【防災 × 女性】生理用ナプキンは90%とほとんどの自治体で用意があるものの…おりものシート、ミニピルの活用など、女性の視点から見つめ直す非常時の備えとは?

今年のテーマは「女性の防災」

「WEHealth」は、2021年にスタートし、国際女性デーにあわせて毎年開催しているフェスティバルです。女性の健康、ウェルネス、キャリア、ライフスタイルなどをテーマに、「自分らしい選択肢」に出合い、未来を考えるきっかけを提供しています。

2026年のテーマは、「防災 × 女性のカラダとココロ」。防災を特別な出来事としてではなく、日常の延長線上にあるものとして捉え直し、非常時にも続く体や心、暮らしについて、肩の力を抜いての対話や展示が行われました。

人気コラムニストの犬山紙子さんが登壇

登壇者の犬山紙子さん、奥村奈津美さん、洲可美貴さん(右から)

メインイベントとして、犬山紙子(コラムニスト、エッセイスト)、奥村奈津美さん(防災アナウンサー)、洲可美貴さん(産婦人科医)による「その防災、本当に“わたし向け”ですか? 女性のカラダとココロから考える、防災の新しい視点」をタイトルとしたトークセッションも開催されました。

奥村さんは東日本大震災を仙台の放送局のアナウンサーとして経験、犬山さんは実家が宮城県名取市でライフラインがストップした在宅避難を体験しています。

女性目線の防災とは? フェムケア備蓄リスト

会場で配られた「WEHealth」オリジナルのフェムケア備蓄チェックリスト

まずは、防災の備蓄品を揃えるにあたって、女性にはどんなものが必要かというトピックが防災キャスターの奥村さんからあがりました。

奥村さんいわく、自治体の常備備蓄の状況のデータによると、生理用ナプキンは90%と近くとほとんどの自治体で用意がありました。そのほか、おりものシートが9.5%、サニタリーショーツは4.8%、防犯ブザー9.6%、女性用下着は13.6%とのことです。

生理用ナプキンの認知度は高いものの、おりものシートはたった1割、その他も十分といえる数字ではなく、災害時には個々で用意しなくてはならない状況がうかがえます。

被災して、何が困った?

奥村さんによると、自治体の備蓄のナプキンには種類がなく、昼用で済む人もいれば、夜用の特大サイズが必要な人もいて、一種類のナプキンではニーズには応えられないと感じたそうです。

また、赤ちゃんのオムツも新生児用やビッグサイズが不足し、困っている様子を見かけたとのこと。清潔を保つためのウェットティッシュ類もアルコール入りしかなく、肌の弱いお子さんには使いにくかった状況もあったそうです。

各自、自分に合った防災が必要と痛感したとのこと。

「フェムケア備蓄チェックシート」

会場では、具体的に何が必要かが分かる、WEHealthオリジナル「フェムケア備蓄チェックシート」が配付されました。ナプキン、吸水ショーツなど生理関連のものから、中身が見えないゴミ袋や着替えなどに使えるロングスカートなど、プライバシー保護のアイテムなど、女性に必要なものがリストにまとめられています。

どれも日常の延長でストックできるものばかりですが、うっかり防災バッグに入れるのを忘れがちなものも多いので、ぜひ備蓄を見直してもらえたらと思います。

生理がほぼ無くなる! ミニピルの活用

「ミニピル」について話す、犬山さん(右)と洲可さん

生理の問題の解決方法として、黄体ホルモン単体の「ミニピル」を使用することも話題になりました。「ミニピル」は毎日、経口摂取する必要がありますが、犬山さんは、その煩わしさがない、黄体ホルモンを子宮内で持続的に放出するT字型の避妊・治療器具(IUS)である「ミレーナ」を入れているそうです。

月経を人工的に起こさないようにするため、月経困難症(生理痛など)や子宮内膜症を改善する効果があります。個人差はありますが、ほとんど生理が無くなるため、災害時に生理の心配をすることがなくなります。

洲可先生も更年期や月経困難症の治療で、日常の延長から、災害時の生理問題を解決するために「ミニピル」の検討もぜひ、考えてほしいと話してくれました。「ミニピル」は最大、半年分処方してもらえるので、災害時も生理の関連用品が極力減らせるとのことです。

「ホルモン系の薬」というと、抵抗がある方もいるかもしれませんが、平時に産婦人科にかかり、体調を整えておくのも防災だと強く感じました。

災害時に役立つフェムケアアイテム

防災地に揃えておきたいフェムケアアイテムの展示

会場には特に女性が揃えておきたい災害時に必要なアイテムも展示されていました。避難所では、生理用品はあるのに、その他の女性に必要なものが不足している可能性があります。緊急時に困らないためにも、各個人で必要なものを揃えることができるようおすすめのアイテムをご紹介します。

おりものシートを防災リストに!

