【調査概要】調査期間:2025年11月5日~11月29日 回答者数:0~12歳の子どもがいる保護者 337人
目次
職場のペーパーレス化、現実は「半々」が最多
まず、職場のペーパーレス化がどの程度進んでいるのかをきいてみたところ、もっとも多く票を集めた選択肢は「半々くらい」で全体の4割弱を占めました。一方で、「完全にペーパーレス化されている」と回答した人はわずか2%にとどまる結果となっています。

多くの職場で、現在もデジタルと紙を併用しながら業務が行われている実態がうかがえました。ペーパーレス化という言葉は定着しつつあるものの、紙をまったく使わずに業務を進められている職場は、現時点ではまだ多くないようです。
なぜ「紙」がなくならない? 根強く残る業務の実態とは
では、どのような場面で紙が使われているのでしょうか。
現在業務で紙を使用している人に用途をたずねたところ、もっとも選ばれたのは「契約書・重要書類の管理」で、107人が選択しました。次いで「書類申請・承認(稟議書・申請書など)」が97人、「経理・請求・領収書関連」が92人と続いています。

上位に挙がった項目をみると、法的な証拠としての書類や、これまで続いてきた決裁資料など、業務の中でも特に重要な局面では、今も紙が重視されている様子がうかがえます。
また、自由回答では、勉強会の資料や報告書、専門性の高い医療関係の書類などでは紙を使っているという声も寄せられました。仕事の内容によって、全面的なデジタル化には慎重な姿勢が残っているようです。
文房具は現役! 200人以上が「毎日必ず使う」
デジタルデバイスが普及する中で、職場では紙や文房具は今どのくらい使われているのでしょうか。
仕事で紙や文房具を使う頻度についてたずねてみたところ、「毎日必ず使う」と回答した人が201人と、もっとも多くなりました。一方、「週に数回」と答えた人は32人、「月に数回」は5人にとどまっています。紙や文房具が日常業務の中で欠かせない存在となっている様子がうかがえます。

文房具の具体的な活用シーンは?
具体的な文房具の活用シーンについてたずねてみると、もっとも多かったのは「メモ・アイデア出し」で、167人が選択しました。また「書類整理・管理」が149人、「会議・打ち合わせ」が112人と続いています。
考えを整理したり、その場で出てきた情報を書き留めたりする場面で、紙や筆記用具が活用されている様子がうかがえます。

また、自由回答では、保育園での掲示物作成や図面のチェック、日報の記入、店頭業務など、さまざまな現場での使用例も挙げられました。
パソコンの前で作業する職種に限らず、動きながら働く場面や、相手に分かりやすく情報を伝える必要がある現場でも、文房具が使われている様子がうかがえます。
便利なはずが…デジタル化の裏側で起きている、3つの「困った」
業務の効率化を目的に進められてきたデジタル化やペーパーレス化ですが、日々の業務の中では戸惑いを感じる場面もあるようです。アンケートで多く挙がった3つのポイントをご紹介します。
デジタル環境で感じる作業のしにくさ
- ・誤字脱字のチェックは画面越しだと気づきにくい。[神奈川県/女性]
- ・机上に並べて同時に確認したい資料が、デジタルだとその都度、開いて閉じてを繰り返さなければならないことがある。[千葉県/女性]
- ・デジタルの作業だと、チェックした感覚が軽い気がします。紙に処理済みの印を押したりすることで、作業したという感覚が残るので紙のほうがいいと思うことがあります。[岐阜県/女性]
画面越しでは情報の全体像を把握しにくく、細かなミスに気づきにくいと感じている人も多いようです。また、紙に触れて確認することで得られる「作業を終えた実感」や「責任を果たした感覚」が、デジタル環境ではつかみにくいとする声も挙がりました。
データ整理の難しさ
- ・パソコンの中が整理しきれていないので、紙より探し出すのに苦労するときがある。[山梨県/男性]
- ・データ量が多くなるにつれて、どのファイルに入れたか忘れ、検索しようと思ってもファイル名が分からず見つけるのに時間がかかる。[三重県/女性]
- ・コロナ前くらいの過去のデータをさかのぼっても、見たいデータが整理されておらず検索ができない。[東京都/女性]
紙であれば、厚みや置き場所といった物理的な手がかりから、必要な資料を把握しやすい面があります。一方でデジタルデータは、「どこにでも保存できる」ことが、かえって管理の難しさにつながる場合もあるようです。フォルダ分けや命名ルールが十分に整っていないと、検索機能があっても目的の資料にたどり着きにくいと感じている人がいることがうかがえました。
ネット環境や世代によって生じるハードル
- ・不具合が発生すると、ネットにつながりにくい。[千葉県/女性]
- ・年配の従業員たちが困ることが多い。また、1人ずつパソコンがあるわけではなく業務に制限が出る。[静岡県/女性]
- ・デジタル化が進み、追いつけない人が続出で、手間と時間を費やしてしまう。[兵庫県/女性]
通信環境の不安定さに加え、社内のIT機器の不足や、世代間のデジタルスキルの差についての声も多くみられました。効率化を目的に導入した仕組みであっても、環境や使う人によっては、説明やフォローに時間を取られてしまうと感じているケースがありそうです。
世の中のデジタル化の流れをどう感じている?

