やれば2週間で確実に可動域が広がる!ラクになる!日本体育大学のチームバズーカが推す「ママにこそおすすめ」究極のストレッチ3選

ストレッチがカラダにも心にもよい効果をもたらすというのは、いまや常識。やれば必ず見た目もメンタルも上向きになるーーと頭ではわかりつつも、いまひとつやる気も腰も上がらないのが私たち。でもでも、家事や仕事や子育てでけっこう走り回ってるし、毎日クタクタになるまで動いているから、特別な運動は必要ないよね?・・・・・と思うあなた! そのままにしておくと、10年後の50代には、可動域が狭くなり、思うようにカラダを動かせず、ケガを呼ぶことに・・・・・!?
そうならないために、日本体育大学の岡田隆教授(通称:バズーカ岡田)とそのブレーンであるTeam Bazooka OKADA(チームバズーカオカダ)が2週間毎日くり返せば、確実にあなたの可動域を広げるストレッチ3つを教えてくれました!
*本記事は、書籍『世界一細かすぎる筋トレ ストレッチ図鑑』(岡田隆 著)の一部を抜粋、再編集して構成しています。

解説ページのモデルを務めるのは著者の愛弟子でボディビル世界王者の五味原領さん。(『世界一細かすぎる筋トレ ストレッチ図鑑』より)

そもそもなぜストレッチが必要なのか?

ストレッチがカラダの柔軟性を高めることは周知の通り。しかし、そもそもなぜ、柔軟性は大切なのでしょうか?岡田隆さんはこう言います。
「皆さん、ご自身の経験を思い出してください。私たちは赤ちゃんだった頃、非常に柔らかいカラダを持っていました。一方、高齢者をよく観察してみてください。赤ちゃんと比べると、明らかに柔軟性は減っていますよね。この加齢に伴う〝柔らかい〟から〝硬い〟への変化は、一夜にして起こるわけではありません。日々刻々と進行しています。長い人生の中では、節目節目でその兆候が顕在化します。腕が思うように上がらなくなった中高年、背中や腰が丸まってしまった高齢者の方々は、その一例です。私たち人間は、柔らかく生まれ、硬くなって死んでいくのですね」
それを岡田氏は、「筋肉の宿命」と呼びます。そう、筋肉は日々硬さを形成し、柔らかさを失っていく。1日の中で考えても同様で、例えば終日猫背でデスクワークに励んだ日には、後方へカラダを反らしにくくなっています。ケガの後にギプスを外すと一気に硬くなっているのも、同じメカニズム。そこでカラダを休めたり、伸ばしたりすると、柔軟性が回復していきます。つまり私たちの筋肉は、「3歩進んで、2歩下がる」ようなペースで、「硬くなる」→「柔らかくなる」を繰り返しながら、長期的にゆっくりと硬くなっている・・・・・と。
「この大原則に抗うことができるのが、運動、特にストレッチです。何歳になってもアクティブに動くことができる高齢者がいますが、そうした方々は長い人生の中で、適度に柔軟性を保ち続けることができた結果だといえるでしょう」(岡田氏)。

やれば2週間で確実に可動域が広がる、ママにおすすめ究極のストレッチがある!

岡田氏のいう〝腕が思うように上がらなくなった中高年、背中や腰が丸まってしまった高齢者〟に近い将来、ならないために、何も一日何十分もトレーニングする必要はありません。なんとたった3つ、時間にして15分もあれば、じゅうぶんに可動域を広げられる方法があるーーと、実際に岡田氏のもとで体育科学を学び、ボディケアも担当するTeam Bazooka OKADAのメンバー、阿部健太郎さん、藤松卓矢さん、八角卓克さんが教えてくれました。その究極の種目を3つ、紹介します。

その1:
元レスリング全日本3位、カリスマトレーナー藤松氏が推す
<大臀筋ストレッチ>

柔道整復師の資格を持ち、数々のストレッチ専門店や整骨院で経験を積んだのち、現在はFUVE BODY登戸にて店舗責任者を務める藤松卓矢さんがすすめるのは、大臀筋(お尻の筋肉)のストレッチです。
「妊娠、育児の期間は、骨盤、股関節を動かす機会が少なくなっており、股関節まわりの筋肉の柔軟性が低下してしまっているママさん達を多く見ております。大臀筋は、股関節を動かす上で1番大きい役割を持ち、階段の登り、スクワット、ランニングなどの運動にも使われる筋肉となります。股関節の柔軟性が失われてしまうとひざの痛みや腰の痛みにつながることがありますので、優先的に行っておきたいストレッチとなります」。

1 床に座り、前脚のすねが骨盤と平行となるようにひざを直角に曲げる。逆の脚は後方へ伸ばす。ひじを床につき、上体を支える。

2 上体を前に倒す。腹を太ももにつけるイメージで股関節を屈曲させる。

★目安:左右各15秒以上

★バズーカ岡田からひとことアドバイス:
「ストレッチポールに腕をのせ、前にスライドさせる方法も有効です。姿勢に関わる重要な筋肉であり、腰痛を感じる人にもおすすめの種目です」。

