ポーランド基本情報
まずは場所、首都、面積、人口、民族など、ポーランドの基本情報からチェックしましょう。
国名
ポーランド共和国
首都
ワルシャワ
場所

ポーランドがあるのは、ヨーロッパの中央部。北にロシア(飛び地)、北東にリトアニア、東にベルラーシとウクライナ、南にスロバキア、南西にチェコ、西にドイツと隣接しています。また北はバルト海に面しています。
日本との時差
7時間
日本のほうがポーランドより7時間進んでいます。
面積
31.39万㎢
日本の面積が約38万㎢ですから、ポーランドの面積は日本の約8割で、ちょうど日本から九州と四国を除いた程度の面積です。

エリア
ポーランドは16の県で構成されていて、首都ワルシャワがあるのはマゾフシェ県です。
人口
約3,768万人
東京都の人口が約1400万人ですから、ポーランドの人口は東京都の2.7倍ほどです。
言語・公用語
ポーランド語

通貨
ポーランドズウォティ
1 ポーランドズウォティ=40.46円(2025年8月18日現在)
宗教
カトリック(人口の約88%)

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歴史
ポーランドが建国されたのは10世紀で、1386年にはリトアニアと連合王国が作られました。この連合王国は15~17世紀に東欧でも大きな国となったのです。
しかし隣接するロシア、プロイセン、オーストリアが軍事力を強めていき、1795年にはポーランドは隣接三国に分割され、ポーランドという国自体が消滅してしまいました。この後、第一次世界大戦終了までの123年間、世界にはポーランドという国は存在しませんでした。
しかし第一次世界大戦中にロシア革命が勃発し、それをきっかけに1918年にポーランドは独立回復したのです。ただしポーランドの悲劇はまだ終わりません。第二次世界大戦が始まると、ヒトラーが率いるナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻。ドイツとソ連に再び分割占領されることとなったのです。このときの犠牲者はポーランドの人口の5分の1を超えており、世界でもっとも高い比率とされています。

第二次世界大戦が終戦した1945年、ヤルタ会談を経て独立を回復しました。ポーランドが「悲劇の国」と呼ばれるのは、周辺の国によって分割や消滅を繰り返した歴史があるからです。
大戦後のポーランドは、共産党独裁の国としてソ連の衛星国となりましたが、西側からの借金に依存し、インフレや物資不足が深刻化します。その反動として1980年に労働組合が発展した「連帯」が結成され、民主化運動が拡大します。

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1989年に共産政権が崩壊し、第三共和国が誕生。以後、NATOやEUに加盟しました。
ポーランドの国名はポーランド語で「ポルスカ」といい、「農耕に従事していた人々の土地」「平原の国」という意味があります。
国旗
ポーランドの国旗は、白と赤の2色が使われたデザインです。これは「建国者レヒが赤い夕日の中、白いワシが飛ぶのを見て国章をつくった」という伝説にちなんでいるといわれています。

天気・気候
ポーランドは大陸性気候で、日本と同じように四季があります。ただ日本より緯度が高く、全体的に日本よりも涼しめです。夏は最高気温が24℃前後、冬は最高気温が0℃前後くらいまで冷え込みます。
ポーランドの治安・住みやすさ
ポーランドに行くなら、治安面がどうなのか気になるでしょう。ポーランドの治安や住みやすさについて見てみましょう。
治安は良好
ポーランドでは2000年代はじめごろに一時的に治安が悪化しましたが、現在は警察の取り締まりなどによって治安が改善され、比較的治安のいい国のひとつです。外務省「海外安全ホームページ」では、危険情報は発令されていません。

ただし観光客を狙ったスリ、置き引き、強盗などが発生しており、日本人観光客が被害に遭った事例も出ています。特に首都ワルシャワでは外国人の犯罪被害が多く、公共交通機関の車内、憲法広場や新世界通り周辺、旧市街、大型スーパーマーケットやショッピングモールなどで多数の被害が確認されています。
買い物に行ったときは財布をすぐにしまう、現金やクレジットカードなどの貴重品は分散して持ち歩く、スマホを見ながら歩かないといった心がけを忘れずに行うといいでしょう。
住みやすさも良好
ポーランドは、軽犯罪は発生していますが治安がいい国です。さらに日本より物価が安い商品もあり、日本人が移住して生活するのにも住みやすい国といえます。
ポーランドの見どころ・観光
ポーランドの観光地や見どころをご紹介します。
旧市街市場広場

首都ワルシャワで博物館などを観光する中心的スポットとなるのが、旧市街市場広場です。絵本に出てきそうな黄色や水色などのカラフルな建物が並び、煉瓦でできた石畳が広がる場所はヨーロッパの歴史を感じさせる場所です。
ヴァヴェル城

ポーランド南部のクラクフのヴァヴェルの丘に建つ城です。ヴァヴェル城の敷地内にあるヴァヴェル大聖堂は、ポーランドで最も重要な聖堂と言われ、600年以上の歴史があります。
ヴィエリチカ岩塩坑
クラクフの近くにあるヴィエリチカ岩塩坑は、地中330mまで掘られた採掘場です。世界最古といわれており、地下には塩でできた聖キンガ礼拝堂があります。

マルボルク城
ポーランドの北部にあるマルボルク城は、煉瓦作りでできた城。13世紀頃につくられましたが、現在は修復作業が行われてその姿を残しています。ノガト川沿岸から望む景色は美しく見晴らしがよいため、ぜひ写真に撮ってみてください。

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アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館
ポーランドにあるアウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館は、ポーランドの歴史を語るうえで重要な場所です。ドイツのヒトラーが多くのユダヤ人を収容し虐殺した収容所が各地にありますが、ここはヨーロッパ最大の収容所です。「負の遺産」であると世界遺産に登録されており、悲しい歴史を知るために各国から人々が訪れています。

ポーランドの特徴・有名なもの
「ポーランドといえばこれ!」という有名なものをご紹介しましょう。
作曲家ショパン・地動説のコペルニクス・物理学者のマリー・キュリー
ポーランドでは、歴史的に知られる著名人が多く生まれてきました。

たとえば作曲家のショパンは、ワルシャワから西に60㎞ほど離れたジェラゾヴァ・ヴォラ村で1810年に生まれました。ショパンの生家を復元した家が、観光スポットとして公開されています。また、首都ワルシャワの聖十字架教会には、柱の内部にショパンの心臓が安置されていることで有名です。

また地動説を唱えたコペルニクス、物理学者でノーベル賞を受賞したマリー・キュリーなどもポーランド出身です。ワルシャワには、マリー・キュリーの博物館もあります。

ポーランドのドーナツ「ポンチキ」
「ポンチキ」はポーランドのドーナツです。穴は開いておらず、ポーランドでは特定の日に幸せを願ってポンチキを食べる習慣があります。

ポーランドを知ると歴史が面白くなる
ポーランドはヨーロッパの中央部にある国で、これまでに分割や消滅を繰り返してきた歴史があります。第一次世界大戦や第二次世界大戦でも翻弄されてきており、ポーランドの歴史を知るとヨーロッパや世界の動きも一緒に学ぶことができます。
そんな歴史の荒波を乗り越えてきたポーランドという国に、この記事をきっかけに目を向けてみてください。
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文・構成/HugKum編集部
