農林水産省は一体どんなところ?
農林水産省は、昨今の米不足や米の値上げもあり、注目を集めている省庁です。一体、どのような業務や政策を担っているのでしょうか? まずは、沿革や組織について確認しましょう。
農林水産省の沿革と組織
農林水産省の前身となる「農商務省」が1881年4月7日に設立されたことから、農林水産省の創立記念日は4月7日となっています。
その後、1925年に農商務省は廃止され、農林省と商工省が新設されました。その後、時代に合わせて組織内の改編が行われ、1978年に農林水産省が発足しました。

現在は農林水産省 本省の中に含まれているのは、大臣官房・総合食料局・消費・安全局・農産局・経営局・農村振興局・農林水産技術会議・林野庁・水産庁です。それぞれが農業・畜産業・林業・水産業などの振興や発展のために活動しています。
現農林水産大臣のプロフィール
2025年9月現在の農林水産大臣は、小泉進次郎氏です。2025年5月に前大臣の江藤拓氏の辞任に伴い、就任しています。

小泉進次郎大臣は、米国コロンビア大学大学院政治学研究科を修了後、父である小泉純一郎衆院議員の秘書を務めました。その後、2009年以降は衆院議員に当選し、議員としての活動を開始しました。内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官や環境大臣兼内閣府特命担当大臣、衆議院安全保障委員長を務めていた経歴もあります。
出典:農林省|国立公文書館 アジア歴史資料センター
:農林水産大臣:農林水産省
農林水産省の主な役割

農林水産省には複数の内局・外局が含まれており、さまざまな役割を持っています。具体的な業務内容を知るためにも、農林水産省が担う役割について確認しましょう。
食料の安全確保や安定供給を担う
農林水産省は、日本国内で食料の安全性や適切な供給を維持する役割を持っています。
【主な役割】
・食料の国内生産拡大
・農業の持続的発展をサポート
・不測の事態が起きたときの食料確保
・食品の安全性を守る
最近は米不足や米の値上がりが問題となっていますが、農林水産省の役割を考えると、米に関してはサポートがうまくいっていないともいえそうです。
米の品薄の背景としては、2023年産で高温の影響により収量・品質が低下して逼迫した一方、2024年産は前年比で増産となったものの在庫減少などの要因が重なり、品薄感が続いたことが挙げられます。なお、2023年産の不足額は最大56万トンとの試算が報じられています。
農林水産業の発展に寄与する
農林水産省は、農業・林業・水産業などの発展に寄与するための活動も行っています。
【主な役割】
・農作物・畜産物・水産物の生産の振興
・農作物や水産物の輸出拡大
・農山漁村の人口を確保
・生産技術の発展や共有
生産の振興だけでなく、輸出の拡大や技術の発展をサポートするなど、さまざまな方法で関連産業を盛り上げていこうとしているのです。
農地・森林・水源などの保全
農地・森林・水源などを保護し、維持するのも、農林水産省の役割です。
【主な役割】
・森林の保護や木の栽培
・国有林の管理
・環境負荷を減らすための農業技術の開発
環境を守り、食料の生産を持続していける状況をつくることも、食料の安定供給や農林水産業の発展に関わってくるでしょう。国が管轄する国有林には木材だけでなく水源も含まれており、農林水産省が管理を担当しています。
出典:「攻めの農林水産業」推進のための施策の展開方向
:農林水産省 入省案内
:【独自】23年産の米不足は「大凶作」並み 農水省試算で最大56万トン / 日本農業新聞
農林水産省の活動・プロジェクト

農林水産省では、農業・林業・水産業などに関する活動やプロジェクトを行っています。最近行っている活動について、確認しましょう。
みどりの食料システム戦略
みどりの食料システム戦略は、今後将来的に持続可能な食料システムを構築するための戦略です。農林水産業には、さまざまな課題があります。
高齢化などによる生産者の減少、温暖化・自然災害による問題、新型コロナウイルス流行による需要の変化など、今後考えていかなければならない問題を解決するため、中長期的な視点による取り組みを行っているのです。
例えば「あふの輪2030プロジェクト」では、2030年のSDGs達成を目標として情報発信や勉強会を行っています。今後も、革新的な技術を生み出すためにさまざまなプロジェクトや戦略が進められていく予定です。
農業女子プロジェクト
農業女子プロジェクトは2013年の設立以降、農業に携わる女性による商品・サービス開発や人材育成、情報発信などを行っているプロジェクトです。
実際に農業に従事している女性たちがメンバーとして参加し、パートナーである企業や団体と共に活動を行っています。
毎年農林水産省が推進し会議を開催しており、設立から10年以上経つ長期的なプロジェクトです。女性農業者の存在感を高め、若い女性の農業参入促進などを目的として、今後もさまざまな活動が行われていくでしょう。
スマート農業実証プロジェクト
スマート農業実証プロジェクトは、ロボット、AI、IoTなどの最先端技術を活用した「スマート農業」を発展させていく目的で行われた検証プロジェクトです。
今後、人材不足への対処や効率化などのために、最先端技術を農業に導入していくことは重要な課題です。そのための検証として、2019年以降全国217地区で実証プロジェクトが行われてきました。
公式サイトでは実証データや現場の声が公開されており、今後スマート農業の導入を検討している農家にとっても役立つ情報となるはずです。
出典:「スマート農業実証プロジェクト」について:農林水産技術会議
農林水産省は日本の食や資源に関わる省庁
農林水産省は、食料の安定供給や農林水産業の発展を担うなど、幅広い役割を持つ省庁です。国内にある森林や水源の保全も担当しています。
日本の食や農林水産業に関わるさまざまなプロジェクトも行っており、国民の生活に深く関係している行政機関といえるでしょう。SDGsやスマート農業、農山漁村の人口確保など、未来に向けた取り組みも行われています。
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構成・文/HugKum編集部
