パナマ基本情報
まずはパナマの場所や首都、面積、人口などの基本情報から見てみましょう。
国名
パナマ共和国
首都
パナマシティ
場所
パナマがあるのは、北米大陸と南米大陸の間です。
アメリカ、カナダ、メキシコがある北米大陸と、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアなどがある南米大陸は細長い陸地でつながっています。そのつながっている部分にあるのがパナマです。
西はコスタリカ、東はコロンビアと隣接し、カリブ海と太平洋にも面しています。
日本との時差
14時間
日本のほうがパナマより14時間進んでいます。
面積
75,517㎢
北海道の面積が約83,424㎢ですから、パナマの面積は北海道の約9割です。
エリア
パナマには10の県があり、首都のパナマシティがあるのはパナマ県です。

人口
約440万人
北海道の人口が約522万人ですから、パナマの人口は北海道の人口の約85%です。
言語・公用語
スペイン語
通貨
パナマ・バルボア1 パナマ・バルボア=158.38円(2024年7月17日現在)
パナマ・バルボアは硬貨のみで、紙幣はありません。現地で紙幣は米ドルが使われています。

宗教
カトリック
歴史
パナマが初めて発見されたのは、1501年にスペイン人バスティーダによるものでした。そしてスペイン人が中南米の征服をはじめ、長くスペインの植民地としての時代が続くことになります。パナマでスペイン語が使われているのは、そんな歴史があったからです。
そして18世紀後半頃になると、アメリカ革命やフランス革命に影響を受け、言論などの自由を求める声が上がっていきました。1821年には大コロンビア(パナマ、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル)の一州としてスペインから独立。1903年には、コロンビアから分離独立しました。
国旗
パナマの国旗は、赤と青色が印象的なデザインです。これはアメリカの星条旗を手本に配色されています。

天気・気候
パナマは赤道が近く、熱帯性気候に属しています。一部の山岳地帯をのぞき、1年を通じて高温多湿の気候が続きます。
季節は、12月から4月頃の乾季と、4月から12月頃の雨季にわかれます。雨季は日本の梅雨のように雨が続くことはなく、晴れの日の合間に激しいスコールが降ります。
パナマの治安・住みやすさ

パナマの治安や住みやすさについてもみていきましょう。
治安は一部地域で危険
外務省「海外安全ホームページ」によると、パナマのほとんどのエリアで危険情報は発令されていません。しかし、特定の地域で警戒が必要なところもあります。
特に注意したいのが、コロンビアとの国境付近とダリエン県,エンベラ自治区、クナ・ヤラ自治区の一部。このエリアは密林地帯で不法移民が多く、治安当局の監視が行き届かないため非常に危険です。このエリアは、外務省では「渡航を止めてください」のレベル3を発令しています。
またパナマ全土で危険情報が発令されていない場所が多いとはいえ、パナマで2022年に起きた殺人件数は、人口1人あたりで日本の約16.2倍、強盗は約54.4倍ととても高くなっています。またパナマは北米と南米の中間に位置することから、麻薬密売の中継地点といわれています。麻薬組織が国内にあるほか、麻薬取引をめぐる抗争も起きやすいです。
パナマで日本人が巻き込まれた犯罪被害は少ないですが、夜間には外出せず、必ず車で移動することが大切です。危険地域には近づかず、多額の現金や貴重品を持ち歩かないといった心がけが必要になりそうです。

住みやすさは場所による
パナマには在住日本人もいて気候もよく、欧米に比べると物価が比較的安めです。欧米からパナマに移り住む人もいるように、移住先としても一定の人気があります。パナマには治安面で非常に危険なエリアがあるため、そのような場所を避けてしっかりと治安の対策を行えば、パナマは暮らしやすいと感じられるかもしれません。
パナマの見どころ・観光
パナマの見どころや観光スポットをご紹介します。
パナマ運河
パナマ運河はパナマのシンボルのような存在で、観光名所にもなっています。3つの水門が設けられ、その開閉によって水位が調整されています。

パナマ運河を外から眺めるほか、運河をクルーズするツアーもあります。もしかしたら、日本に届く物資もこのパナマ運河を通ってきているかもしれません。そんなことを考えながら眺めてみたい場所です。
パナマ・ビエホ
パナマ・ビエホはパナマシティの東にある遺跡で、世界遺産に登録されています。

大聖堂、修道院などのスペイン植民地時代の建築物が並び、当時の人々の暮らしを想像させてくれます。石畳の通りやカラフルな建物などを見ると、古い時代のスペインに迷い込んだようです。
メトロポリタン大聖堂
白い塔がそびえたつメトロポリタン大聖堂。市庁舎や大統領官邸などが集まるエリアにあり、このエリアは人気の観光スポットです。

内部はステンドグラスなどで美しく装飾され、厳かな雰囲気に包まれています。
サン・ロレンソ要塞
カリブ海の海賊によって略奪行為が行われていた、スペイン植民地時代。そんな海賊から港や街を守るために作られたのが、サン・ロレンソ要塞です。頑丈な構造で多くの攻撃を防いだといわれています。そんな歴史を体感できる場所です。

パナマの特徴・有名なもの
パナマといえば、パナマ運河の存在が有名です。パナマで有名なものをいくつかご紹介しましょう。
パナマ運河
パナマ運河は、太平洋とカリブ海を南北につなぐ運河。全長約80kmにもなる、世界三大運河のひとつです。

大西洋から太平洋までを横断しようとすると、かつては南米大陸をぐるりと回らなくてはいけませんでした。アメリカの支援を受けてパナマ運河が1914年に完成すると、大幅にショートカットして大西洋と太平洋の間を行き来できるようになりました。
今ではパナマ運河を行き来する船は年間1万隻以上で、クルーズ船なども通っています。そしてパナマは、パナマ運河の通行料によって多くの収入を得て発展してきました。
パナマ文書
世界には、税率がゼロまたは低く抑えられている国や地域があり「タックスヘイブン」と呼ばれています。富裕層はそのようなタックスヘイブンに架空の会社をつくり、資金を移して税金を低く抑えたり資金を隠したりすることがあります。
「パナマ文書」はそんなタックスヘイブンの実態を明らかにした機密文書で、パナマの法律事務所が1970年代から作成していました。2016年にこの文書が公開・報道されて話題となりました。タックスヘイブンに資金を移すことは違法ではありませんが、人々から脱法行為と非難されています。

北米と南米の中間にある国パナマ
パナマは、北米大陸と南米大陸を結ぶ場所にある国です。そのため、地理上も政治的にもとても重要な役割を担ってきました。そしてパナマ運河の完成で、大型船が運航するようになり経済発展も遂げてきたのです。
世界の貿易や経済について考えるときにも重要となる地域です。ニュースで報道されることも多いこの国について理解を深めましょう。
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文・構成/HugKum編集部