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子どもの頃からデザインマインドを育むきっかけとなる展示構成
テレビ番組「デザインあ」で総合指導を担うグラフィックデザイナーの佐藤卓さんが、「デザインあ展 neo」でも総合ディレクターとして関わっています。
「子どものためのデザインの番組がなぜ必要かっていうところに立ち返ると、日常生活にデザインと関わりのない物事は何1つありません。何らかの形でいろんなデザインに関わりながら生活が営まれているのであれば、子どもの頃からデザインマインドっていうのは育んだ方がいいんではないだろうか。
ご来場いただいた方々がまた2期目とは違うその体験をここでしていただき、『デザインって面白いな』『デザインが世の中をもしかすると豊かにしていく力になるかもしれないな』というようなことを感じていただきたいと思っています」(「デザインあ展 neo」 総合ディレクター 佐藤卓さん)
佐藤さんによると、これまでの「あ展」を鑑賞した人もいい意味で裏切られるような新しい展示になっているそうなので「前に行ったことあるしなぁ」という方でも楽しめそうですよ。

「モノ」から「行為(動詞)」へとテーマを新たに 観察・考察・体験のステップで構成
展示は「あるく」「たべる」「すわる」「もつ」などといった動詞ごとに、観察・考察・体験のステップで構成された作品が35点並んでいます。最初の展示会場の入り口前に展示内容について詳しく書かれた「展示についてのおしらせ」が置いてあるので、もれなくチェックしたい人はこれをもらっておくとよいでしょう。

展示室内に入ってすぐ目に飛び込んでくるのが、天井から吊り下げられた巨大な「あ」。この下のゾーンには円形の「イントロダクション~動詞の庭~」があり、その上で道具にそれぞれにまつわる「動詞」が書かれています。本当はそれを使っている人間の姿があるのですが、いない状態でどう動くのかじーっと眺めてみましょう。突然パタパタと動きだす様子にびっくり! でも、自分が透明人間になったと考えたら、「こうやって動いているよね」っていうことに気づくはず。
本展では実際に触れて、体験できる展示もたくさんありますが、こちらは触れられません。触っていいもの、ダメなものはそれぞれの展示名のところに「あそべる」マークや赤い「さわらないでね」マークがついているので、チェックしましょうね。


知っている言葉たちの本当の豊かさを改めて実感! 日本語の楽しさを味わい尽くそう
今回の展示では、日本語のなかでも「動詞」という、生活のなかで状況に合わせて使い分けている言葉を様々な形で可視化。普段あまり意識せずに使っている言葉が、実はこんなに豊かなものだったんだと気付けるのは、子どもはもちろん、大人もワクワクします。
今回は展示のなかでも「あそべる」ものをピックアップしてみました。
●あるきかたログ/Scott Allen + パーフェクトロン
6つのブースがあり、それぞれのブースに足型とカメラがあり、その指示どおりの足の置き方と姿勢でパチリ。その写真を並べると、別々に撮ったのにパラパラ漫画のように、まるであるいているように見える作品。


●オノマトピース /プラプラックス
言葉で積むピースを選ぶつみ木遊び。ふわ、サク、ジュワなど食感をあらわすオノマトペのピースをハンバーガー、丼もの、串もの、手巻き寿司などのメニューのフォーマットに当てはめていきます。

●もちはこびトライアル/YOY
ちくわ・フライパン・ギターをパイプに当たらないようもちはこびます。


●わかりましたの練習/Scott Allen+パーフェクトロン
「わかりました」ということばのリズムを並べてみましょう。文字を上下させることで話すときに音の高低をつけていることに気づけます。

●もちごこち/岡崎智弘
人の手の大きさはそれぞれ違っています。指が長い人、手のひらが大きい人など、みんな違います。では、ものや道具の大きさはどうやって決められているのでしょうか? 誰かにとっての「いいもちごこち」は、自分にとってもいいのでしょうか? 持って試してみましょう。

●たべられるきもち/プラプラックス
巨大なおはしにつままれるお餅。お餅のそばに立ってみると、食べられる気持ちがわかるかも? おはしに座ったり、挟まれたりして写真を撮るのもおすすめです。

会場外にも楽しみはたくさん! フォトスポットや特設ショップは入場しなくても利用OK
会場内で楽しみたいけれど、ちょっとそこまで時間は取れないなぁ…という方におすすめなのが、同じ45階にあるフォトスポットとショップ。
フォトスポットでは「あ」の字の縦1本抜けた状態の部分に立つと、「あ」を完成させられるので撮る角度を工夫していい感じに撮ってみて。

特設ショップでは、本展の公式図録(5月中旬発売予定)やオリジナルグッズを販売。
「あ」をモチーフにしたアクリルキーホルダーや風呂桶などユニークなアイテムが並んでいます。また、会場限定で音楽ディレクター 蓮沼執太さんプロデュースの番組音楽のアナログレコードを販売中です。




デザインあ展neo
会期:2025年4月18日(金)~9月23日(火・祝)
開館時間:10:00~19:00(入場は閉館の30分前まで)
※各月第一・第三水曜日は17:00閉館(16:30最終入場)。9月17日(水)は19:00閉館。
場所:TOKYO NODE GALLERY A/B/C(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F)
料金(日時指定):2,500円(一般)、1,200円(高校生・中学生)、1,000円(小学生)、500円(2歳以上)、無料(2歳未満)
※小学生以下の入場には保護者の同伴が必要です。 ※障がい者の介助者の方は1名無料です。
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取材・文/北本祐子