「算数オリンピック」銀メダルの小3男子に訊いた、日常生活から広がる学びの力に識者が共感【30億件の学習データからRISUが検証】

『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一の子ども30人を生み出した究極の勉強法』の著者で、タブレット教材 RISU Japan 代表・今木智隆さんによるシリーズ記事。今回は、RISU算数を活用しながら「算数オリンピック」で見事銀メダルを獲得した藤井拓都さんと保護者の方にインタビューしました!

算数オリンピックは、小学生が思考力や創造力を競い合う国内最大級の大会です。教科書では学べない高度な問題に挑戦し、楽しみながら論理的思考力を養います。全国から集まる子どもたちが才能を輝かせ、上位入賞者にはメダルが授与されます。

今回銀メダルを手にした藤井拓都さんは、算数オリンピック対策として塾は通っておらず、学校での学習とRISU算数を活用してこの快挙を達成。

拓都さんが銀メダルを手にした背景には、幼い頃からの数字への興味と、ご家族の温かなサポートがありました。「楽しいから挑戦したい!」という純粋な気持ちが、彼の学びの原動力に。算数を楽しむ姿勢が、見事な成果へと繋がったことがとても印象的です!

本記事では、この藤井拓都さんのお話を通じて、皆さんのご家庭でも活用できるエピソードをたっぷりご紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください!

今木:まずは、おめでとうございます。すごいですね。

藤井 拓都さん: ありがとうございます。

今木:僕なんかよりかしこいです(笑)。嬉しかったですか?

藤井 拓都さん: はい。

今木:算数オリンピックに参加するきっかけは何だったんでしょうか?

藤井さん(保護者): 教科書レベルの基本的な算数の問題が解けるようになった段階で、次のステップに挑戦させたいと思ったのがきっかけです。さらに深みのある、思考力がつきそうな問題にチャレンジするっていうのが、この子にとっても楽しいことなのかなって思ったので。

今木:素敵ですね! 算数がすごく得意だと思うんですが、何歳くらいから算数が好きだなーって思い始めましたか。

藤井 拓都さん: 6歳くらいで、最初は足し算とかその辺りで、小学校1年レベルから好きになっていきました。

オンライン画面で対談する藤井拓都さん(上)と、RISUの今木智隆代表

 「算数大好き!」その気づきとご家庭での取り組み

 日常生活から広がる「算数好き」への第一歩

藤井さん(保護者): 物心ついた時からすごい数字が好きな子だったんです。2歳ぐらいの時から、お風呂に九九のポスターを貼ったら2歳で覚えました。

本当に数字はなんでも好きだったので、次は時計のおもちゃ、おもちゃ代わりに電卓とか サイコロとかカレンダーとか、身近にあるものを渡してたら、ずっと数字に関連のあるものばかりで遊んでました。

今木:自然に、生活の中で算数に馴染んでいったって感じですね。理想的なパターンですね。うちの子も電車が好きだったので、速さとかは電車で覚えました。電車は好きですか?

藤井 拓都さん: 電車好きです!

今木:時刻表とかみると面白いよ。いろいろな電車に乗って、何分後にどの駅に着くかとかね、そういうのを駅員さんに聞いたりとか、調べたりとか。

 興味を伸ばす!家族で楽しむサポート術

今木:あとは宇宙とか天文とかは興味ないですか?

藤井さん(保護者): そうですね、宇宙のことも好きです。実は、2年生の時に天文宇宙検定を受けて、すごい宇宙にも興味があります。

今木:なかなか王道ですね、天文学者とかに向いているのでは?と思いました。

藤井さん(保護者): かなり興味があるので、実物を見せたいと思いまして、天文台の宿泊体験にいってみたり、近隣のショッピングモールで開催される天文観測も3ヶ月に一度開催されるので足を運んでいます。

今木:なるほど、実体験はいいですよね。あとは、自宅の近くにもし山とかがあるんだったら、ちょっとした望遠鏡でも金星、土星くらいだったら見られますので、おすすめです。

実は、天文とかに興味を持つと、日常生活ではなかなか理解できないスケールの大きい数字を体感的につかめるのでいいですよ。

数字にまつわるゲームをきょうだいで楽しむことも

算数オリンピックで銀メダル受賞までの学習方法

今木:では、次に学習習慣について聞いてみたいと思います。なにかお家でのルールなどは決められていますか。

自発的な早起きがポイント?

