部首の種類はいくつ?
18世紀初頭の中国で編纂された『康熙字典(こうきじてん)』では、部首の種類を214と定めています。その他の漢字辞書でも、この214種類を元に作成されています。
ただし辞書によっては、ユーザーが使いやすいよう部首を増やしたり減らしたりしているケースがあるため、必ずしも214種類の部首が掲載されているとは限りません。小学生向けの辞書の中には「輝」の部首を「光」としているものもあります。
部首は7種類に分類できる
部首とは漢字を構成する要素のことで、どの漢字にも必ず含まれています。一般的に214種類とされている部首は、漢字のどの部分にあるかによって、以下の7種類に分類可能です。
●偏(へん):漢字の左側にある部分
●旁(つくり):漢字の右側にある部分
●冠(かんむり):漢字の上側にある部分
●脚(あし):漢字の下側にある部分
●構(かまえ):漢字の外側を囲む部分
●垂(たれ):漢字の上側から左側にたれているもの
●繞(にょう):漢字の左側から下側に続くもの
部首の意味をチェック

部首は漢字の意味を表していることの多い部分のため、部首の意味を知っていると漢字が何を表しているのかを理解しやすくなります。ここでは小学校で習う漢字によく出てくる部首の意味をチェックしましょう。
にんべん
にんべんは人間そのものや、人間の行為、人間の動作などに関係する漢字に用いられる偏です。例えばにんべんの付いている「体」は人間の肉体そのものを意味する漢字ですし、「休」は人間の行為を意味しています。
他にもにんべんを含む漢字は「仕」「任」「伝」「作」「住」など、人間の仕事や生活に関わるものばかりです。
うかんむり
うかんむりは屋根のある家屋を意味する冠です。カタカナの「ウ」に似ていることからうかんむりという名前がついています。
「家」や「宅」といった住居を表す漢字はもちろん、大きな屋根を意味する「宇」や、天や地面から離れたところを意味する「宙」などにも用いられている部首です。
他にも「実」「安」「守」「宿」「富」などに含まれています。
てへん
てへんは手の形からできた偏です。手の一部分である「指」や、指を折り曲げて手を握った状態である「拳」に含まれており、手そのものを意味しています。
加えて手の動作を表す「折」「打」「投」「持」「採」などにも含まれている部首です。
きへん
きへんは木の形からできた偏です。木そのものや、樹木の種類、木でできた製品などを表す漢字に含まれています。
例えば木の一部分である「枝」や、木がたくさん生えている場所を表す「林」などに用いられている部首です。他に、樹木の種類である「桜」「松」などや、木で作られる「柱」「板」「棒」などにも含まれています。
さんずい
さんずいは水が流れる様子を表す偏です。「海」「河」「池」など水がたくさんある場所を表す漢字や、「流」「波」など水の動きを表す漢字など、水にまつわる意味合いを持つ漢字に含まれています。
また「にんべん」「てへん」「きへん」など他の偏のように「へん」を付けて「さんずいへん」とは呼びません。これは偏という呼び方が一般的なものになる前から、名前がついていたからと考えられています。
いとへん
いとへんは、撚りまとめられた糸の形状からできた偏です。「糸」や糸を編んで作る「縄」を表す他、織物の「綿」「絹」、染め物の色である「緑」「紅」などに含まれています。
またクラスという意味でも用いられる「組」には、もともと組紐という意味がありました。組紐とは複数の紐を交差させて組み上げていく工芸品です。
この組み上げていく様子から、組み合わせて作ることや、組み合わせて出来上がったものなども表すようになり、クラスの意味合いでも用いられています。
ごんべん
ごんべんは言葉を使った活動を意味する偏です。「話」「読」「説」「訳」「論」などに含まれています。
言葉を使った活動から転じて、道徳や言論に関係する「認」「誠」「警」「討」「謝」などにも含まれている部首です。
しんにょう
しんにょうは道を行くという意味がある繞(にょう)です。「道」はもちろん、道を行くときの行動を示す「通」「進」「運」や、道のりの様子を示す「近」「遠」などにも含まれています。
書き方は左上の点が一つと二つの二通りで、どちらを用いても同じ意味です。
部首で漢字を覚えよう

部首は214種類あるとされており、漢字のどの部分に位置するかで7種類に分類されます。それぞれの部首には意味があるため、押さえておくと漢字学習を効率的に進めやすくなりますよ。
部首を意識して、漢字を効率よく覚えましょう。
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文・構成/HugKum編集部