視力1.0未満の小学生が3割超え。食事で視力低下の対策を!栄養たっぷりな超ラクちん丼ぶりレシピ2選【管理栄養士監修】

現在、日本における小学生の裸眼視力率は年々下がってきていると言われています。その要因は、ゲームやスマホで遊ぶ時間が長いことや、受験の低年齢化も。勉強時間が増えることで目を酷使していることが挙げられるようです。親が子どもにできる対策としては日々の「食事」で整えてあげること。不足しがちな栄養素を補う簡単な丼ぶりレシピと共にご紹介します。

小学生の裸眼視力1.0未満が増加

「学校保健統計調査(令和5年度調べ)」では、裸眼視力1.0未満の小学生の割合は36.0%という結果が発表されています。過去の数値と単純比較できないとはいえ、県別の集計が可能となった平成18年度以降では最多。

年齢別にみると、小学校1年生(6歳)では約4人に1人(25.5%)、小学校6年生(11歳)では半数近くが裸眼視力1.0未満でした。

目を休める習慣をつけよう

VDT症候群という言葉を聞いたことがありますか?  VDT症候群は、IT眼症とも呼ばれ、スマートフォンやゲーム機など主にIT機器のディスプレイを長時間、見続けることによって引き起こされる眼精疲労のこと。大人ばかりでなく子どもたちに与える悪影響に対して警鐘が鳴らされています。

症状としては、ドライアイや肩こり、頭痛などの身体的なものに加えて、イライラするなど精神面が不安定になるケースまで。ゲームなどは、長時間の連続プレイはやめて30分単位で区切るなど、意識して目を休める時間をつくることも大切です。

賢く栄養素を摂取するコツ

目の機能維持に欠かせない栄養素としてはビタミンAがあります。ビタミンAは、視覚の正常化や目の網膜細胞をサポートする働きがあるほか、成長の促進、生殖機能の維持などの作用があり、子どもに必要な栄養素です。

食材でいえば、豚レバーや銀だら、卵などに多く含まれます。

また、緑黄色野菜に豊富に含まれるβーカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されることが分かっていますので、色の濃い緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、パプリカなど)を摂取するのも食材選びのポイント。

β―カロテンは油を使うことで吸収率が高まるため、油で炒めるなどの調理法を選ぶと効率的です。ほかに、視神経の働きを正常に保つといわれているビタミンB群も一緒に食べるのがおすすめです。

栄養バランスのいい「のっけ丼」2選

では、さっそく目の健康維持に期待できる食材で献立を作っていきましょう。どちらもすぐ作ることができ、ご飯にかけるだけの丼ぶりレシピです。

市販の焼肉のたれで超ラクちん「豚たま丼ぶり」

ビタミンAが豊富な「卵」とビタミンB1を摂取できる「豚肉」を使ったレシピ。

材料(1人分)

豚こま肉…100g
長ねぎ…1/2本
スナップエンドウ(あれば)…適宜
溶き卵…1個分
温かいごはん…茶碗1膳分
ごま油…適量

<たれ>
市販の焼き肉のたれ…大さじ2
水…大さじ1

作り方

1. 長ねぎは斜め薄切りにする。スナップエンドウは筋を取って塩少々(分量外)で茹でしておく。

2.フライパンに油を入れて中火で熱し、長ねぎが少し焼き色がつくまで炒めたら豚肉を加えて色が変わるまで炒める。

3. 2にたれの材料を加え、ふつふつしてきたら弱火にする。溶き卵を加えて蓋をし、30秒ほど加熱する。

ご飯にかけて召し上がれ♪ スナップエンドウを加えることで色味が増し、さらにβーカロテンを摂取することができます。

かぼちゃのカレー風味ラタトゥイユ丼ぶり

「かぼちゃ」と「パプリカ」でβ―カロテンたっぷりレシピ!  たんぱく質は、子どもが好きな「ツナ」で補うのが◎。

材料(作りやすい分量/4人分)

かぼちゃ…中1/4個(約350g)
パプリカ(赤)…1個
しめじ…1/2パック
にんにく、しょうが…各1かけ
カットトマト缶…1缶(400g)
ツナ缶…1缶
カレー粉…大さじ1
塩…小さじ1/2
しょうゆ…少々
温かいごはん…茶碗1膳分
オリーブ油…適量

作り方

1. かぼちゃとパプリカは種を除き、食べやすい大きさに切る。しめじは石突を外して小房に分ける。にんにくとしょうがはみじん切りにする。

2. フライパンに油を入れ、にんにくとしょうがを中火で炒める。香りが立ってきたら、かぼちゃを皮目から入れて少し焼き色がつくまで炒め、きのことパプリカも加えて軽く炒める。

3.2にカレー粉をふって全体に混ぜたら、トマト缶と水50ml、塩を入れて蓋をし、15分ほど煮込む。とろみがついてきたらツナ缶を加えて混ぜ、最後にしょうゆで調味する。

ご飯にたっぷりかけて熱々をどうぞ!  粉チーズ(分量外)をかけても美味しいです。

目に優しい食材を覚えておくと便利

いかがでしたか?  もし食材選びで迷ったら、「目に鮮やかな色の濃い野菜=目に優しい」と覚えておくと便利です。旬の野菜でぜひ試してみてくださいね。

参考文献
・文部科学省「学校保健統計調査」
・厚生労働省vdtガイドライン
・厚生労働省「ビタミンA」、eJIM
・はじめてママ&パパの子どもの栄養(主婦の友社刊)

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記事監修

川越光笑(かわごえあきえ)|管理栄養士・たべごとライター
出版社で編集を経験後、独立。食を通した環境問題、農業などに関心が高くフリー編集者兼ライターとして活動中。著者本に日本の食文化を守るべく企画した「おにぎり」(グラフィック社)がある。NHKやラジオ番組J-Waveロハスモーニングなど多数のメディアに出演し、全国のおにぎり文化を語る。両親を病気で亡くしたことをきっかけに、“人は、食べるもので体がつくられている”ということを改めて実感。食の大切さに目覚め、管理栄養士を目指すべく大学へ進学。2023年春、国家試験に合格し、管理栄養士となる。

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