最後に、社会全体のデジタル化の流れについて、どのように感じているのかをたずねてみました。アンケートでは、不安や戸惑いの声がみられる一方で、日々の生活や仕事の中で「助かっている」「便利になった」と感じている人の声も多く寄せられています。
デジタル化に「不安」を感じる人の声
- ・サイバー攻撃や災害時など、電力がない環境下では仕事がまったくできなくなる。[岐阜県/女性]
- ・紙に書くことも大切だと思う。[東京都/女性]
- ・電子媒体より、紙媒体の方が脳を刺激すると本で読んだことがある。科学的なエビデンスもあるので、なんでもかんでも電子化の流れには疑問を感じる。[鳥取県/男性]
- ・色々なところでIDやパスコードを求められ、覚えていることができない。個人情報を抜こうとする「偽のホームページ」も存在するので、デジタル化がさらに進むと、どうなってしまうのか不安。[大阪府/女性]
紙のよさを重視する声とあわせて、セキュリティ面への不安を挙げる意見も見られました。IDやパスワードの管理が負担になっている人や、デジタル環境の変化についていけるか不安を感じている人がいることが分かります。
デジタル化に「便利さ」を感じる人の声
- ・紙の節約や時短になることも多いので、どんどん進めてよいと思います。[埼玉県/女性]
- ・整理しやすくなったのはいいなと思います。[香川県/女性]
- ・非効率なことが少なくなり、よいと思う。学校の配付物も今までは紙が多く、印刷・配付する手間がかかり、インク代なども発生していた。親も、配信のほうが確実に手元に届くのでよい。[神奈川県/女性]
- ・ペーパーレス化はすごくよいです。学校のチラシ等も徐々にペーパーレス化が進んでいます。[香川県/女性]
紙の削減や時短、整理のしやすさなど、デジタル化のメリットを実感している声が多くみられました。特に、学校からの配布物など、家庭と社会をつなぐ情報がデジタルで届くことで、確実に情報を受け取れるようになったと感じている人もいるようです。デジタル化が、業務や生活をよりスムーズに進める力となっていることがうかがえます。
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今回の調査から、職場のペーパーレス化は、紙や文房具と共存しながら進められていることが見えてきました。デジタルの効率性を実感している人がいる一方で、紙ならではの見やすさや、作業を終えたというたしかな感覚、考えを整理しやすい点を、今も大切にしている人も少なくないようです。
大切なのは、それぞれの業務の目的や場面に応じて、無理のない方法を選ぶことなのかもしれません。デジタルと紙を柔軟に使い分けながら、これからの働き方を考えていきましょう。
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文・構成/牧野 未衣菜
