身体醜形障がいとは? 特徴をチェック
身体醜形障がいは、身体醜形症や醜形恐怖症、BDD(Body Dysmorphic Disorder)ともよばれている障がいです。ここでは外見を気にしすぎてしまう身体醜形障がいの特徴を解説します。
外見に欠点があると思い込む
外見を過度に気にする身体醜形障がいは、外見に大きな欠点がない場合でも発症することがあります。実際には欠点がなかったり、ごく軽い欠点しかなかったとしても、本人は「なんてひどい欠点なんだろう」と思い込んでおり、大きな苦痛を感じている状態です。
例えば、左右で少しずつ異なる二重の幅や、理想と異なる鼻の形、体毛の濃さなどを気にしすぎるケースが考えられます。実際に病気やけががきっかけで損傷が生じていることもありますが、損傷の程度よりも醜いと受け止めている状態です。
自分の見た目が気になるあまり、外出ができなくなることや、日常生活を送るために必要な活動に手がつかなくなることもあります。
発症リスクは全年齢にある

一般的に、身体醜形障がいを発症するのは、10代や20代などの若い年代が多いといわれています。自分自身の身体や心の変化、自分を取り巻く環境の変化などを感じる中で、他者の目を気にし始める年代であるためです。
「こうありたい」と思う理想の自分像と、実際の自分との間にあるギャップに耐えられないことがきっかけになると考えられています。
また同様の状況があれば、身体醜形障がいはどの年代でも発生するかもしれません。例えば30代後半の女性が子育て中の不安やイライラを感じているときに、鏡に映った自分の顔が気になり始めるケースもあります。
身体醜形障がいの症状
身体醜形障がいの症状についても見ていきましょう。自分の外見に欠点があり醜いと感じることから引き起こされる、代表的な3つの症状を紹介します。いずれも日常生活や社会生活に影響を及ぼす症状です。
対鏡症状
実際にはないか、あるとしてもごく軽微な外見の欠点を強く気にしていることから、鏡で自分の姿を長時間確認し続けてしまう対鏡症状が現れます。鏡以外にも、ショーウィンドウやペットボトルなど、自分の姿が映るものであれば何でも見続けてしまう症状です。
過度に気にしている部分がきちんと隠れていることを確認して安心したり、思うように隠れていない場合には落ち込んだりします。
反対に自分の姿が映るものを全て避けようとする行動が出ることもあります。また鏡で姿を見続ける時期、姿を一切見ないようにする時期が、交互に訪れるケースもあるそうです。

過度な身づくろい
自分が外見の欠点と感じている部分を、さまざまな方法で隠そうとする過度な身づくろいも、身体醜形障がいの症状の一つといえます。
例えば小じわが気になってしまい、何度も化粧を重ねてしまう、といったケースです。小じわが十分に目立たなくなっているにもかかわらず、なお化粧を重ね続けてしまうこともあります。
他にも、体型を過度に気にしている場合には厚着をして目立たなくすることもあります。また目元に気になる部分がある場合には、サングラスなしで外出できないということもあります。
ただし隠したからといって、欠点だと感じている部分が気にならなくなるわけではありません。中には過度な身づくろいが、美容医療や美容製品への依存につながるケースもありますが、根本的な改善にはつながりにくいようです。
人や社会との関わりが困難
「自分の外見は欠点があり醜い」という思い込みから、他人にばかにされたり、さげすまれたりしている、と感じてしまうのも身体醜形障がいの症状です。
このような考えにとらわれているため、人前に出るのを避けたり、外出をしなくなったりすることもあります。過度な身づくろいによって外出時の準備に時間がかかることや外見への不安から、遅刻や欠勤などを繰り返すこともあるでしょう。
社会的な活動が難しくなっていき、活動時間が早朝や夜間に限られてしまうことや、引きこもることもあります。
身体醜形障がいを感じたら医療機関へ相談を
身体醜形障がいとは、自分の外見を醜いと感じており、その部分を過度に気にしてしまう障がいです。長時間鏡を見続けてしまう、欠点を隠すために化粧をし続けてしまう、などの症状から、日常生活や社会生活が困難になります。
10代や20代の若い世代で発症するケースが多いといわれていますが、何歳であっても発症する可能性がある障がいです。今まで気になっていなかったにもかかわらず、「何かおかしい」と外見に欠点があるように感じ始めた場合には、できるだけ早く医療機関に相談するとよいでしょう。
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文・構成/HugKum編集部
