「憲法記念日」とは?意味や由来は?子ども向けのわかりやすい説明方法も

毎年5月のゴールデンウィークにある祝日「憲法記念日」。この憲法記念日の日付はいつで、どんなことをする日なのか、意味や由来、歴史について紐解いてみましょう。また、「憲法記念日」を子どもたちにわかりやすく説明する方法もご紹介します。親子でのコミュニケーションのひとつとして、ぜひ憲法記念日について考えてみましょう。

憲法記念日はいつ?

「憲法記念日」は、5月にある祝日のひとつ。ゴールデンウィークにはたくさんの祝日が続くため、その存在が薄れがちかもしれませんが、憲法記念日の日付はいつで、どんなことをする日なのか、ここで改めて確認してみましょう。

憲法記念日は5月3日

「憲法記念日」の祝日は、毎年5月3日と定められています。ですので、2024年の憲法記念日も、2025年の憲法記念日も5月3日が該当します。ちなみに2024年の5月3日は金曜日です。

憲法記念日は何をするの?行事は?

では5月3日の「憲法記念日」は、どんなことをして過ごす日なのでしょうか?  例えば5月5日の「こどもの日」は「端午の節句」とも呼ばれ、鯉のぼりや鎧、兜、五月人形を飾ったり柏餅を食べたりして、子どもの健やかな成長を願う風習があります。一方「憲法記念日」には、特別に行う行事や習わしはあまりありません。

ただ「憲法記念日」にちなんで、法務省では5月1日から7日までの1週間を「憲法週間」として、憲法の意義や理解を促す活動などを行っています。

海外に目を向けてみると、たとえばノルウェーの憲法記念日である5月17日にはにぎやかなパレードが行われて、人々は朝からシャンパンを飲んでホームパーティを開き、国民総出で華やかにお祝いするそう。そのほかデンマークやタイなど、日本と同じように憲法記念日を制定している国も多くあります。

憲法記念日の意味

では「憲法記念日」が祝日として作られたのには、どんな意味があるのでしょうか?「国民の祝日に関する法律」で定められている「憲法記念日」の趣旨には、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」と記載されています。

憲法記念日は「日本国憲法が施行された日」

第二次世界大戦という激動の歴史を経て、日本は平和な国として発展してきました。その戦後に新しく制定されたのが、日本国憲法です。この日本国憲法は1947年(昭和22年)5月3日から施行されました。つまり5月3日の「憲法記念日」は、現在の日本国憲法が施行された日を祝って定められているのです。

日本国憲法の三大原則

現在の日本国憲法といえば、忘れてはならないのが次の三大原則です。

国民主権

それまでの「大日本帝国憲法」では、天皇が最高の地位にあり国を治めることができる「天皇主権」でした。しかし、政治のあり方やそれを実行する権力は国民にあるという「国民主権」に大きく変わったのです。天皇制から国民主権となったのは、戦後の日本にとって大きな変換点となりました。

基本的人権の象徴

基本的人権とは、人間が生まれながらにして持っている権利のこと。日本国民は誰もが平等に、人間らしく生きる権利があり、それを永久に保障するという考え方です。

平和主義

戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めるのが、日本国憲法第9条。第二次世界大戦で原爆投下など甚大な被害を受けた日本では、外国との争いが起きても戦争は行わず平和的に解決するという考えが生まれ、戦争放棄を憲法で宣言したのです。ただ最近の国際情勢を受けて、この憲法第9条の改正案について度々議論が行われています。

憲法記念日を子どもに説明すると?

では「憲法記念日」がどんな日か、子どもに説明するときは、どんな風に話せばよいでしょうか? 幼い子どもには「憲法」といっても難しくて理解できないかもしれません。「憲法」は「みんなが日本で幸せに暮らしていくための約束」と言うと良いでしょう。さらにその約束ごとの3つの内容についても、ぜひ簡単に伝えてみましょう。

  1. 日本の約束ごとはみんなで決めようという約束
  2. 誰でもみんな生まれたときから、自分らしく生きていいという約束
  3. みんなが平和に暮らせるように、戦争はしないという約束

そして、「憲法記念日は、みんなが幸せに暮らしていくための約束について、確認する日だよ」と話してみましょう。

日本の憲法記念日の由来

もともと「憲法記念日」ができるまでには、どんな経緯があったのでしょうか?  現在の日本国憲法は1946年(昭和21年)11月3日に交付され、1947年(昭和22年)5月3日から施行されました。「憲法記念日」が日本国憲法の施行日にあたることは先程もご説明しましたが、なぜ交付された日が「憲法記念日」にはならなかったのでしょうか?

11月3日の文化の日との関係

もともと日本国憲法が公布された11月3日は明治天皇の誕生日で、明治天皇が崩御された後は「明治節」という名前の祝日として残されていました。しかし戦後、天皇と国民の繋がりを希薄にさせようとするGHQの意向で「明治節」が廃止された経緯があります。そのため憲法記念日についても、憲法の交付日であった11月3日にするという案をGHQが強く反対したそう。その結果、憲法が施行された日である5月3日を「憲法記念日」の祝日にすることが決まったのです。

建国記念の日と憲法記念日の違い

憲法記念日と似たような祝日に「建国記念の日」があります。2月11日の「建国記念の日」はもともと、日本の初代天皇である神武天皇が即位した日。明治時代は「紀元節」と呼ばれ、様々な祭事が行われていたのですが、これも「明治節」と同じように、GHQの意向で廃止されました。

しかし日本人の多くが希望していることがわかり、1967年から2月11日が「建国記念の日」の祝日として定められるようになったのです。この2月11日は「日本が建国された日」というより、「日本が建国されたことをお祝いする日」という意味があてはまります。

つまり、2月11日の「建国記念の日」は日本が建国されたことを祝い、5月3日の「憲法記念日」は日本国憲法が施行されたことを記念する、という違いがあるのです。

「建国記念の日」がどんな日なのか、また子どもにどんな風に説明したら良いかは、こちらの記事を参考にしてみてください。

憲法記念日には、日本の歴史や平和のことにも目を向けてみよう

「憲法記念日」といっても、普段はゴールデンウィークの一祝日として、何気なく終わってしまう日になるかもしれません。子どもがいる家庭なら、憲法記念日をきっかけに戦争があったことなど、日本の歴史について話してみてはいかがでしょうか。

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文・構成/HugKum編集部

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