コロンビアってどんな国?
「コロンビア」と聞くと、まずコーヒー豆を想像する方も多いでしょう。コーヒー豆の産地として知られ、日本でもコロンビア産のコーヒーがよく販売されています。そんなコロンビアがあるのは、南米大陸の北西部。ただ、コロンビアの名前は知っていても、もっと具体的にどんな国なのか知っている方は少ないかもしれません。
ここからは、コロンビアがどんな国なのか、観光地や国の特徴などをご紹介していきます。
コロンビア基本情報
まずは、場所や人口、面積などの基本情報からチェックしましょう。
国名
コロンビア共和国
首都
ボゴタ
場所
コロンビアがあるのは南米の北西部です。西側には太平洋、北側はカリブ海があり、北西側はパナマ、東側はベネズエラ、南東はブラジル、南西はペルーとエクアドルに隣接しています。
日本との時差
14時間
日本はコロンビアより14時間進んでいます。
面積
113万9000㎢
日本の面積は約37万8000㎢ですから、コロンビアの面積は日本の約3倍になります。
エリア
コロンビアでは、首都ボゴタのほか、32の県に分かれています。

人口
5187万人
日本の人口は約1億2400万人ですから、コロンビアの人口は日本の42%にあたります。
言語・公用語
スペイン語
通貨
ペソ
1ペソ=8.86円(2024年3月19日時点)
ペソは、コロンビアのほか、キューバ・メキシコ・アルゼンチン・チリなどでも共通で使われている通貨です。
宗教
カトリック

歴史
コロンビアの歴史は、16世紀にスペインによって占領されたことからはじまります。
17世紀から18世紀頃になると、独立を求める声が高まるようになり、スペイン軍との独立戦争が勃発。1819年には、現在のベネズエラやエクアドルなどと一緒にグラン・コロンビア共和国として独立を宣言しました。
その後、ベネズエラとエクアドルが分離するなど共和国の解体が度々行われ、1886年に新憲法のもと、現在のコロンビア共和国が生まれました。
1903年には現在のパナマが分離独立を果たしました。
ただし、その後もコロンビアの苦難の歴史は続きます。1948年には保守党と自由党の二大政党が激しく対立し、数千人の死者が出たといわれるほどの「ボゴタ騒動(ボゴタソ)」が起き、それ以降の約10年間は「ラ・ビオレンシア(暴力)の時代」と呼ばれました。そして1953年に、クーデターによって軍事政権が成立したのです。
天気・気候
コロンビアは赤道近くにある国で、熱帯雨林気候と熱帯サバナ気候に属しますが、アンデス山脈の海抜1000〜2000mは温帯、海抜3000m以上になると高山の気候です。
首都ボゴタは標高2640mの位置にあるため、夏は涼しく、年間を通して穏やかな気候です。3~5月と9〜11月頃が雨季で、それ以外が乾季にあたります。
コロンビアの治安・住みやすさ

コロンビアという国を聞いて、麻薬・銃といったことを想像する人もいるでしょう。コロンビアの治安はどうなっているのでしょうか?
治安は危険
2000年頃はテロ・誘拐、・殺人が多く発生しました。2002年の1年間だけで、誘拐事件が2882件も発生したほどです。しかし今では治安がだいぶ改善され、2021年の誘拐事件件数は160件、2022年は183件(11月までのデータ)と減少しています。とはいえ武装犯罪組織による誘拐、一般犯罪組織による誘拐もまだ起きているのが現状です。
外務省「海外安全ホームページ」では、コロンビアの全域でレベル1〜3を発令しています。特に注意したいのはアラウカ県、カウカ県西部、ナリーニョ県西部、ノルテ・デ・サンタンデール県北部。これらのエリアでは、渡航中止勧告にあたるレベル3が発令されています。
コロンビアでテロによる日本人の被害は確認されていませんが、2017年にボゴタのショッピングセンターで起きた爆弾テロで、フランス人が巻き込まれたこともあります。流しのタクシーは利用しない、車で移動中でも窓を開けない、華美な服や装飾品を身に着けて目立つ行動はしない、単独行動は避けるといった心がけが大切です。
住みやすさは「注意が必要、ただし地域により異なる」
コロンビアの首都ボゴタは赤道近くにありますが、高地であるため一年を通して気候が安定しています。夏は涼しく、たいへん過ごしやすいでしょう。
もちろんコロンビアの全土で治安に不安はありますが、治安のよい地域であれば、人によっては住みにくさを感じることは少ないともいえます。
コロンビアの見どころ・観光
次に、コロンビアの観光スポットや見どころをいくつかご紹介しましょう。
ボゴタ

コロンビア旅行に行くなら、首都のボゴタはぜひ見ておきたいところ。近年は高層ビルが建築されるなど都市化が進んでいますが、旧市街地は歴史的建造物も多く見どころがいっぱいです。
ボリーバル広場・国会議事堂・最高裁判所・サグラリオ礼拝堂など、フォトジェニックな場所がいくつもあります。
カルタヘナ

カルタヘナはコロンビア北部の都市です。カリブ海に面していて、海沿いにはビーチホテルが建ち並ぶコロンビア屈指のビーチリゾートです。
またスペインの植民地だった時代に築かれた港や要塞などの歴史的な建造物も多く残っており、それらを巡るのもおすすめです。
カリ
コロンビアで3番目に大きな都市カリは、南米の音楽「サルサの街」と呼ばれる場所です。サルサの国際的な大会やイベントも開催され、サルサを学びたい人が訪れています。本場のサルサにどっぷり浸りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

コロンビアの特徴・有名なもの
コロンビアといえば、コーヒーの栽培が有名です。
コーヒー
コロンビアは農業が主要産業のひとつですが、そのなかでも大きな割合を占めているのがコーヒーです。この地はコーヒーの栽培に適した土地であり、一年を通じて良質なコーヒーが栽培されています。コロンビアのコーヒー生産量は、世界トップクラスを誇ります。
麻薬
コロンビアでは山間部などで麻薬が栽培されており、2023年にはコロンビアのコカイン生産量が過去最高に達したことが報じられました。
世界最大級の麻薬組織の拠点もコロンビアにあり、麻薬が世界にここから密輸されてきています。コロンビア政府は麻薬の密造・密売などの取り締まりを行っていますが、いまだコロンビアと麻薬は根深い関係にあるようです。
サッカー

コロンビアはサッカーの強豪国。ワールドカップには6回出場し、ベスト8という最高成績を残しています。
とくに、ライオンのような金色のカーリーヘアがトレードマークだったカルロス・バルデラマは、コロンビア代表の主将を務めてワールドカップ出場も果たした英雄的存在です。
ハッピーで明るい人が多いコロンビア
コーヒーやサッカー、サルサなどのイメージがある一方で、麻薬や銃といったネガティブな印象もあるコロンビア。しかし現地の人々は明るく、陽気な国民性といわれています。コロンビア産のコーヒーを飲みながら、日本から遠く離れた南米の地に思いをはせてみませんか?
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文・構成/HugKum編集部