藤井さん(保護者): 正直決めていなくて。子ども任せにしています。

今木:本当ですか、すごいですね。子ども任せにしてるのにある程度規則的にできて、しかも結果がでているというところが素晴らしいです。

藤井さん(保護者): そうですね。特徴的なのが、男児2人に関しては結構早起きなんで、曜日とかは関係なしに早く起きる習慣があります。

 朝の学びがカギ!親子で築く効率的な習慣

藤井さん(保護者): 朝起きるのが早いので、朝ご飯までの時間帯に、結構勉強していますね。

今木:なるほど!RISUの学習データの中からすると、一番効率のいい勉強方法ですね。

藤井さん(保護者): 実は、私自身(お母様)に朝残業の習慣がありまして、56時ぐらいから仕事している状況です。その時に私がすごい話しかけるなオーラ出してるんで(笑)、自分のやることやろうみたいな自然な流れになっているんだと思います。

今木:ぜひその習慣が続くといいですね。実際、朝のほうがお子さんの学習効率はいいっていうデータはもう明確に出てるので、めちゃくちゃいい状態だと思いますね。

あとは隙間時間とか、お子さんでいうと学童とか習い事の隙間みたいなことは意識されていますか。

移動時間を学びに変える!親子で楽しむ「机に向かわない勉強時間」

藤井さん(保護者)正直、隙間時間の確保は難しいので、そのぶん机に向かっての勉強っていうよりも、机に向かっていない時間をなんとか勉強時間にするみたいな意識はしています。

今木:なるほど!

藤井さん(保護者): 例えば、保育園に行くとき、自転車だと早く着いてしまいますが、あえて歩いて行くようにして、親子で話す時間を作るように工夫していました。歩いている間には、車のナンバープレートで足し算をしたり、表札の文字を読んだりします。

祖父に送迎をお願いすることもあり、夏場はセミ取りなんかもしますね。「セミは横に目がついているから、後ろから近づけば捕まえられるよ」とか「鳴いているから男の子(オス)だね」とか「鳴かないから女の子(メス)だね」とか「桜の木に多くとまっているね」とか教えてくれたりしています。

今木:理想的な全方位からのサポートで、めちゃくちゃすごいですね。僕も結構自転車に子どもを後ろに乗せて、紙が使えないから暗算を教えたりしてましたよ。

藤井さん(保護者): 歩く時間を勉強時間にする意識をしていたからか、今でも習い事の帰り道は歩いてるんですが、「月までの距離はこんだけだね」と拓都が言うんで、「じゃあ歩いて行ったら何日かかるかな」とか会話はしますね。

今木:本当に素晴らしいです! いろんなご家庭がそれを理想としてはいても、実際はなかなかできないようなことを全て実践されていて。我が家でもできてないくらいです(笑)。

藤井さん(保護者): 自宅にいると「ながら」で喋ってしまうので、移動時間を勉強時間にと思い、親としてもきちんと向き合って話すようにしています。これは意識的にですね。

今木:あらためて2時間取りましょうって言って取れるものでもないと思いますので、その時間の使い方というか、意識の仕方が素晴らしいです。見習いたいですね。

ではせっかくの機会なので、RISU算数についても訊いてみたいと思います。

算数オリンピック銀メダルの拓都さんが思うRISU算数のメリット

算数が大好きな拓都さんが語る、教材としてのRISUの魅力とは

今木:RISUはやってて楽しいですか。

藤井 拓都さん: 楽しいです!

