エクアドルはどんな国? 赤道直下なのに涼しいのはなぜ? ガラパゴス諸島や名産品をチェック【親子で学ぶ世界地理】

南アメリカ北西部にあるエクアドル。日本とほぼ同じ広さの国土には、アマゾンのジャングルがあり、希少な野生動物が多くいることで知られるガラパゴス諸島も含まれています。そんなエクアドルの首都、面積、人口などの基本情報から、治安情報、おすすめの観光地などをご紹介します。
<画像:エクアドル最大の都市グアヤキルの街並み>

エクアドルってどんな国?

エクアドルという国名は、スペイン語で「赤道」を意味するように、赤道直下にある南米の国です。首都キトは、原住民の言葉で「地球の真ん中」を意味します。キトの標高は約2800mとかなり高地にあります。

またエクアドルはガラパゴス諸島もある国。ガラパゴス諸島は南米本土から約1000㎞離れた太平洋に浮かぶ島々です。ここは動物たちの「最後の楽園」と言われるように、希少な動植物が数多く生息しており、ガイドと一緒に入島しなければならない島も多くあります。

そんなエクアドルはどんな国か、さらに掘り下げて見ていきましょう。

エクアドル基本情報

エクアドルの国旗

まずはエクアドルの基本情報からご紹介します。

国名

エクアドル共和国

首都

キト(Quito)

場所

エクアドルがあるのは、南アメリカ大陸の北西部。隣接する国は、コロンビアとペルーで、太平洋にも面しています。赤道直下に位置し、アンデス山脈が南北にあります。

また、ガラパゴス諸島もエクアドルの一部。ガラパゴス諸島は、南米本土から西に約1000㎞に離れた太平洋に大小100以上の島々が浮かぶ島々です。

日本との時差

14時間(日本の方が14時間進んでいます)
ガラパゴス諸島は15時間(日本の方が15時間進んでいます)

面積

25.6万平方km

日本の総面積は37万8000平方㎞で、本州は22万8000平方㎞。エクアドルの面積は、ちょうど本州と九州を合わせたくらいの広さです。

エリア

エクアドルは24の県があり、地方行政は中央集権体制がとられています。

人口

1776万人(2021年のIMFのデータ)

日本の人口は1億2477万人(2023年1月1日時点)なので、ウガンダには日本の人口の約14%にあたる人々が暮らしていることになります。

言語・公用語

公用語はスペイン語。しかし、先住民の多くはケチュア語、シュアール語などを話します。

通貨

米ドル
1ドル=約130円(2023年1月26日時点)
※エクアドルでは2000年に自国通貨の「スクレ」が廃止され、米ドルが法定通貨として採用されました。

宗教

カトリック教(国民の大多数がカトリック教徒です)

歴史

1822年 グラン・コロンビアとして、スペインより独立
1830年 グラン・コロンビアより分離独立
1979年 民政移管
2007年1月 レア大統領就任
2008年10月 新憲法発効
2009年4月 コレア大統領再任
2013年5月 コレア大統領(第二期)
2017年5月 モレノ大統領就任
2021年5月 ラッソ大統領就任

天気・気候

エクアドルの気候は、地域ごとにいくつかに分類できます。

・海岸地方
赤道直下にありますが、冷たい海流の影響で比較的穏やかで過ごしやすい気候です。
・山岳地方
首都キトなどを含め、標高が高い地域のため、年間を通して日本の春のような快適な気候が続きます。
・熱帯地方
アマゾンがある地域は、高温多湿。年間を通して雨が多く降り、蒸し暑い日が続きます。

エクアドルの治安・住みやすさ

エクアドルの治安や住みやすさはどうでしょうか。

治安は悪化傾向

外務省「海外安全ホームページ」によると、2022年1月26日時点で、エクアドルの国土のほとんどは危険について警告されていません。しかしコロンビアの国境近くの北部を中心とする一部エリアは、危険レベルが2(不要不急の渡航は止める)や3(渡航は止める)の地域があります。またエクアドル全土で殺人事件が数多く発生し、その7割近くで銃が使用されています。

・エスメラルダス県北部地域(危険レベル3)
2018年にはサン・ロレンソ市の警察に爆弾が仕掛けられる爆発事故が発生し、エクアドル政府がサン・ロレンソ市とエロイ・アルファロ市に非常事態宣言を発令しました。これ以降、爆弾事件や銃撃、誘拐などが頻発しています。

・カルチ県南東部(危険レベル2)
FARC(コロンビア革命軍)の元構成員や、ELN(国民解放軍)の活動が見られたり、これらの組織員が休養等している可能性が高い地域です。

・キト市、グアヤキル市(危険レベル1)
日本人が巻き込まれる被害も発生しています。バス、メトロバスなどの公共交通機関ではスリ被害が多く、ホテルなどからタクシーを利用することがすすめられています。

※危険レベルは数字が大きくなるほど危険。レベル3~4は渡航中止勧告。すべての国に危険レベルを発出していないので、レベル1とされている時点で危険性が指摘されている。

住みやすさはあまり良くない?

