地下アイドルから超名門UCバークレーの卒業生代表に! 現在1カ月の半分は旅行に行き、NYで投資家として大成功。「人の可能性は無限大」だと話すワケ【onodelaさん|後編】

うつ病を患い、アイドルをいじめで引退。辛い経験を乗り越えたonodelaさん(元アイドル・小野寺ポプコ)は大学生活で自己肯定感を取り戻し、海外留学を経てニューヨークで投資家として独立。1カ月の約半分は旅行という自由な働き方をしています。ここまでの道のりやインフルエンサーとして伝えたい思いを聞きました。

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アメリカでやっていけると実感、自分に合う場所は必ずある

——大学時代にはアメリカのシアトルへの交換留学、さらに早稲田大学卒業後はカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)大学院へ進んでいます。海外に行きたいと思ったきっかけはありましたか?

onodelaさん(以下、onodela):ドラマや映画を見てなんとなく面白そうだし、自分もやっていけるんじゃないかなって。英語は受験勉強も含めて、それなりに勉強していましたね。

実際行ってみると、とにかくアメリカという国は広いんです。東京から大阪に行くような気軽さで、ニューヨークからカリフォルニアに移動できる。でも、東京と大阪の違いなんて比じゃないくらい、文化もバイブスも全然違って、めっちゃ視野が広くなるなって思いました。

NY暮らしを楽しむonodelaさん

onodela:日本国内にいると、海外経験の話題はそれほど日常的ではないけれど、アメリカにいると、周りには他の国から来ている人や、さまざまなバックグラウンドを持つ人が本当に多いと感じました。アメリカにいながらよりインターナショナルな世界に近づいたというか、世界がグッと広がった気がしました。

そんな環境で過ごすうちに、自分もアメリカで「やっていける」と思えてきました。日々のルーティーンができて、自分が所属するコミュニティがあって、そこに行くと毎日気持ちがプラスになってきて…、アメリカいいかもって思い始めました。あとはもしそこが自分の最適解じゃなかったら、他の場所を探せばいいかとポジティブに考えるようになりました。

「将来のリーダーになろう」代表スピーチに込めた思い

——UCバークレーでは卒業生代表スピーチもされましたね。

onodela:代表になれるのは一番評価されている学生だと思ったので、一番になりたいと思って応募しました。その後本当に選ばれて、選ばれたからには私なりに一番かっこいいスピーチをしたいなと思って準備しました。ちょっとは緊張しましたね。でも客観的に考えると緊張しても何のメリットもないので、スピーチにフォーカスするだけにしようって、自分に言い聞かせました。

卒業生代表スピーチをするonodelaさん

onodela:私が一番伝えたかったのは、「将来のリーダーになりましょう」ということです。多分、卒業時点では多くの人が、会社でがんばろうとか、研究をもっと深めようとか、目先のことを考えていると思うんです。もちろんそれでもいいんですけど、もっと長期的に見て10年後や20年後に、金融業界でもほかの業界でも、とにかくリーダーシップを持って、世界の一部を良くする人になりましょう、というメッセージを伝えたかったんです。

ニューヨークで投資家として独立、人生満足度は90点!

——現在はニューヨークで投資家として独立し、1カ月の半分くらいは旅行にいきながら自由な生活を楽しんでいますが、今思うと人生の転機はどこにあったと思いますか?

onodela:2024年の年末に、会社を辞めて自営業でやっていけるかなって思うようになって、最初はやっぱり不安もありましたが、今年挑戦してみたらうまくいきました。これが今の私に直接つながる一番の転機ですね。もともと人との関わりにストレスを感じる部分もあったので、自分が関わりたくなければ関わらなくても済むような生活ができるようになったことで自由を得た気がするし、すごく気持ちが楽になりました。

——周りの反応はどうでしたか?

onodela:独立前に友だちに相談もしていたんですけど、「きみは絶対自由になったほうがいいよ」と背中を押してくれて。私自身もやってみてダメでも会社に戻る機会はいくらでもあるだろうし、余計なこと考えないでとにかく一回やってみようと決断できました。

入社した会社を退職したときのonodelaさん

——今の生活の満足度はどれくらいですか?

onodela:90点。かなり高いです。でもやっぱり私はキラキラした人生に憧れがあって。今は投資家として生計を立てているので、エンタメ業界とは全然関係ないです。でもインフルエンサー活動もしていて、それはまだ収入にはほとんどなっていないですけど、もっと大きなインフルエンサーになりたい。インフルエンサーとしてもっと成功できたら、満足度は100点になりますね。

尊敬するのは人生を楽しんでいる人

——インフルエンサーとしてどんな発信をしたいと考えていますか?

onodela:日本向けに、アメリカの魅力を発信したいんです。最近は、経済や政治的な影響でアメリカへ行く日本人が前より減っているように感じます。私の投稿を見て「アメリカ面白そう」「海外へ行ってみたい」って思ってくれる人が増えたら達成感がありますね。実際に「onodelaさんの動画を見てニューヨークに行こうと思った」というDMが来たときはすごくうれしかったです。

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onodela:あとはアメリカをはじめ英語圏の人に日本の文化、主にアイドル文化を英語で発信していきたいです。もしかしたら、そのうちまた自分がアイドルになる機会があるかもしれないですけど、今はインフルエンサーとしてInstagramでアイドル文化の魅力を伝えていきたいです。私の投稿を見て日本のアイドルを追ってみたいという海外の方が増えたら、これもとてもうれしいです。

——行動力があり、どんどん道を切り拓いている印象です。その原動力は何でしょうか?

onodela:多分、自分の子ども時代があんまり楽しくなかったと感じていた反動で、とにかく「楽しい人生を送りたい」っていう気持ちが強いんだと思います。いくつになっても自分が楽しめることをやり続けるのが私の目標です。

私が尊敬する人は、ただ成功しているだけでなく、人生そのものや自分のキャリアを心から楽しんでいる人です。例えば、モデルの中村里砂さん。10数年間も第一線でモデルを続けているのは、まさに大きな成功だと思いますし、それ以上にいつも自分の仕事を楽しんでいるように見えるところが、とても素敵で憧れています。

どこかに必ずその子に合う場所がある

——最後に読者にメッセージをお願いします。

onodela:私の一番好きなシェークスピアの言葉をシェアさせてください。「The world is your oyster.」。直訳すると、「世界はあなたの牡蠣である」という言葉です。世界はあなたの思うようになる、人生の可能性は無限大であなたが探索するのを待っているといった意味ですね。遊び心のある表現だし、牡蠣が好きなこともあって、本当に大好きな言葉です。

牡蠣って殻を開けるのは大変だけど、開けたらおいしい中身が詰まっていますよね。それって人生でつまずくときがあってもその先には素晴らしいものが待っているのと同じこと。それをいつでも思い出してほしいです。子どもに限りませんが、可能性は誰にでも無限に広がっているし、必ずどこかにその人に合う場所があるはずだと思っています。

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お話を伺ったのは

onodelaさん

1999年、東京都生まれ。2019年6月に小野寺ポプコとしてアイドルグループに加入するも、翌月にいじめを理由に脱退し引退。その後、2022年9月に早稲田大学を卒業、2024年5月にカリフォルニア大学バークレー校Haasビジネススクールを修了。現在はニューヨークに拠点を移し、2025年より個人投資家として独立。インフルエンサーとしても活動している。

取材・文/古屋江美子 写真提供/onodela

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