今木:本当?!(笑)作った人なので嬉しいです。どこが気に入ってる? 嫌なとこあったら嫌だって正直に言ってくれていいですよ。

 RISUの解説動画が大好きな拓都さん

藤井 拓都さん: 好きなところは、ちゃんと解説してくれたりするところ。

今木:なるほどね! 先生の解説動画は自分のわからないところとかが届くようになってるからね、そのような印象だったら安心しました。

じゃ気に入ってないところを教えてもらえますか?

藤井 拓都さん: 特にないです!

今木:そりゃよかった!

藤井さん(保護者): 親的には数学の分野もやっていただけるとありがたいなと思っています。

今木:方程式とか、中学受験の問題を数学のテクニックでちょっと裏技的に解く、みたいなステージはあります。

藤井さん(保護者): 入門基礎みたいなところですかね? 多分そのRISUの該当範囲はすでに終わってしまいました! 次のステップに進みたいなって考えていました。数学の分野も特に問題なく楽しそうにやっているようです。

今木:算数ではなく数学になると、急に計算が複雑になったりして、またちょっと雰囲気が変わりますが、そんな数学もやってて楽しいのはなかなか珍しいので素敵ですね。ぜひ続けてください。

拓都さん何か質問ありますか? この機会になんでもいいので。

論理的思考を育てる「問題作成」や「読書」はおすすめ

藤井 拓都さん: RISUの問題って誰が考えてますか?

今木:あれはね、スペシャル問題は僕が考えてます。で、それ以外の問題は大学生のお兄さんとか塾の先生が考えて作ってます。問題を考えて作るのもおすすめだよ。どこにもない問題を作るのは結構難しいからね。

藤井さん(保護者): あとはおすすめの書籍とかお聞きしたいです。

今木:推理とかミステリーとか論理思考の本ですね。あとは英雄の本とか、何かスケールの大きなことを考えて成し遂げた人の本とかっていうのはおすすめですね。たとえば、エジソンとか織田信長とかね。

あとは、ホラーとか現実ばなれしている話だと想像力が働くので、機会があれば読んでみてください。

藤井さん(保護者): ありがとうございます!

今木:拓都くんでいうと、図鑑も大人向けのものとか宇宙関連の分野だと興味を持てるものがかなりあると思いますので、みてみてください。あとは、NASAがすごい映像を出していたりします。壮大で美しいものに触れると感化されるので本当におすすめです。

お子さんの年齢に関係なく、興味のある分野は早くから読んでたりするとよいです。そして理系に進む場合、専門用語が大量に含まれた長い文章を多く読む機会が増えるので、長い文章や小説を読んでおくといいです。速読と飛ばし読みですね。

藤井さん(保護者): なるほど。はい、

今木:情報処理が早いと、どの専門に行っても圧倒的に有利なので、早い段階でそういうものに触れる機会を作ってあげられるとよいですよね。

あとはやりはじめたら、止めないことが重要ですね。すでに実践されていると思うんですが、のめり込んでたらそのまま継続させることは非常に重要です。

藤井さん(保護者): ありがとうございました。

 対談を終えて

今回のインタビューを通じて、藤井拓都さんが算数オリンピック銀メダルを獲得した背景には、ご家族の工夫や学びに対する自然体のサポートがあったことがよく分かりました。親子で楽しみながら日常生活の中に算数や学びを取り入れ、朝の勉強習慣のなかで干渉しすぎないスタンスが、拓都さんの「自ら考える力」を育んだのではないでしょうか。

ご家庭での取り組みは、「朝の学び」「移動時間の活用」「興味を尊重する姿勢」といった日常の工夫が詰まっており、他のご家庭にも参考になるポイントばかりです。

楽しく学び続けることが大きな成果に繋がるこのエピソードを、ぜひ皆さんのご家庭でも取り入れてみてください!

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記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。HugKumでの過去の記事はこちら≪

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文響社より2023年7月6日刊行

構成/HugKum編集部 

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