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これまでにない高い支持率を記録した高市新政権
2025年10月に発足した高市早苗政権は、報道各社の世論調査で軒並み70%台から80%台前半という高い支持率を記録し、大きな注目を集めています。この発足時の支持率は、石破政権や岸田政権といった近年の政権を大幅に上回っています。
さらに、長期政権だった安倍政権の発足時の支持率を上回る異例の好スタートとなっています。なぜこのような高い支持率になっているのでしょうか。
理由1:初の女性総理大臣への「期待感」
高市氏は日本の憲政史上初の女性総理大臣であり、この事実が国民に「これまでの政権とは違う、何か新鮮な変化が起きるのではないか」という強い印象を与えています。

これまで日本のトップはずっと男性でしたが、女性のリーダーが誕生したことで、女性の社会進出や子育てなど、女性にとって優しい政策が打ち出されていくことへの期待があります。男尊女卑という意識が依然として残る日本で女性リーダーが生まれたことは、国際的にも注目を集めており、日本女子がどこまでやるかという期待が聞かれます。
理由2: 生活に直結する政策が、共感を呼んでいる
高市氏が総裁選や組閣前に強く訴えてきた経済政策や安全保障への姿勢が、国民のニーズと合致していることも理由のひとつです。長引く物価高や生活の不安が広がる中、高市氏が主張する大胆な景気対策や、国民生活を支えるための減税といった政策は、「私たちの生活を良くしてくれるかもしれない」という期待を生み、幅広い層から支持を集めています。

理由3:分かりやすく力強いメッセージ
また、「力強い日本」への明確な姿勢も印象的です。国際情勢が不安定さを増す中で、外交・安全保障において日本の国益をしっかり守るという高市氏の明確で力強いメッセージが、特に若い世代や男性層の支持を大きく引きつけ、前政権末期からの支持を回復させる要因となりました。
さらに、長期にわたる自民党政権への不満が国民の中で広がる中、高市氏はその停滞した空気を変え、政治を前へ進めるリーダーとして受け止められています。そのため、「他の人を選ぶよりも、この人に現状を変えてもらいたい」という、現状打破への希望が高市氏に集まった結果が、この高い支持率につながったと言えます。確かに高市氏の発言を聞いていても、何をやろうとしているのか非常に明確に聞こえます。
期待を、信頼に変えられるかが課題
一方、発足時の高い支持率は、政権運営にとって有利なスタートですが、同時に高い期待の裏返しでもあります。過去には、高い支持率で始まった政権が、その後の政策の実現や運営のミスによって急速に支持を失い短命に終わった例もあります。
高市政権は、この国民の大きな期待に応えるためにも、物価高対策や景気回復策など、掲げた政策の具体的な成果を迅速に出し続け、国民の信頼を「一時的な期待」から「確かな信頼」へと変えていくことが、今後の最大の課題となります。
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
