算数オリンピック入賞者の〝親子二人三脚〟「モチベアップは、タブレット教材とカプセルガチャ」【RISU教育インタビュー】

『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一の子ども30人を生み出した究極の勉強法』の著者で、タブレット教材 RISU Japan 代表・今木智隆さんによるシリーズ記事。今回は、RISU算数を活用しながら「算数オリンピックキッズBee大会」で銅メダル獲得した、沢崎匠翔(たくと)さんのインタビューです。

「算数が好き」という気持ちがインタビューからも伝わる、匠翔さんの挑戦と未来への夢。匠翔さんご本人と、その挑戦を支えたお母様にお話を伺いました。家庭での学習の工夫、中学受験に向けた試行錯誤、親子二人三脚で進む学びの時間には、多くのヒントが詰まっていました。

RISU代表 今木 智隆(以下、今木):3×3は?

沢崎匠翔さん:3×3は9。

今木:9オッケー。これはもちろんできますよね。じゃあ次。4×4は?

沢崎匠翔さん:16。

今木:16オッケー。じゃあ、9+16は?

沢崎匠翔さん:9+16は18、あっ間違えた!25。

今木:25オッケー。早いですね。

沢崎匠翔さん:間違えちゃった。

今木:大丈夫です! 3×3と 4×4を足すと25です。25は何×何でしょう?

沢崎匠翔さん:5×5

今木:正解!そうそう、3と3を掛けた答えと、4と4を掛けた答えを足すと、5と5を掛けた答えになります。

沢崎匠翔さん:はい!

今木:では、こういう3つの数の組み合わせを次を作ると、次は何と何と何の組み合わせになるでしょうか。3と4と5みたいな組み合わせです。これは難しいですよ。算数オリンピックより難しいんじゃないかと思って用意してきた問題です。

沢崎匠翔さん: えーと・・・と(計算しはじめる)難しいなぁ

今木:これは、めちゃくちゃ難しいですから、お父さん、お母さんと協力して解いてくださいね。

インタビュー前に、今木と計算を楽しむ匠翔さん

インタビュー前の今木のひとことアドバイス「クイズのような日常会話からも算数の学びは可能」

数の関係性を発見しながら楽しむ算数問題。「3×3は?」という基本的な質問から始まり、次第に難易度を上げていきました。匠翔さんは「3×3+4×4=5×5」というピタゴラスの定理という数学の基礎的な法則を、実践的かつ遊び感覚で楽みました。
ご家庭でも基本的な計算からヒントを伝えていくことで、楽しみながら計算することができますので、実践してみましょう。

では早速インタビューにはいっていきましょう。

夢は建築家!算数への挑戦から広がる未来

今木:おめでとうございます!

沢崎匠翔さん:ありがとうございます。

今木:すごいですね! 算数オリンピックの銅賞。難しかったのはどんなところですか?

沢崎匠翔さん:円周の問題が難しかったし、わからなかったです。

今木:そうですか! 円周は難しいよね。ぜひ復習してください。
次に算数の好きなところと楽しいところを教えてください。

沢崎匠翔さん:算数の図形が好きです。計算が楽しいし、分数の掛け算割り算が好きです。

今木:算数オリンピック挑戦のきっかけを教えてください。

沢崎さん(保護者):中学受験を視野に入れ、早くから情報収集を行っていました。最初は小学校2年生の春に算数オリンピックに初挑戦しましたが、特に対策をしていなかったため予選突破は叶いませんでした。その経験が刺激となり、次はしっかり準備しようと考えました。

今木:2回目の挑戦でファイナルに出場って、すごいことだと思います! 何か特別な対策や工夫はされていましたか?

