子ども100人が選んだ最推し本!
『そしてパンプキンマンがあらわれた』は、韓国で主催されている文学賞「ストーリーキング賞」に選ばれたことで大きな話題に。
この賞が何かというと、総勢100名の子どもが審査員を務め、児童文学者と一緒に「最推し」の受賞作を選ぶというユニークなもの。つまり、子どもの視点から選ばれた面白い本ということです。どういった内容なのでしょう?
「VRゲーム」にハマりすぎ注意!主人公が大変なことに…
近年、子どもたちの間でも大人気のオンラインゲーム。この作品ではさらに近未来的な「VRゲーム」の世界が舞台になっています。
小学生たちは学校から帰ると、仮想空間に接続するためにヘルメットを被り、その中でゲームを楽しみます。「クエスト」や「アバター」といった、今の子どもたちにとって馴染み深いゲーム用語が登場するのも魅力のひとつ。
12歳の女の子イェジは、現実の世界で息がつまるほど辛い体験をし、その記憶からのがれるためにVRゲーム「パイキキ」にのめり込みます。自分だけのアバターを作り、クエストをこなしたり、ゴールドを集めてアイテムを買ったり。自宅の部屋にこもり、毎日ゲームをプレイする日々を過ごしていました。
そんなある日、イェジの前に謎の男、ヘルメットボーイが現れて「一緒に仕事をしよう」と持ちかけてきます。この出会いがきっかけとなり、イェジはパイキキじゅうを巻き込む大事件を引き起こしてしまうのです。
「パンプキンマン」から逃げろ!
タイトルにもあるパンプキンマンですが、これはVRゲームの世界でエンカウントするNPC。NPC=ノン・プレイヤー・キャラクターとは、プレイヤーが操作していないキャラクターのことで、ゲームの世界を勝手に動き周ります。
そんなパンプキンマンには特殊能力があり、なんとパンプキンマンに触られるとゲームの世界から永遠にログアウトできなくなってしまうのです。
二度と現実の世界に戻れないとしたら……そんなわけで、パイキキ中のユーザーはパンプキンマンから必死に逃げ回ります。
実は、このパンプキンマンを作ったのは主人公のイェジなのです。どうしてそんなことになったのか、詳しくは作品を読んで確かめてください。
臨場感たっぷり! フルカラーの挿絵にも注目
現実とゲームの世界を行き来するイェジが成長しながら、最後に「本当の自分」を見つけていくまでの物語は、現代の子どもだからこそ共感するポイントがたくさんあります。
また、ゲームをプレイしているかのような臨場感たっぷりの描写やフルカラーの挿絵もお話の世界に入り込む手助けになりますよ。
何よりも今の子どもたちが読んで楽しい現代性が『そしてパンプキンマンがあらわれた』の推しポイント。子どもたち100人が絶賛した本作を、ぜひこの機会に手に取ってみてください。
構成・文/小学館 児童創作編集部
12歳の女の子オ・イェジは、現実世界の悲しい記憶から逃れるために、世界最大のVRゲーム「パイキキ」にのめりこむ。そのVR世界で、イェジは謎のアバター、ヘルメットボーイと出会う。彼が提案したとある「仕事」のせいで、イェジはパイキキ中を巻き込んだ大事件を引き起こしてしまう……。
「こども審査員」100人が選んだ本として話題の一冊です。
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