二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
今日6月6日は二十四節気「芒種」です
芒種(ぼうしゅ)
穂の先に着いたトゲのような「芒(のぎ)」のある、穀物の種をまくのに良い時季です。梅雨入りをする地域も多く、毎日しとしとと雨が降ります。庭や道に咲くアジサイが、雨に濡れてきれいな色に輝いている姿を見るのも楽しみのひとつ。ホタルは約2週間しかない短い命を燃やすように、青白い光を放っています。キュウリやトマト、ナスなどの夏野菜もそろそろ店先を賑わわせてくれる頃。鈴なりになる桑の実を、子どもたちが口を赤くして食べています。
梅雨に旬を迎える「ビワ」でビワエキスを作ってみよう
梅雨の季節のくだものといえばビワ。裏山の木の枝にたわわに実ったビワもだんだんと黄金色に色づいてきました。白い花は目立ちませんが花期は冬。昨冬に咲いた花がやっと実を結んだのです。
味もおいしいけれど、種で作るビワエキスがわが家では大活躍。食べた後の種をとっておき、35度の焼酎に漬けこむと、1か月くらいでいい香りがしてきます。これが虫刺されやちょっとしたヤケドにとても効きます。虫の多いわが家では必需品です。
種がないときは葉を刻んで同じように漬けこんでもできます。どちらかといえば葉で作ったほうがマイルド。肌の敏感な人はこちらがおすすめです。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
口福だより
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388359
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神﨑典子