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あなたの子育て、いろいろ詰め込み過ぎていませんか?
HugKumで連載をしているあきえ先生の近著『詰め込み過ぎの毎日が変わる! 子育ての引き算』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。タイトルにもなっている「子育ての引き算」とは、どんなことなのでしょうか? あきえ先生に詳しく伺いました。
子育てにプレッシャーや不安を感じている人へ
- 「ちゃんと育てなきゃ」
- 「一度きりの子育てだから後悔したくない」
- 「どんな教育を受けさせるのが正解なのだろう」
このような不安やプレッシャーを感じながら子育てしている人は多くいらっしゃいます。これまでに1万件を超える子育てのご相談をいただく中でも、「何が正解かわからない」などの子育てに自信が持てないというお声をいただくことは多くありました。失敗や後悔をしないためにあれこれ詰め込んでしまうという声も多いのですが、そこをうまく引き算することで、より心地よく、楽しい子育てができるかもしれません。
「子育ての引き算 チェックリスト」をやってみよう
まずは自分がどんなところを引き算するべきか、こちらのチェックリストその1〜7を試してみてください。
その1 「決めつけ」の引き算
□子どもが何かをするときに「どうせできないだろう」「また失敗するだろう」と思ってしまうことがある
□子どもの姿を見て「この子は〇〇な子だ」と決めつけてしまうことがある
□子どもが何か失敗をした後に「ほら」「やっぱり」と思うことがある
→「決めつけ」とは、子どもに対して先入観や固定観念を持ち、その子の可能性や成長を限定的に捉えてしまうことです。
その2「手出し口出し」の引き算

□子どもが失敗しそうになると「違う」「こうでしょ」とその場ですぐ直したくなる
□子どもにはできないだろうと判断して「大人がやるから」と代わりにやってしまう
□子どもが間違いそうなときに「それはこうするのよ」と正解を教えたくなる
→「手出し口出し」とは、子どもが自分で取り組もうとしていることに対して、大人が過剰に介入したり、指示したりすることです。
その3「期待の押しつけ」の引き算
□「これができるようになってほしい」と子どもに期待を押しつけてしまうことがある
□「上手にできたか」「ちゃんとできているか」と結果ばかりが気になってしまう
□「できるはず」と思っていることと実際の姿にギャップがあってがっかりすることがある
→「期待の押しつけ」とは、大人の価値観や願望を子どもにムリに当てはめようとすることです。
その4 「べき思考」の引き算

□「〇歳なのに何でできないの?」と感じて、できない姿にイライラしてしまうことがある
□「周りの子もやっているから(うちの子もすべき)」と子どもに何かをさせたくなってしまうことがある
□子どもが選んだ物(洋服、絵本、玩具など)に対して「それはちょっと⋯⋯⋯」と受け入れられないときがある
→「べき思考」とは、「~すべきだ」「~でなければならない」という固定的な考え方で子どもを判断することです。
その5「競争&比較」の引き算
□子どもの行動を促すために「誰が一番早くできるかな?」と競争させてしまうことがある
□他の子とわが子を比較して「うちの子はこんなにできない」と落ち込むことがある
□SNSなどでわが子と同年齢の子どもの姿を見て、急にモヤモヤすることがある
→「競争&比較」とは、子どもを他の子と競わせたり、比べたりすることで評価しようとする考え方です。
その6「不一致な言動」の引き算

□「片づけようね」と言いながら、実は自分も整理整頓ができていないときがある
□「お友達に優しくしようね」と言いながら、子どもにイライラした態度をとってしまうことがある
□子どもと一緒に決めたルールを、忙しさや面倒くささからやぶってしまうことがある
→「不一致な言動」とは、大人の言っていること(言葉)とやっていること(行動)が一致していない状態のことです。
その7「賞罰」の引き算
□子どもがしてほしくないことをしていると、強い口調で叱ってしまうことがある
□「鬼が来るよ」「お菓子抜きね」などと脅したり、罰を与えたりすることがある
□「すごい!」「天才!」「才能あるね!」と子どもを褒めちぎってしまうことがある
→「賞罰」とは、子どもの行動を褒美や罰で制御しようとする方法です。
あなたは子育てから何を引き算しますか?
チェックリストに自分が当てはまっていることはありましたか? 引き算の視点を持つことで、あなたの子育てはより心地よく、楽しくなるかもしれません。
『引き算の子育て』では、それぞれのチェックリストの項目の具体例や、引き算する方法について詳しく読むことができます。子育てに不安があったり、ちょっと疲れを感じている人はぜひ読んでみてください。
『詰め込みすぎの毎日が変わる!子育ての引き算』

1万人以上の子育ての悩みを聞いてきたモンテッソーリ教師あきえが、詰め込みすぎの子育てから解放され、自信をもって子育てできるようになる「子育ての引き算」の方法をお伝えします。「子育てに毎日一生懸命で疲れている」「子育てについて不安やプレッシャーを感じている」「習い事やスポーツ、知育など詰め込みすぎていないかな?と不安になることがある」「もう少しゆとりをもって子育てしたいのに、どうしていいかわからない」などというママやパパにおすすめです。
記事監修

モンテッソーリ教師あきえ
幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。
あきえ先生主宰オンラインスクール「Montessori Parents」
文/本間綾