ポルトガルってどんな国?
1543年にポルトガル人が日本の種子島に到着してから、日本とポルトガルは交流を続けてきました。日本との友好関係の歴史が長いのがこの国です。この記事の基本情報から見ていきましょう。
ポルトガル基本情報
国名
ポルトガル共和国
首都
リスボン
場所

ポルトガルがあるのはヨーロッパ南西部のイベリア半島。半島の東側はスペインで、西側がポルトガルです。北と東はスペインに接し、南と西は大西洋に面しています。
日本との時差
8時間
日本のほうがポルトガルより8時間進んでいます。
面積
92,225㎢
日本の面積が約38万㎢ですから、ポルトガルの面積は日本のおよそ4分の1です。
エリア
ポルトガルは大きな区分としてポルトガル本土、アゾレス自治地域、マディラ自治地域の3つに分けられます。さらに7つの地方と、30の準地域があります。
人口
1031万人
東京都の人口が約1400万人ですから、ポルトガルの人口は東京都の人口の約7割です。

言語・公用語
ポルトガル語
その他、ブラガンサ県のミランダ・ド・ドウロ地域ではミランダ語も公用語として認められています。
通貨
ユーロ
1 ユーロ=162円(2024年9月27日現在)

宗教
カトリック教徒が圧倒的多数です。
歴史
ポルトガルが建国したのは1143年のことです。現在のポルトガルとスペインがあるイベリア半島では、イスラム教徒から解放しようという運動「レコンキスタ」が起き、ポルトガル王国はその過程でキリスト教国家として誕生しました。
15世紀後半になるとヨーロッパ諸国から先駆けて海外へ進出をはじめ、世界各国を植民地として貿易の拠点を増やしていきました。このときポルトガル船が日本の種子島に来航し、南蛮貿易が行われるようになりました。
しかし16世紀末になるとイギリスやオランダの勢力が強まり、1580年にはスペインとの同君連合が誕生。1640年のスペインからの独立まで、スペインに併合されました。

その後19世紀にはナポレオンが台頭し、ポルトガルも征服されることとなりました。そして1910年には立憲王政が終焉し、ポルトガル共和国が成立したのです。
国旗
ポルトガルの国旗は、緑と赤色の背景に、紋章が中央に描かれたデザインです。

緑は誠実や希望、赤は大航海時代の人々の勇気や共和制革命で流された血を表しており、中央の紋章は王国時代に使われたものです。
天気・気候
ポルトガルは地中海性気候に属します。日本の東北地方とほぼ同じ緯度で、一年を通じて温暖で過ごしやすい気候です。
日本と同じように四季があり、12月〜2月頃の冬は薄手のコートが必要になり、6月〜8月頃の夏は暑くなります。ただ湿度が低めですから、日陰に入れば涼しさを感じられるでしょう。
ポルトガルの治安・住みやすさ

ポルトガルに旅行に行くなら、気になるのが治安面のことです。
治安は良好
ポルトガルは世界的に見て、比較的安全な国のひとつです。外務省「海外安全ホームページ」でも、危険情報は発令されていません。
ただしスリ、置き引き、ひったくりなど、旅行者を狙った盗難被害が数多く報告されています。日本人も含め外国人旅行者は多額の現金を持ち歩いていると思われる傾向にあり、犯罪者からターゲットにされやすいです。
日本人で被害に遭ったケースは首都リスボンに集中しており、電車の車内や駅、空港、ホテル、観光スポットなどで多発しています。人目のつくところで財布を見せたりせず、荷物からは目を離さず注意しましょう。
住みやすい
ポルトガルは治安が良い国であり、温暖な気候であることから住みやすい国といえるでしょう。物価もヨーロッパの中ではそこまで高くなく、移住する人も少なくありません。
ポルトガルの見どころ・観光
ここからは、ポルトガルの見どころやおすすめ観光スポットをご紹介しましょう。

リスボン
ポルトガル旅行ではずせないのは、首都リスボンです。リスボンは別名「7つの丘の街」といわれるように、起伏が激しく7つの丘があります。それらの展望台を巡ってもいいですし、路面電車に乗るのもおすすめです。歴史を感じさせる建物や美術館なども、各地に点在しています。
発見のモニュメント
ポルトガルといえば、大航海時代に各地を発見してきた国です。リスボンにある「発見のモニュメント」は、その時代を象徴する航海者の功績を称えるために建てられました。

1960年、ポルトガル王子で航海探検を支援したエンリケ航海王子の生誕500年を記念して建設されたこのモニュメントには、エンリケ王子を先頭に、航海者、探検家、宣教師、科学者などが並んでいます。
ジェロニモス修道院
ジェロニモス修道院はリスボンにある修道院で、世界遺産に登録されています。大航海時代に航海者たちを称えるために建てられたもので、ゴシック様式の美しさが光る圧巻のたたずまいです。

オビドス
オビドスは、リスボンの北にある小さな町です。古い城壁に囲まれ、石畳の路地が迷路のように続き、中世の世界に迷い込んだような気分になります。

白い壁に青、黄色などカラフルな色が使われた建物はとても可愛らしい雰囲気。お土産屋さんをのぞいたり、カフェでお茶したりして過ごしてみてください。
ポルトガルの特徴・有名なもの
ポルトガルで有名なのが、お菓子のパステル・デ・ナタ。それ以外にも、日本人である私たちになじみの深いものも数多くあります。
伝統菓子の「パステル・デ・ナタ」
パステル・デ・ナタは、ポルトガルの伝統的なお菓子です。
サクサクのパイ生地でできたタルトの中に、ふんわりとしたカスタードクリームが入っています。スーパーやカフェなどで売られている、ポルトガルでおなじみのスイーツです。

サッカー競合国
ポルトガルはサッカーが強い国として知られています。スポーツ選手の世界長者番付でトップになったクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、ペペ、エウゼビオ、エデルなどのスター選手を輩出してきました。
日本で使われるポルトガル語由来の言葉
ポルトガル語はあまりなじみがないかもしれませんが、日本でふだんから使われている、ポルトガルが由来の言葉があります。
例えば「パン」「カステラ」「ビスケット」「ボタン」「かるた」などです。日本に古くからポルトガル人が来日し、交流してきたことが関係しているとされています。

鎖国時代、長崎の出島で貿易
日本とポルトガルは南蛮貿易を行っていた歴史があり、友好関係は約500年にも及びます。江戸時代には鎖国政策が行われ、ポルトガル人との貿易は長崎に作られた人工の島「出島」で行われました。
上記したようなポルトガル語が現代の日本に伝えられているのには、このような事情もあります。
日本にもゆかりのある国ポルトガル
1543年にポルトガル人が種子島に到着してから、日本とポルトガルは長い間交流を続けています。なじみのあるポルトガル由来の日本語も多く、決して無関係の国とはいえません。
美しい街並みや歴史的な名所、豊かな文化に触れることで、さらにその魅力を感じられるはずです。ヨーロッパ旅行の際には、ぜひポルトガルを訪れてみてください。
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文・構成/HugKum編集部