小林製薬から4月に発売予定の「布製おりものシート」

まず、ぜひ、防災バッグに入れてほしいアイテムの一つがおりものシート。生理用ナプキンの災害時の需要は一般的になりつつあるものの、おりものシートの利用はまだまだ知られていないのが現状です。生理は基本的に限られた回数ですが、おりものは毎日のことなので、生理用品と同様に役に立つアイテムです。

また、災害時には、おりものシートを使用することで下着の汚れを守れるだけでなく、膀胱炎など感染症を予防できます。例えば、小林製薬の大きめのシートの「サラサーティコットン100 ワイド&ロング 吸水プラス」は尿道口から肛門までの範囲をカバーできるので安心です。

また、肌あたりが気になる方は、4月に発売予定の「布製おりものシート」もおすすめです。ほぼ、下着のような快適さなので、下着を頻繁にかえることができない事態のときも重宝すると思います。

男性も使える

そして、重要なのは、おりものシートも生理用ナプキンも男性も使えるということです。

女性だけのものと考えられている衛生用品が男性も使えるということを認識することで、その大切さを周囲に理解してもらうことにつながると感じています。

「女性のために考えた防災 携帯レスキュートイレ」

「女性のために考えた防災 携帯レスキュートイレ」

防災グッズを準備するにあたって、何から始めてよいか分からない方におすすめなのが「女性のために考えた防災 携帯レスキュートイレ」です。「生理によりそう」をコンセプトにフェムケアブランド「ウィズムーン」やフェムテック啓発メディア「女性ホルモン大学」を運営する「株式会社あしたるんるんラボ」による監修です。

「女性ホルモン大学」では、動画やライブ配信を通じて「女性におすすめの防災備蓄品」などを発信しており、多くの反響があり、そうした声を受けて、災害時に女性が直面しやすい“トイレに行けない不安”を解消するために誕生しました。

<内容>
・トイレ3回分 (吸水シートセット済み)
・ポンチョ1枚
・サニタリーバッグ 生理用ナプキンを交換したときに入れられるA4サイズ密閉袋 1枚
・ティッシュ 3個
・持ち帰り用袋 3枚
・外装袋は、他にも必要なものを一緒に入れておけるジッパーポーチを採用
・防災バッグ持ち物チェックリスト付き

安定して設置できる自立タイプの携帯トイレ3点に加え、周囲の目から守るプライバシー保護ポンチョ、さらに中身が見えず臭いも漏らさない密閉&防臭仕様のサニタリーバッグを付属。さらに、日頃から生理の情報を発信する「女性ホルモン大学」が作成、見逃しがちな防災準備品をピックアップしたチェックリストも掲載。災害時の備えとしてはもちろん、渋滞・フェス・アウトドアなど日常の「もしも」にも役立つアイテムです。

開発者いわく、「性差を考慮した防災対策はまだ十分とはいえませんが、この取り組みが災害への備えを考えるきっかけになればうれしいです」とのことです。

あると安心なフェムケア製品

防災グッズとしてもおすすめのフェムケア製品

そのほか、経血・おりもの用の洗剤やデリケートゾーンの洗浄液、化粧水など、あれば安心なフェムケア製品も並んでいました。どれもコンパクトなサイズなので、普段から洗面所などに余分に用意して、いざというときに持ち出せるよう準備しておくとよいと感じました。

自分を後回しにしがちな優しいあなたへ

災害時の心のあり方を想像できる不安や恐怖を文字にして視覚化したコーナー

誰かをいつも気にかけている多くの女性に伝えたいこと。どうかご自分を大切にしてください。災害という緊急時は女性であることは、どうしても我慢を強いられてしまいます。日常的に備えておけるフェムケア商品はそんな辛い日々の支えとなるでしょう。

また、災害時に大切なのは我慢ではなく、必要なときに助けを求めることができる「受援力(援助を受ける力)」です。こんなことで不満をいってはいけない、もっと辛い人がいると我慢をし続け、取り返しのつかないことになってからでは遅いのです。

それには、普段から専門家の助けを借り、健康管理をしっかりし、日用品や普段使っているサービスを災害時に活かせるフェーズフリーを意識し、ローリングストックを心がける、日常の備えが大切です。

防災というとハードルが高い気がしますが、身近なところから始めることができます。この機会に、まずは台所のストックや防災バッグを見直してみてくださいね。

取材・文/Rina Ota

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