子どもと葛飾北斎の世界を体感！ 圧倒的な没入体験が魅力の「HOKUSAI ANOTHER STORY in TOKYO」レポート

「HOKUSAI ANOTHER STORY in TOKYO」とは？

誰もが一度は名前と作品名を聞いたことがある日本画家って、実はそう多くない、と思いませんか？

そんな数少ない有名な日本画家「葛飾北斎」。彼の描いた「冨嶽三十六景」を従来とは異なる視点で再構成し、鑑賞かつ体験できるようにしたのが、この「HOKUSAI ANOTHER STORY in TOKYO」です。

踊るような大波を大胆な構図で描いた「神奈川沖浪裏」や、“赤富士”とも呼ばれる「凱風快晴」など、たとえタイトルを知らなくてもきっと誰もがどこかで見たことがあるであろう北斎の絵を、今までにないアプローチで体感することができる映像アート・エキシビションなんです。

6歳の男の子と、葛飾北斎の世界を体感してきました！

会場となるのは、渋谷駅から徒歩3分、西口連絡通路「渋谷フクラス歩行者デッキ」を通れば雨にも濡れずに行ける「東急プラザ渋谷」の3F。

6歳の息子は、まだ北斎について何の知識もありませんが、行く前に動画を見せていたので「すごい！ 面白そう！」と、楽しみにしていました。SNSで話題になっていたのを見て筆者も体験してみたいと思っていたので、当日までワクワク！

親子で期待感を高めながら、さっそく入っていきました。

光で浮世絵を楽しめる「光の部屋」

最初にやってきたのは、「光の部屋」。江戸時代の光を再現した竹あかりで浮世絵を楽しむゾーンです。

「冨嶽三十六景」は、実は全36ではなく46図あるそうなのですが、ここではそのすべてを見ることができます。

明るくなれば絵が明るくなり、暗くなれば絵も暗くなるので、絵の立体感や質感を楽しめるようになっています。

子どもが大喜び間違いなしの「大地の部屋」

続いて「大地の部屋」へ。子連れで行くなら、子どもが長時間居座ること必至の部屋です。

壁面だけでなく、文字通り大地も絵となり、絵の中に自分が入り込むような体験ができます。

何より楽しいのは、映し出された大地が水面なら水、氷面なら氷の、踏みしめた音や感覚を体で感じることができること！

カニや魚は踏むと逃げるので、息子は延々と追い掛け回して楽しんでいました。実際に、小さい子どもにいちばん人気があるのがこちらの大地の部屋だそうです。でも、大人でも感触が変わる地面を踏みしめる体験は楽しいですよ！

まるで空を飛んでいるような「風の部屋」

「冨嶽三十六景」の中で、目に見えない「風」の姿を表現した葛飾北斎。「風の部屋」は、そんな風を感じることのできる絵を、空中浮遊しながら見ているような体験ができるゾーン。

ちょうど絵の真ん中あたりに立つと、爽やかな風を感じることができるので、ぜひ試してみてください。

いくつもの絵が映し出されていきますが、それぞれ日本のどの位置から見た富士山の景色なのかが地図でわかるようになっているのも、興味深かったです。

圧倒的没入感！ 大迫力の「北斎の部屋」

最後に訪れたのは、「北斎の部屋」。

このゾーンでは、「冨嶽三十六景」の一部を3DCGと組み合わせて作られた映像が広い部屋全体に映し出されます。映像にあわせた音や地響きなどのリアルさがものすごく、圧倒的な没入体験ができる空間になっていました。

これまで見てきた絵がここで全部出てくるので、「あのときの絵だ」と思い出しながら、また違う楽しみ方ができます。

ほかにも、葛飾北斎の一生を説明したエリアや、DTIP（三次元質感画像処理）技術により制作されたマスターレプリカの展示エリアもあり、大人はそちらをじっくり楽しむのもおすすめです。

大人も子どもも楽しめる美術体験ができる

出口にはショップがあり、ここでしか買えないオリジナルグッズがたくさんそろっていました。

子どもに人気なのは、こちら！

オリジナル箸置きがランダムで手に入るガチャガチャです（1回￥500）。5種のうち1種がシークレットで、金色のカプセルがそれにあたります。どの絵柄が出てくるかワクワク！ 子どもが何度でもやりたくなってしまうこと間違いなしです。

全部そろえて家族みんなで使うのも楽しそうですね。デザインや色使いがおしゃれで、プレゼントしても喜ばれそう。

行く前は、未就学児にはまだ難しいかな？と思っていましたが、息子は帰り道に「楽しかった！」と言っていました。未就学児は入場料無料なので、子どもが小さくても「うちの子にはまだ早いかな……」と思わずに、一緒に行ってみるのをおすすめします。2歳以下のお子さんと一緒の際には、手をつないで回ってくださいね。

6月1日（日）まで開催されているので、週末やゴールデンウイークのお出かけリストにぜひ加えてみてください。

こちらの記事もおすすめ

取材・文／下村さき