自律神経は気温の変化が激しい、季節の変わり目にも崩れやすくなるそうで、まさに今気をつけたい時期。今回は、そんな自律神経を整えるためのコツを、イシハラクリニックの石原新菜先生に伺いました。
自律神経が乱れる原因は?
自律神経は無意識的に働き、身体の機能を制御する神経系です。また、交感神経と副交感神経の2つの神経から構成されており、互いに相反する働きをすることで、心身の健康を保っています。血圧や呼吸など、無意識のうちに働いているものを司るため、自律神経が乱れるとめまいや頭痛、疲れやすいなどの症状が出るのです。
気温差が激しいと自律神経が乱れる原因になり、特に野外と室内に出入りする頻度が多い人は要注意。1〜2時間ごとなど短時間で気温差が3度以上違うと疲労や頭痛などが起こりやすく、さらに1日の最高気温と最低気温の差が7度以上あると、気分も鬱っぽくなるなど不調が生じやすいとされています。
夏の間、暑い屋外とクーラーの効いた室内の温度差で体調が崩れてしまった方は、症状が軽いうちに対策しておきましょう。
イシハラクリニック・石原新菜先生に話しを伺いました
【チェックリスト】自律神経が乱れている人の特徴
自律神経が乱れるとどのような症状が出てくるのでしょうか。風邪などの病気ではないのに、下記の症状が長く続いていないかチェックしてみましょう。
□動悸
□発汗
□めまい
□ほてり
□頭痛
□胃痛
□腹痛
□便秘または下痢が続く
□吐き気
□ふるえ
□激しい運動をしたわけではないのに筋肉痛がある
□喉のつまり感
□息切れ
□食欲不振
□全身倦怠感
□慢性的な肩こりや腰痛
□手足のしびれ
□胸やけや胃もたれなどによる食欲不振
□睡眠が浅い、眠れない
□憂鬱な気持ちが続く
□突然イライラしやすくなったりする
□不安な気持ちが大きくなったり継続したりしやすい
自律神経が乱れると、多岐にわたってさまざまな症状が出てくることがわかっています。「もしかして?」と思ったら、まずはお家でできる自律神経を整えるための対策を取り入れてみましょう。
石原先生直伝!自律神経を整えるための3つの対策
自律神経を整える具体的な対策を石原先生に教えていただきました。どの対策も親子で一緒にできるので、ぜひやってみましょう!
① 体をあたためる
エアコンや冷たい飲み物は身体を冷やし、自律神経を乱す原因にもなります。夏の間にエアコンや冷たい飲み物などで冷えが慢性化してしまっている方は、身体をあたためることを心がけましょう。
具体的には、腹巻を常に付けて置くこと、毎日湯船につかることがおすすめです。夏の暑い日は、38度から40度くらいのぬるま湯で大丈夫です。目安としては10分程度ですが、顔にうっすらと汗をかいてくるのが身体があたたまったサインです。
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身生地部は肌側がオーガニックコットン100%の伸びやかな綿混素材。吸放湿性と吸湿発熱性のある快適素材でムレにくく、あたたかい。静電気が起こりにくい素材を使用。脇接ぎは肌あたりのよいフラットな仕様です。
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寝ている間に布団をはいでしまうお子さんにも、腹巻はおすすめです。
② 腹式呼吸を行う
腹式呼吸は自律神経を刺激し、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせてくれます。子どもも大人も浅い呼吸になりがちなのが現代人のライフスタイル。特に深呼吸は、吸うことよりも吐く時間を長くすることを意識してください。吐く息を長くすることが副交感神経を優位にするポイントです。
仰向けになって目を閉じ、8〜10回お腹で呼吸をするイメージでおこないます。習慣にできるよう、お風呂上がりや寝る前に親子でやってみてくださいね。
③ ビタミンCやDが摂れる食材を使う
疲れている時にスタミナをつけようとして焼肉やうなぎなど油っこいものを食べると、かえって胃腸に負担がかかることもあります。消化に良い食べ物や、体の調子をととのえるビタミンCとDをしっかり摂ることを心がけてください。
ビタミンCはストレスに強くなり、神経を落ち着かせる力があると言われています。特にこれからが旬のさつまいもや、じゃがいもにもは、熱にも強いビタミンCが含まれているのが特徴です。さつまいもや、じゃがいもを使ったお粥やスープなどは、内臓をあたためながらビタミンCも摂れて一石二鳥!
ビタミンDは心や神経のバランスを整えるセロトニンを調節し、自律神経のケアに重要な睡眠や、うつなどのメンタル症状に効果が期待できるほか、カルシウムの吸収を助ける働きもあります。成長期のお子さんや骨粗鬆症のリスクが高いミドル世代は特に摂るべき栄養素の一つですが、不足しやすい栄養素でもあるので、意識的に摂取するようにしましょう。
秋に旬を迎える椎茸やなめこ、椎茸、マッシュルームなどのきのこ類やきくらげ、アジやイワシ、サバやシラス、鮭などにも多く含まれています。
また、ビタミンDは日光に当たることや食事から摂取することで体内に補給できますが、食生活やライフスタイルの変化により、現代人の98%が不足しているというデータもあります。特に、UV対策を積極的に行っている方は、日光が遮られビタミンDが少なくなりがちです。大人の女性はいつもの食事に加えてサプリメントからも摂取するのもおすすめです。
※お子さんの場合は、摂り過ぎが懸念されますので、できるだけ食事から摂るように心がけてください。
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運動や睡眠、便秘や下痢にも注意して!
これらの3つの対策のほか、適度な運動やしっかり睡眠をとること、腸内環境を整えることも自律神経が正常に働くためには大切です。
小学生くらいのお子さんの場合には、最低でも8〜9時間の睡眠は必要です。適度な運動は睡眠にも影響してきますので、お家の中で過ごす遊びばかりではなく、外遊びも意識的にするようにしましょう。適度な運動は、幸せホルモンのセロトニンの分泌を促し、睡眠ホルモンと言われているメラトニンにも影響してきます。
さらに、乳製品や納豆などの大豆製品、海藻類を食べることでも、腸内環境がよくなり、セロトニンの分泌を促すこともできます。
自律神経の乱れサインは、誰にでもあるような項目がたくさんありましたね。少しでもチェック項目を減らせるよう、3つの対策を生活の中に取り入れていきたいものです。また、毎日の食事は家族みんなの健康を支えるもの。旬の食材を取り入れた、ビタミンCやDが豊富に含まれたメニューを意識して、夏の疲れで乱れがちな自律神経を整えてみてはいかがでしょうか。
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お話を伺ったのは
石原新菜|医師・イシハラクリニック 副院長
ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事、ロングライフラボ理事。
1980年長崎県生まれ。小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。
クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等70冊を数える。監修した書籍を含めると100冊を超え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。
日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員。二児の母。
取材・文/鬼石有紀