沢崎さん(保護者):過去問や算数オリンピックに特化した問題集を使って、計画的に対策をしようと思っていました。
ただ、実際に取り組み始めたのが本番の約3ヶ月前で、十分な準備時間を確保できなかったのが心残りです。そのため、ファイナルでは期待した結果を残せませんでした。もっと早めに取り組めていれば、より良い成績につながったのではないかと感じています。

今木:直前の対策で、十分すばらしいと思います! 次はジュニア算数オリンピックを目指しますか。

沢崎さん(保護者):この子は算数が大好きなので、できれば挑戦させたいと思っています。そのためには、算数オリンピック対策の時間がどれだけ取れるかが課題です。
いっぽうで、これから中学受験に向けて、国語や理科など、算数以外の他の科目バランスよく勉強に取り組んでほしい気持ちもあります。本人的には算数をやっている時間は楽しい時間なので、受験対策がなければ、親としてもジュニア算数オリンピックに挑戦させてあげたいですが悩ましいところです。

今木:算数をやっている時間が楽しい!というのは素晴らしいことですね。でも算数オリンピックと、各塾のテストや模試などは、スタンスが違いますからね。
さきほどから、匠翔さん算数はもともと好きとのお話ですが、いつ頃から算数が好きだと感じましたか。

沢崎さん(保護者):幼稚園の頃でしょうか。幼児教室に通っていて、図形や積み木、数を扱うような学びをしていて、自然と興味を持つようになりました。特にパズルは好きですね。

今木:さきほど匠翔さんも「図形が好き」といっていましたが、算数も含めて何か日常生活や学習面で役立っていることはありますか。

沢崎さん(保護者):図形好きなのは小さい頃からずっとですが、その影響もあってか「建築家になりたい」という夢を語るようになりました。普段、ゲームのなかで家を作ったりしていて、そういう創造的な活動が好きなんです。計算力とか、図形や空間を扱う力が得意分野として活かされているのを感じますね。

今木:将来が楽しみですね!

算数オリンピックで見事、銅賞を授与された匠翔さん

今木のワンポイントアドバイス「日常から広がる学びの楽しさ」

「図形はつまずきやすい単元の代表」ですが、その分、楽しみ方を見つけることで学びを深められる魅力的な分野でもあります。
図形を好きになるためのポイントは、日常生活の中で図形を発見し、楽しむこと。例えば、建物や家具、自然の中の幾何学模様など、身近にある「図形」に目を向けてみると、学びがより身近に感じられるでしょう。また、パズルや積み木、折り紙など、遊びを通じて触れることで、楽しく図形の考え方を身につけることができます。

 「親子二人三脚で進む学びの時間」とモチベーションを保つ「ご褒美カプセル」

今木:普段の学習スタイルについての質問です。学習データからみると夜の時間帯に取り組むことが多いようですが、何かこころがけていることなどはありますか。

沢崎さん(保護者):我が家では、RISU算数がご褒美の位置付けになっています。そのため夜が多くなっている傾向にあるのかもしれません。
塾に通っていて算数は得意なんですが、他の科目の学習時間には飽きることもあり、「最後にRISUやって終わりにしようか」という感じで最後のお楽しみがあるから頑張ろうみたいな雰囲気ですかね。算数が大好きすぎて、放っておくとずっとRISU算数をやっていると思います。(笑)
ちなみにRISUをやるのは、一度も嫌がったことないです。

今木:RISU算数を提供している会社として、とてもうれしいです。ありがとうございます。

沢崎さん(保護者):RISU算数をモチベーション維持として活用していますが、もう一つ「ご褒美ランダムカプセル」制度をやっています。1時間勉強できたら一つカプセルが引ける仕組みです。そのなかには「追加おやつ」や「マクドナルド券」「1円」や「10円」など、さまざまなものを用意しています。

モチベーションアップのための「ご褒美ランダムカプセル」

今木:ご褒美作戦と時間の管理はいいですね。他のご家庭でも参考になりそうです。
RISU算数も含めたトータルの学習については、時間やペースなど1日にどれぐらいの時間など決められてますか。

沢崎さん(保護者):とりあえず1日2時間は確保するようにしてます。

今木:すごいですね! 小学校3年生で2時間はかなり多いほうかなと思います。

沢崎さん(保護者):塾のテストなどでみると、すごく良い時もあれば、苦手科目は後半に集中力が切れてしまうようなこともあります。対策としてトータルの学習時間を決めています。
学習習慣については小学校1年生の頃から定着しているので、どのように進めるかをサポートしています。ここ1ヶ月は私がずっと横で一緒に勉強しています。(笑)わからないところの学習サポートはもちろん、整理整頓とか計画を立てるなど、俯瞰的に隣でサポートできるように心がけています。

