夏の三大感染症の特徴と感染経路を知っておこう
「手足口病」「ヘルパンギーナ」「プール熱」は子どもがかかりやすい「夏の三大感染症」としてまとめて紹介されることもありますが、実は感染経路が少しずつ異なり、家庭内での広がり方も違います。ここでは基本的な特徴を整理してみましょう。

手足口病
手足口病とは、ウイルスによって口の中・手のひら・足の裏などに水ぶくれのような発疹ができる感染症で、乳幼児を中心に流行します。
潜伏期間:3~5日程度
症 状:発熱(38度前後)、口内炎、手のひら・足の裏・おしりなどに小さな発疹や水ぶくれが出現。口の中の痛みで食欲が落ちる子も。発熱しないケースもある。
感染経路:飛沫感染、接触感染、糞口感染(オムツやトイレ後の手指を介した感染)。症状が治まっても、ウイルスは便から2〜4週間排出されるので長期的な感染リスクがある。
流行時期:6月〜8月にかけてが流行のピーク。年によって5月から増加傾向になることも。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナとは、突発的な高熱とのどの奥に小さな水疱ができることが特徴のウイルス感染症です。
潜伏期間:2〜4日程度
症 状:突然の高熱(39〜40度)、のどの奥にできる水疱やただれ、それに伴う強い痛み。熱が1〜3日で下がることが多い一方、のどの痛みで食事や水分が取りづらく、脱水に注意が必要です。
感染経路:飛沫感染、接触感染、糞口感染。唾液・鼻水・便などを介して感染します。
流行時期:6〜8月が流行のピーク。手足口病と時期が重なるため、同時に流行する年もあります。
プール熱(咽頭結膜熱)
プール熱(正式名称:咽頭結膜熱)は、発熱・のどの痛み・目の充血といった症状を特徴とする感染症です。名前に「プール」とありますが、プール以外の日常生活でもうつってしまうのでご注意を!
潜伏期間:5〜7日程度
症 状:発熱(38〜39度程度)、のどの痛み、結膜炎(目の充血・異物感・痛み)。体がだるくなったり、食欲が落ちたりすることもあります。
感染経路:飛沫感染、接触感染。ウイルスが目・口・鼻などの粘膜から侵入します。タオルの共用や手洗い不足で感染が広がりやすい。
流行時期:6〜8月がピーク。学童期の子どもたちにも多く見られ、集団感染に注意です。
兄弟姉妹間の完全隔離は困難! 我が家で実際に行っている“家庭内ゾーニング”
ここからは、我が家で実際に行っている感染対策方法をご紹介します!
① コップ・タオルを分ける

我が家では普段から家族全員のコップを分けており、子どもが感染した場合はタオルも分けます。コップは、色やキャラクターを変えるとわかりやすいですよ。子どもが進んで手に取ってくれるよう本人の好きなキャラクターを選んでも◎
タオルは、この期間だけペーパータオルを使用するのもよいですね。感染対策になるだけでなく、洗濯物が減って家事負担が軽減されるのでおすすめです。
②歯ブラシを離して収納

見落としがちなのが、歯ブラシの収納です。1つの場所に家族全員分を保管しているご家庭が多いと思いますが、我が家では普段から1人1ケース使用し、歯磨き粉も分けています。写真は実際に使用している100円ショップの吸盤付きケースで、いつもは鏡裏に収納しています。
③ 3つのタイミングで手洗い・うがいを徹底

我が家では「トイレの後」「食事の前」「帰宅後」“だけ”は絶対に手洗いをしようと家族全員で約束し徹底。あまり神経質になるとママパパが疲弊してしまうので、この3つのタイミングだけは確実に実施し、あとは割り切るのもいいかもしれません。
我が家の4歳の息子は、うがいが苦手でしたがグレープ味の洗口液を導入し、実施してくれるようになりました。
また、手足口病とヘルパンギーナは糞口感染もするので、ママとパパはおむつ交換の後の手洗いも必ず行いましょうね!
④ お風呂は「順番ルール」を決める
お風呂は、感染している子が最後に入るのがベスト! 入浴後は浴室内をシャワーでざっと流し、換気しておくのが望ましいです。
家庭内感染は完全には防げない、割り切りも大切!
ご紹介したちょっとした工夫や視点の切り替えで、感染の広がりは防ぐことはできます。
しかし、同じ家で暮らしているとどれだけ気をつけても完全に防げないことが多いもの。看護師の私自身も、家庭での完璧な対策は難しいと実感しています。
最低限の予防ルールを守りつつ、うつってしまったら、回復に向けて気持ちを切り替えましょう。そして、頑張るママやパパ自身のことも、どうか労ってあげてくださいね!
参考文献:国立感染症研究所、厚生労働省、東京都感染症情報センター
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この記事を書いたのは…?

看護師としてがん専門病院に3年間従事後、「好きなことを好きなだけしてみたい!」と思い立ち、海外留学の後世界一周へ。帰国後はトラベルライターとして活動。現在は、結婚・出産を経て、看護師兼webライターとして働く複業ママ。