【ゴールデンウィークの由来】いつから始まった? 歴史や祝日の意味についてもチェックしよう

ゴールデンウィークを待ち遠しく思う一方で、いつどのようにして始まったのか、気になる人もいるのではないでしょうか。名称の由来や歴史、それぞれの祝日の意味などもチェックして、ゴールデンウィークへの理解を深めましょう。

ゴールデンウィークの由来

ゴールデンウィークは、なぜそのように呼ばれるようになったのでしょうか。名前の由来について、有力とされている説を見ていきましょう。

映画の大ヒットがきっかけ説

ゴールデンウィークが映画業界で生まれた造語だった、とする説は有名です。1951年に上映された映画『自由学校』が、5月初旬の連休にヒットしたことがきっかけといわれています。

当時は正月やお盆に映画を見る人を当て込んで、映画作りをすることが一般的でしたが、前述の映画は正月やお盆よりも客入りがよかったのです。

そこで味を占めた映画業界が、5月の映画の興行成績を伸ばそうと画策し、ゴールデンウィークを宣伝文句として使い始めたとされます。

『自由学校』の原作は、1950年に朝日新聞で連載された獅子文六による小説。画像は映画(松竹版)のスチール写真より、佐分利信と高峰三枝子 Wikimedia Commons(PD)

ラジオのゴールデンタイム説

「ゴールデンタイム」とは、ラジオやテレビ放送などで聴取率や視聴率が最も高い時間帯を指す言葉です。ラジオの聴取率が高くなる連休は、放送業界で「黄金週間」と呼ばれたことが由来とする説もあります。

黄金週間を英語にし、カタカナに変えたところ、言葉のインパクトが大きかったためか一般市民への認知度が高くなり、広まったとされています。

ゴールデンウィークという言葉が生まれた当時は、ラジオを娯楽として楽しむ人が多くいました。普段は忙しい人も休暇中はラジオを聴けたので、聴取率が高くなったのです。

その他の説

ゴールデンウィークには、昔のアメリカで4月下旬から5月上旬ごろに、金鉱探しに行く人が多かったことが由来とする説もあります。

ロッキー山脈が雪解けする時期に山に入って砂金を探す人が多く、店を閉めて出かける人もいたため、その期間をゴールデンウィークと呼ぶようになったそうです。

また、マルコ・ポーロが5月に日本を訪れ、後に「東方見聞録」を書いたことが関係するという説も知られています。マルコ・ポーロは著書の中で、日本を「黄金の国」として紹介しました。それがきっかけで、ゴールデンウィークという言葉ができたと考える人もいます。

ゴールデンウィークの歴史

ゴールデンウィークはいつごろ始まったのか、疑問に思う人もいるでしょう。ゴールデンウィークの歴史を紹介します。

1948年に施行された法律が始まり

1948年に「国民の祝日に関する法律」が施行され、ゴールデンウィークが始まりました。

この法律が施行された目的は豊かな社会を築き上げることで、国民の記念すべき日として「元旦」や「成人の日」など、年間に16日が国民の祝日に制定されています。

16日のうち4日が、4月下旬から5月上旬に集中したため、現在のような大型連休になりました。また、国民の祝日と日曜日が重なった場合は、その日に最も近い平日が振替休日になる決まりです。

出典:国民の祝日について – 内閣府

ゴールデンウィークの時期

ゴールデンウィークは年によって日数が違うため、いつからいつまでが休みなのか分からなくなりがちです。海外にもゴールデンウィークのようなものがあるのか、気になる人もいるでしょう。ゴールデンウィークの時期について、詳しく解説します。

4月末から5月初めまで

ゴールデンウィークは、国民の祝日が連続する4月末から5月初めまでの大型連休を指します。毎年微妙に日数が異なるのは、祝日が日曜日に該当した場合は振替休日が発生するためです。例えば2024年は、5月5日のこどもの日が日曜日と重なるので、6日が振替休日となり4連休になります。

また、9月の敬老の日から秋分の日辺りの連休は「シルバーウィーク」と呼ばれていますが、長期連休になることが少ないせいかゴールデンウィークほど定着していません。

ただ、前日と翌日が国民の祝日となった日は休日になる決まりがあります。暦によっては敬老の日と秋分の日の間の平日が休日になることがあるため、長期連休となる可能性があります。

該当する祝日

ゴールデンウィーク期間に該当する祝日は、昭和の日(4月29日)・憲法記念日(5月3日)・みどりの日(5月4日)・こどもの日(5月5日)の4日です。

昭和の日は激動の昭和を振り返り、国家の未来に思いを馳せる日となっています。元々は昭和の天皇誕生日でしたが、昭和天皇の崩御とともに「みどりの日」に名称が変更され、さらに2007年からは「昭和の日」となりました。

憲法記念日は、日本国憲法の施行を記念する日として知られています。みどりの日は元々は4月29日でしたが、その日が昭和の日に名称変更されたのと同時に5月4日に変更になりました。緑や自然を楽しめるイベントが開催されるので、公園や森林などに出かけてみるとよいでしょう。

こどもの日はこどもの人格を尊重し、母に感謝する日です。また国では、5月5日から1週間を児童福祉週間と定め、子どもの健やかな成長を国民全体が考える期間としています。

▼関連記事はこちら

「昭和の日」とは?明治・大正・平成の日がないのはなぜ?「みどりの日」との関係も解説
「昭和の日」とは 「昭和の日」は内閣府が定めた国民の祝日のひとつで、その説明については「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国...
「憲法記念日」とは?意味や由来は?子ども向けのわかりやすい説明方法も
憲法記念日はいつ? 「憲法記念日」は、5月にある祝日のひとつ。ゴールデンウィークにはたくさんの祝日が続くため、その存在が薄れがちかもしれま...
「みどりの日」は、どんな祝日?意味や由来、昭和の日との違いを解説!
2024年の「みどりの日」はいつ? みどりの日がどんな祝日なのかを知る前に、まずは「みどりの日」がいつか確認してみましょう。 「みどりの...

海外にもある?

ゴールデンウィークは日本独自の習慣です。中国には「黄金周」という連休があり、創設された当時は1週間ほどの連休でした。ただし紆余曲折あり、現在は3日間となっています。

中国で大型連休として知られているのは、新年を祝う「春節」や、建国記念日を祝う「国慶節」などです。どちらも、国を挙げて盛大に祝われています。

韓国では祝日が少なく、大型連休になるのは旧正月の時期だけです。アメリカは日本に比べて祝日は少なく、州によっても異なりますが、長い休みは個人が好きな時期に取れる傾向があります。

出典:
国民の祝日について – 内閣府
児童福祉週間について|厚生労働省

意外に知らないゴールデンウィークの由来

ゴールデンウィークは、国民の豊かな生活のために1948年から施行された法律によって、4月下旬から5月上旬の時期に国民の祝日が重なったことが始まりです。名前の由来は諸説あり、どれが正しいとは言いきれません。

仕事の都合などで休めない人もいるかもしれませんが、休める場合は家族と過ごす時間やリフレッシュに利用するとよいでしょう。ゴールデンウィークに出かける予定がない人や、どのように過ごしたらよいか迷っている人は、それぞれの祝日にちなんだ過ごし方をしてみるとよいかもしれません。

こちらの記事もおすすめ

【GW情報】ゴールデンウィークに子連れで行ける穴場スポット・遊び場のおすすめ40選
ゴールデンウィークに比較的空いている遊び場はある? 大型連休はできれば混雑を避けて楽しみたいですよね。今回は、ママ・パパのアンケートをもと...

構成・文/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事