫を取り入れてみるとよいですね。
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記事監修
ファイナンシャルプランナー。SAKU株式会社代表。2人の子をもつ。「お金の教育」の専門家として、“まわりに流されない家庭教育”をモットーに、全国の小学校や高校での講演や、子育てサイト・雑誌、TVなどでの発信を続けている。著書に『子どもの一生を決めるおうちお金教育』(KADOKAWA)、『一生お金に困らない子どもの育て方』(幻冬舎)、『マンガでわかる!子どもにちゃんと伝わるお金の「しつけ」』(近代セールス社)など多数。
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文・構成/HugKum編集部