ポジットペンシル/ソニック
鉛筆、正しくにぎれていますか?
ずっと正しくにぎっていると思っていた筆者も、持ち方が間違っていることを40歳を過ぎてから知りました。また、特殊な機械で計測したところ、筆記具を反時計回りに16度もひねって構えていることもわかりました。
鉛筆デビューをする前に基本の形を身につける
お子さんが小さい頃はクレヨンなどの道具を握るようにしてお絵描きをします。にぎる持ち方を卒業する頃、お箸のトレーニングも始まり、筆記具も次のステップとして、正しく鉛筆が握れるように練習を始めるのではないでしょうか?
ソニックのポジットペンシルはぷにぷにとしたシリコン製のグリップ(握る部分)から色違いのリングが2つ飛び出しているシャープペンシルです。使う芯の太さにより対象年齢が分かれていて、4歳ごろから使える「1.3mm」と小学生以上を目安とする「0.7mm」の2種類があります。写真にはありませんが、左手用も「1.3mm」「0.7mm」が用意されています。
リングに指を入れるだけで正しいにぎり方をマスター
リング2つは別々のカラーでになっていて、パッケージの説明に書かれている通りに「おやゆび」「ひとさしゆび」をいれます。
色で覚えづらい場合は、本体に印字されている「ロゴが見えるように」と教えても良いですね。
パッケージには「ただしくにぎれる」とありますが、どうなのでしょうか? 筆者が「おやゆび」「ひとさしゆび」をそれぞれリングに入れてグリップに指を添えると、「なかゆび」が自然とグリップに添えられます。グリップにフィットするように持つことで、自然と正しい持ち方になるのだそうです。
なぜシャープペンシル?
鉛筆の練習は鉛筆でしたほうがいいのでは?という疑問を持つ保護者の方もいらっしゃるかと思います。鉛筆につける持ち方補助具を試した方も多いのではないでしょうか? 確かに鉛筆の持ち方を正しい形に導いてくれるのですが、「鉛筆を削るたびに補助具を移動したり外したりしなければならない」という大変な作業が待っています。
補助具は鉛筆にフィットするようにできている上に、鉛筆削りに差し込むには移動するか外すしかありません。補助具は滑りづらくできているため、芯が短くなるたびに補助具を移動し再度セットするのは地味ですが大変な作業でした。
しかし、シャープペンシルであればたくさん書いて芯が短くなってもノックをすれば芯が出てきますし、芯がなくなれば追加の芯を入れて、何度かノックするだけで使い続けられます。補助具の付け替えをする必要がなく、常に最適な状況で書くことができます。
むしろ、正しい使い方ができなくなる可能性が大きいので、外すのはNGです。
正しいにぎりかたのポイントは?
ソニックが鉛筆の正しいにぎりかたとして挙げているのは次の4点です。
1.芯の先端側から見たときに、親指・人差し指・中指が三角形の位置になっている
2.人差し指の先端から第2関節の上までは鉛筆に沿う。その先は第2関節と第3関節の間の側面にあたるように構える
3.鉛筆の角度は約60度
4.くすりゆび・こゆびはふんわりと握る
まちがったにぎりかたをしていると?
持ち方が違うと筆圧の調整が難しかったり、姿勢が悪くなったり、そもそもきれいに字が書けないという問題があります。力を入れて文字を書いているとすぐに疲れてしまい、勉強自体が苦手になることも考えられますね。
筆者も聞いてびっくりしたのですが、正しい持ち方ができていればいわゆる「ペンだこ」ができないのだそうです。受験勉強で指が痛くなりながらも勉強した記憶がありますが、持ち方のせいだったと思うと、ますます娘には正しい持ち方を教えたい気持ちが高まりました。
キャンパスジュニアペンシル/コクヨ
キャンパスノートでお馴染みのコクヨでは小学生用として「キャンパスジュニアペンシル」という商品を販売しています。芯径は小学校低学年におすすめな「1.3mm」と高学年におすすめな「0.9mm」の2種類です。
ついついしてしまう分解が、ほとんどできない
授業に飽きてくると手持ち無沙汰でついついシャープペンシルを分解…筆者も中高生時代に何度となくしていました(小学校はシャープペンシル禁止でした)。
キャンパスジュニアペンシルは外せるパーツが最低限になっていて、ほぼ分解できないと言えそうです。使い方もシンプルです。
例えば、芯を入れるときにキャップを外す必要はありません。
多くのシャープペンシルではノック部分にはキャップがあって、外すと穴の栓のように消しゴムが詰め込まれていますが。ですが、キャンパスジュニアペンシルではノック部分の中心に穴が開けられていて、そこから芯が見えなくなるまで真っ直ぐに芯を押し込むだけなのです。
使う時にはノック部分をノックし、使い終わったらノック部分をノックしながら芯を本体に戻します。一般的なシャープペンシルの使い方と同じです。
この利点として小さなきょうだいがいるご家庭でキャップを誤飲してしまうリスクも低くなりますし、パーツの紛失の心配もなくなります。
しっかりとグリップが効きます
軸全体は柔らかくグリップの効くエラストマーという素材でコーティングされています。わかりやすいように、机の上に置いて、人差し指で上から軽く押しながら滑らせてみると強い抵抗を感じます。それだけのグリップ力があるのです。実際に握ってみると指に吸い付くように安定して持つことができて、鉛筆とほぼ同じ形なのに鉛筆よりもかなり持ちやすく感じます。そのため、軽い力で握っても文字が書きやすく、力もかけやすく感じました。
鉛筆より強い芯で折れづらい
鉛筆の芯は黒鉛と粘土を混ぜたもので、できています。ジュニアペンシルの芯はシャープペンシルの芯と同様に黒鉛とポリマーで作られていて、鉛筆の芯より折れづらくなっています。筆者が試しに芯が出ている状態で力を徐々にかけて書いていきましたが、芯が折れる前に先に紙が破けてしまいました。
1.3mmは使い慣れた太さ
小学校低学年におすすめなのは1.3mmタイプ。えんぴつの削っていない状態の芯はおおよそ2mmの太さですが、実際に使用するときには芯を削るため、1.3mm前後の太さで使用しています。そう考えると、キャンパスジュニアペンシルの芯の太さが1.3mmなのは理にかなった太さなのです。
また、軸部分は六角形をしているので、使い慣れた鉛筆と同じ形。違和感なく使い始めることができますよ。
0.9mmはシャープペンシルデビューをサポート
小学校高学年におすすめなのが0.9mm。最近は0.2mmや0.3mmという細いシャープ芯もありますが、やはり標準の太さを選ぶのであれば0.5mm芯ではないでしょうか。すると、0.9mmは1.3mmの低学年におすすめの太さから中学校でシャープペンシルデビューをする0.5mmに移行するための中間地点の太さと言えます。これならば、中学校に進学してからも心配せずにシャープペンシルを使えますね。
環境にも優しい
鉛筆からシャープペンシルにすることにより、鉛筆の削りカスが出なくなります。
芯を使い終わったら新しい芯を入れるだけなので、シャープペンシルの本体を長く使い続けられます。そんな環境面でのメリットもあるシャープペンシル。
学校とご自宅や塾など、上手に使い分けていただけたら嬉しいです。
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文・構成/ふじいなおみ