マーシャル諸島ってどんな国?
ミクロネシアの東に広がる海域に、数多くの島を有するマーシャル諸島。美しいビーチがある国としても知られています。日本のパスポートがあって短期滞在目的なら、事前にビザを取得しなくても90日間の滞在ができる国です。この記事では、マーシャル諸島がいったいどんな国なのか、順番にご紹介していきます。
マーシャル諸島基本情報
まずはマーシャル諸島の場所や首都、面積、人口、歴史、気候などの基本情報から見てみましょう。
国名
マーシャル諸島共和国
首都
マジュロ
場所
マーシャル諸島があるのはミクロネシア連邦の東方です。オーストラリアとハワイの中間あたりに位置します。

日本との時差
3時間
日本よりマーシャル諸島の方が3時間進んでいます。
面積
181㎢
マーシャル諸島全体の陸地面積は小さいですが、広大な海域を含んでおり、排他的経済水域は約200万平方キロメートルに及びます。
エリア
マーシャル諸島の島の数は、全部で1200以上。主に29の環礁と5つの島から構成されています。マーシャル諸島に属する有名な諸島には、ラタック諸島やラリック諸島があります。行政上マーシャル諸島は24の地区に分類され、首都マジュロがあるのはマジュロ環礁です。
※環礁:環(わ)の形にできるサンゴ礁のこと
人口
41,570人
大阪府豊中市や宮崎県宮崎市の人口が約40万人ですから、マーシャル諸島の人口はそのおよそ10分の1です。
言語・公用語
マーシャル語、英語
首都マジュロがあるマジュロ環礁とクワジェリン環礁などでは英語が通じますが、それ以外の環礁や列島ではマーシャル語以外はほとんど通じません。
通貨
米ドル
1 米ドル=約155円(2025年12月1日現在)
自給自足の生活を送っている人も多く、現在でも物々交換が行われています。
宗教
キリスト教(主にプロテスタント)
歴史
マーシャル諸島が初めて見つかったのは、1528年のスペイン人探検家、アルバロ・デ・サーベドラによるものでした。その後スペイン人が入植を始めてスペインの領土権を主張しますが、実質的な統治は行われませんでした。その後イギリスやロシアなどの国々の船もマーシャル諸島にたどり着き、1850年代にはドイツ人の入植もスタート。1885年にドイツの保護領となりました。
しかし第一次大戦が始まると、日本がマーシャル諸島などのミクロネシアを占領。1920年には国際連盟から、日本のミクロネシア委任統治が認められることになりました。しかし1945年の第二次世界大戦の終結によって、1947年からは米軍の占領が開始。1986年には米国との間で自由連合盟約が発効し、独立することとなったのです。
マーシャル諸島の国旗は、青い背景にオレンジと白のラインが斜めに横断したデザイン。青は太平洋を、オレンジは勇気を、白は平和を表し、オレンジと白が右上に向かって広がる様子は国の発展を表しています。また左上には白い光が描かれていて、自治体の数と同じ24本の光でできています。

天気・気候
マーシャル諸島があるミクロネシアは海洋性熱帯気候に属します。気温は年間を通じてあまり変化がなく、27℃くらいの高温多湿な日々が続きます。季節は10月から11月の雨季と、12月から4月の乾季にわかれています。
マーシャル諸島の治安・住みやすさ
マーシャル諸島を旅行で訪れるなら、治安情報が気になるでしょう。マーシャル諸島の治安面や住みやすさについてご紹介します。
治安は比較的良好
マーシャル諸島の治安は比較的良好です。外務省「海外安全ホームページ」でも、危険情報は発令されていません。
しかし件数は少ないですが殺人や強盗などの凶悪犯罪も発生していて、盗難や空き巣などの犯罪もあります。さらに飲酒運転など、自動車事故が多く報告されているため注意が必要です。
首都マジュロのダウンタウンでは麻薬の売買や売春が発生していて、それに関連した傷害事件も起きています。女性を狙った暴行事件もあるため、注意が必要です。また野犬が多くいることも覚えておきましょう。暗くなった後の外出は避けた方がいいでしょう。
住みやすさはまずまず
マジュロ環礁やクワジェリン環礁以外の島々では、現在でも自給自足を中心とした暮らしが基本です。治安が比較的良いことを考えて、そのような生活でも問題ないならマーシャル諸島は住みやすい国といえるでしょう。
ただし医療面では、マジュロに国立マジュロ病院と小さな薬局がある程度で医療レベルは低い水準です。重病の病気やケガは日本への帰国のほか、ハワイへの移送などが考えられることを覚えておきましょう。
マーシャル諸島の見どころ・観光

マーシャル諸島の見どころや観光スポットをご紹介しましょう。
マジュロ
首都マジュロは、マーシャル諸島の中で都会的に発展している地です。マジュロ環礁の一部に位置し、行政、経済、教育の中心地となっています。人口は約2万人で、マーシャル諸島全体の人口の多くが集中しています。美しいビーチやリゾートがあり、観光地としても知られていますが、商業施設や市場も充実しており、現地の生活を体験できる街です。国際空港もあり、マーシャル諸島への玄関口としても機能しています。
クワジェリン環礁
クワジェリン環礁は世界最大級の環礁で、スキューバダイビングのスポットとして人気です。マリンアクティビティを楽しみたい方は、ぜひ訪れたいスポットのひとつです。
マーシャル諸島の特徴・有名なもの
ここからは、マーシャル諸島の特徴や有名なものをご紹介します。
ビキニ環礁

マーシャル諸島にあるビキニ環礁は、アメリカが水爆実験(核実験)を行った場所として知られています。第二次世界大戦が終わり、マーシャル諸島でのアメリカの統治が始まると、合計で67回もの核実験を行ったのです。1954年に行った核実験では、日本の第五福竜丸が被ばくしました。
セパレート型の水着が「ビキニ」と呼ばれるのは、このビキニ諸島で行われた核実験が由来。肌の露出が多く大きなインパクトがあったことから、核実験の破壊力になぞらえてそう呼ばれるようになったといわれています。
親日国
マーシャル諸島は、第一次世界大戦が始まってから約30年間日本が統治していた国です。そのため現地では日本語の教育が行われ、現在でも日本語の単語を知っている人々もいて、日系人も多く暮らしています。
また、日本とは1988年に外交関係を樹立。マーシャル諸島の国づくりのために、日本が長く支援を行ってきています。そんな歴史もあって、マーシャル諸島は親日国のひとつです。現地の人々は、日本人に対してとても親しみを持ってくれています。
日本からも近い国、マーシャル諸島
日本からグアムまたはハワイを経由して到着できるマーシャル諸島。日本との時差が少なく、日本から近くにある美しいビーチリゾートのひとつです。かつて日本が占領した歴史がありますが、人々は日本に対して好意的に接してくれる親日国です。美しい島々の国に出かけたいと思ったら、そんなマーシャル諸島も候補のひとつに考えてみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部