その2:
元早稲田大学ラグビー蹴球部トレーナー、多くのアスリートが頼る阿部氏が推す
ベンチプレス系ストレッチ

ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、アスレティックトレーナーなどの資格を持ち、多くのクライアントにケガや不調の改善策などを提供している阿部健太郎さんがすすめるのは、背中と胸の緊張をほぐすストレッチです。
「不調の出やすい部位をこれ1つで完全網羅! オールインワンエクササイズです! 授乳、抱っこでの反り腰、巻き肩の姿勢の真逆の動き(お腹を縮める、胸を開く)をすることで、固まってしまいやすい筋肉、関節が動くようになります!!」

1 脚を前後に開き、前の脚のひざは曲げる。内側の腕のひじを曲げ、足の内側にタッチしにいく。外側の腕は床につけて、バランスを取る。

2 上体を捻り、内側の腕を上げ、ひじを伸ばす。このとき、ひざは床につけないように。顔は上に向ける。

★目安:左右各10回以上

★バズーカ岡田からひとことアドバイス:
「前に出した脚のかかとでしっかりと床を踏み、カラダを安定させるのがポイントです」

その3:
社会人ボディビル大会準優勝/日本プロパーソナルトレーニング指導者協会理事の八角氏が推す
<肩まわりストレッチ>

ボディビルダーでありながら、ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、アスレティックトレーナー、柔道整復師などの資格を持ち、専門学校講師、トレーナー協会の幹部などを務める八角卓克さんがすすめるのは、肩まわりのさまざまな動作を円滑にするストレッチです。
「場所を選ばない、どこでも行える簡単で効果的な〝ウィンギング〟です。巻き肩で、肩周囲筋群が張っている感覚の方も多いと思います。このストレッチで肩の土台である肩甲骨の動きをしっかり出すことができ、つづければ確実に腕が上がりやすくなってきます!! 加えて、その2で紹介したストレッチもやり易くなり、相乗効果も狙えます!」

1 立った状態で、ひじを曲げ、前腕同士をつける。手の平を顔のほうに向ける。

2 ひじの高さは固定したまま、腕を開く。このとき、手のひらは外に向ける。

3 ひじを伸ばす。逆の順序で1のポジションに戻す。

★目安:10回以上

★バズーカ岡田からひとことアドバイス:
「肩まわりの柔軟な動作を行う種目です。肩甲骨と胸郭の閉じ開き、肩関節の屈曲・伸展、外転・内転を、一つ一つ引き出していきます。各ステップで止めるように行うとよいです。肩ではなく、根本の肩甲骨から腕をまわす効果を狙いましょう」

最後に、日々指導者として、またパーソナルトレーナーとして現場に立つTeam Bazooka OKADAの3人に「怠けグセのある私にカツを入れてください」とお願いしたところ、3人とも同じことをおっしゃっていました。
「毎日が無理なら、週3回でも効果はあります!」(阿部さん)
「なんなら、週1でもカラダは変化します!(ペースはゆるやかですが)」(藤松さん)
「つまり、〝やる〟と〝やらない〟の間には、雲泥の差があるんです!」(八角さん)

もっとストレッチの種類を知りたい人は、ぜひ『世界一細かすぎる筋トレ ストレッチ図鑑』を読んでみてください。135種目掲載されているので、必ず運命的ストレッチとの出会いがあるはずです。(文/学芸編集室 写真はすべて蔦野裕撮影『世界一細かすぎる筋トレ ストレッチ図鑑』より転載)

岡田隆 小学館 1,870円(税込)
『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』『世界一細かすぎる筋トレ栄養事典』につづく本書は、
ストレッチこそ筋肥大の成長を促す最後の扉、との確信をベースに、ボディメイク目線をとことん貫いた130を超える種目を理論と共に紹介する、見たことがない(!?)ストレッチ本。筋トレをやっていればストレッチは不要、は大きな勘違い。
なぜならストレッチが生む「広い可動域」こそ、長期的パフォーマンスの向上、血流アップ、姿勢の改善などのメリットを生み、トレーニング効果を最大化するから。
これらを取りこぼすなんて、もったいない!!!各種目には、解説のほかに有効なトレーニングとスポーツ動作も付記。
またいま話題の、ストレッチの精度を上げる「筋肉のつながり」も掲載。
筋肉が付着している方向を理解すれば、より効果的に「伸ばす」「縮める」が可能に。
細かすぎるストレッチで、眠る可動域を掘り起こせ!岡田隆 Okada Takashi
日本体育大学 教授/ウィンゲート大学客員研究員/博士(体育科学)/理学療法士/ナチュラルプロボディビルダー/柔道全日本男子チーム体力強化部門長(2016リオ五輪、2021東京五輪)/骨格筋評論家/バズーカ岡田
1980年、愛知県出身。日本体育大学卒業、日本体育大学大学院修了、東京大学大学院単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として 2014年にボディビル競技に初挑戦。2023年4月からは自身の研究を深化させるべく、イスラエルに拠点を移して活動(同年10月に緊急帰国)。アメリカ・シアトルにて開催された『WNBFプロボディビル世界選手権』プロマスターズカテゴリーで優勝。
2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務め、2016年リオデジャネイロオリンピックでは史上初全階級メダル制覇、2021年東京オリンピックでは史上最多金メダル5個獲得に貢献。
『除脂肪メソッド』(ベースボール・マガジン社)、『最高の除脂肪食』(ポプラ社)、『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』『世界一細かすぎる筋トレ栄養事典』(どちらも小学館)など著書多数。YouTube『新・バズーカ岡田チャンネル』『バズーカ岡田の筋トレラボ』でも情報発信中。

 

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