近年治安が悪化傾向にあるエクアドル。現地には在エクアドル日本国大使館があることからも、現地で生活する日本人が一定数いるとうかがえます。もし日本人が住むのなら、治安が比較的良いと言われる地域の情報を得る必要があります。

エクアドルの見どころ・観光

エクアドルの観光地やおすすめスポットをご紹介しましょう。

赤道記念碑公園(キト)

首都キトにある観光スポットとしてはずせないのが、赤道記念碑公園。名前のとおり、赤道通過地点にあります。公園の中には、エクアドル料理を食べられるレストランや、ネズミの丸焼きを販売する店などもあり、ここでしか味わえないものもありそう。

公園内に黄色の線で示された赤道。2016年にリニューアルされ、パビリオンやレストランがお目見え。

ラ・コンパーニア聖堂(キト)

建物全体に華やかな彫刻がほどこされたラ・コンパーニア聖堂。建物の内部には全面に金箔が施されており、きらきらとして圧巻。黄金の美しい世界が広がっています。中にも入場できて、観光客にとって人気のスポットです。

エクアドルの観光スポットのひとつ、ラ・コンパーニア聖堂。

エルチャト(ガラパゴス諸島)

エクアドルといえば、ガラパゴス諸島の存在が欠かせません。首都キトから国内線でアクセスするのが一般的です。

ガラパゴス諸島のバルトラ島にあるエルチャトという場所は、野生のゾウガメがたくさん生息している地域。周辺を歩いていると、ゾウガメに出会う確率が高いようです。ゾウガメの保護を目的とした「チャールズ・ダーウィン研究所」も有名です。

ガラパゴス島に生息する野生のゾウガメ

サンタ・アナの丘(グアヤキル)

エクアドル最大の街グアヤキルにあるサンタ・アナの丘は、グアヤキル市内を一望できる見晴らしのいい場所。キリスト教の巡礼地にもなっています。

400段以上の階段をのぼってたどり着ける頂上には灯台もあります。植民地時代の面影がある、色鮮やかな家がカラフルで美しい街です。

遠景に見えるサンタ・アナの丘(グアヤキル)

サンラファエルの滝

アマゾンの入口にある「世界百名瀑」のひとつが、サンラファエルの滝。落差が約150mあり、エクアドルでも最大級の滝です。

エクアドルの特徴・有名なもの

エクアドルで有名な名物などもチェックしてみましょう。

コトパクシ山

標高5897mのコトパクシ山。エクアドルで2番目に高い活火山です。「エクアドルの富士」と形容されるように、富士山と似た美しい円錐形を描いています。標高4000m近くまで車でアクセスできて、トレッキングも楽しめます。

コーヒー

エクアドル産のコーヒーは、苦味が少なく、まろやかで酸味のバランスがとれていると言われます。現地に行くなら、エクアドル産コーヒーを飲んだりお土産に購入したり楽しみたいですね。

酸味と苦味のバランスにすぐれ、ナッツのような香りのあるエクアドル産コーヒー。

チョコレート

エクアドルはカカオの産地としても有名。世界でカカオを生産する国のトップ5に入っています。観光客の訪問が可能なカカオ農園もあり、どんな風にカカオが栽培されチョコレートになっているのか見て楽しめます。

大自然が豊かなエクアドル

エクアドルは、ガラパゴス諸島を筆頭に、アマゾンなど豊かな自然があふれる国です。赤道直下にあるのに、アンデス山脈があるおかげで標高が高く、比較的過ごしやすい場所も多いのが魅力。さらに、コーヒーやカカオ、バナナなどの産地としてもよく知られています。それらの食べ物を口にするとき、エクアドルがどんな国なのか、どんな場所でつくられているのか調べてみると面白いかもしれませんね。

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文・構成/HugKum編集部

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