今木:お子さんからするとお母様が隣にいてくれるっていうだけで心強いですね。そのほか心がけているサポート方法とか声がけの方法はありますか。

沢崎さん(保護者):声がけもそうなんですが、メンタル面というか気持ちよく机に向かってもらう努力はしています。特別なことではないんですが、機嫌が悪くなる・やる気がなくなるといった、やりにくい状況は作らないように気をつけています。
勉強は好きなのですが、放っておいても勝手にするタイプではないので、親なりに寄り添ったり、苦手な整理整頓をサポートしたりしながら、一緒に取り組んでいるという形ですね。

今木:なるほど。すごく勉強になりました。全力でお母様がサポートされている努力が伝わります。

沢崎さん(保護者):なんとか気持ちよい状態でうまく学習が進むようにサポートしてます。私が側にいることをうれしいと思ってくれているようなので、そこは続けていこうと思っています。高学年から中学生くらいになればまた変わってくるかと思いますが。

今木:お子さんからすると、お母様が見守ってくれるだけでやる気が維持できると思いますよ。いいですね。

今木のワンポイントアドバイス「楽しく学ぶしかけを親子で工夫しよう!」

学習を習慣化するためには、子どものやる気を引き出すしかけが大切です。沢崎さんのご家庭のように、「ご褒美ランダムカプセル」や「好きな科目を最後に楽しむ」といった工夫は、学習時間を前向きなものに変える素晴らしいアイデアです。また、隣で一緒にサポートすることで、子どもが安心して学べる環境を作るのも効果的ですね。

家族のサポートのもと、楽しみながら取り組む姿勢が算数オリンピックの成果に

RISU算数を選んだポイントは「学習専用タブレット」と「カリキュラム」

今木:RISUタブレットを始めたのは最近ですよね。きっかけを教えていただきたいです。

沢崎さん(保護者):実はずっとRISU算数に注目してました。
小学1年生の途中から計算系のプリント学習を進めていましたが、息子のタイプには合わないと感じつつ、先取り学習の目的で続けていました。ある程度先取り学習としての効果があったものの、計算中心の学習スタイルで、特に匠翔の好きな図形の単元などは含まれず、親としても継続させることに負担を感じていました。
あとは、匠翔はタブレットが好きなので、他の余計なものが何も入っていない学習専用タブレットというところは決め手の一つですね。

今木:ありがとうございます。学習専用タブレットというのは、みなさん喜ばれるポイントですよね。

沢崎さん(保護者):正直、低学年の頃は、RISU算数の料金形態が少し分かりづらく、一度見送った経緯がありました。しかし、計算中心のプリント学習で基礎的な内容の先取りが終わった後、次の選択肢としてRISU算数を選びました。
RISU算数は、特に図形や面積といった市販教材で飛ばされがちな内容も丁寧に学べる点が魅力でした。また、子どものペースに合わせて進められる柔軟性が匠翔に合うと感じたため、安心して選びました。

今木:ありがとうございます。RISU算数では、無学年の学習も特徴になっていて、匠翔さんの好きな図形や面積の学習も飛ばすことなくできますので、これからもどんどん楽しんでください。今日は、ありがとうございました。

沢崎さん(保護者):こちらこそありがとうございました。

お話を伺って

匠翔さんが算数オリンピックへの挑戦を通じて培った力は、好きな図形や計算の楽しさを超え、将来の夢へとつながっています。その背景には、お母様の柔軟なサポートや「ご褒美カプセル」などの工夫があり、親子二人三脚で学びを楽しむ環境が整えられていました。

学びを「楽しいもの」に変える姿勢や、中学受験に向けたバランスの取れた取り組みは、多くの家庭にとって参考になる貴重なヒントとなるでしょう。

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記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。HugKumでの過去の記事はこちら≫

〈タブレット教材「RISU算数」とは〉

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文響社より2023年7月6日刊行

構成/HugKum編集部 

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