Instagramの『ティーンアカウント』って? 10代のSNS利用を禁止した国から学ぶ、10代の安全なSNS利用のために保護者ができることとは

総務省が推進する官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の一環として、10代の安全なSNS利用について考えるラウンドテーブルが、InstagramやFacebookでお馴染みのMeta社で開催されました。国内外の専門家による、10代が安全にSNSを利用するためのヒントや、Meta社が提供する保護者向けの啓発キャンペーンについても詳しくご紹介していきたいと思います。

16歳未満のSNS利用を法律で禁止した、オーストラリア

2025年12月、16歳未満のSNS利用を禁止する法律を施行したことで世界的に注目されている国が“オーストラリア”です。このたび、オーストラリアで青少年向けオンライン安全・いじめ防止教育団体「PROJECT ROCKIT」の共同創設者兼CEOとして活動するルーシー・トーマス氏が来日。千葉大学 教育学部の藤川大祐教授と共に「子どもの安全なSNS利用のためにできること」をテーマにしたパネルディスカッションに登壇しました。

左から:ルーシー・トーマス氏、藤川教授、Meta公共政策部ポリシープログラム担当 栗原氏

禁止するよりも、どう使えばいいのかを学ばせたい

トーマス氏はオーストラリアの現状について、「オンライン空間は若者にとってより安全であるべきだという点では、誰もが共通の認識を持っています。一方で、SNSやオンラインの安全をめぐる議論は二極化しており、保護者は子どもたちのSNS利用に不安を抱き、子どもたちは自分の意見が十分に聞き入れられないことに不満を感じるなど、意見の違いが生じています」と説明。

また、安全なオンライン環境の実現にはどのようなアプローチが有効だと考えているのかという質問に対しては、

「一律の規制を解決策として捉えてしまうと、若者が実際にオンライン空間とどのように関わっているのかという複雑な実態を見落としてしまう可能性があります。単に規制するだけでは若者が社会に参加し、学び、デジタル社会を生きていくために必要なスキルを身につける機会を意図せず奪ってしまうことにもつながりかねません。そのため、より安全な利用の道筋を整えることも重要です。

例えば、ティーンアカウントのように安全設定をデフォルトで導入したり、保護者とのオープンな対話を通じて、若者が見守られた環境の中で必要なスキルを身につけていける機会を提供したりすることが大切です」

と述べました。

トーマス氏「一方的に禁止しても、子どもたちの学ぶ機会を奪ってしまうだけです」

子どもたちが安全に利用するための環境整備を!

藤川教授は子どもの安全なSNS利用について、「青少年インターネット環境整備法の取り組みに加えて、子どもの意見をどういうふうに反映していくのかということも考えていかなければいけません。いずれにしても子どもたちの権利が守られるような環境整備をしていくことが重要だと思います。青少年が安全に使えるインターネット環境を作っていくためには、子どもたちが学んで知識を身につけていくことと同時に、事業者側に安全に使える子どもたち向けの環境を作っていただくことも重要です」と述べました。

藤川教授「子どもたちが安全に使える環境を整えていく方が大切です」

より安全に利用できる『ティーンアカウント』のアップデートを発表!

Meta社から保護者の見守りのもとで10代の利用者が安全な体験を得られるよう、Instagramをはじめ、Facebook、Messengerで『ティーンアカウント』をより強化したことを発表。

『ティーンアカウント』の対象となるのは、13歳から17歳の利用者のアカウント。『ティーンアカウント』では、デフォルトで制限がかけられており、投稿する内容は全て非公開、リクエストは都度承認制、DMはフォロワー以外からは受け取れない、不適切なコンテンツは表示しない、利用時間が1時間を超えるとリマインダーが表示されるなど、安全のためのさまざまな設定が自動的に適用する仕組み。

13〜15歳は基本的に自分では設定を緩和することができない仕組みで、使用時間の制限なども保護者が管理できるそうです。

保護者向け啓発キャンペーン「知ってる? インスタのティーンアカウント」を実施中!

一般的に、春休みなどの長期休暇やその前後は、スマートフォンやオンラインサービスに関連するトラブルが増える時期と言われています。また、進学・新入学の季節は初めて自分のスマホを手にする子どもも多く、保護者にとっても安全なSNS利用への関心が高まります。

そんな時期に合わせて、Instagramの『ティーンアカウント』の仕組みを分かりやすく紹介する動画が誕生! オンライン上のキャンペーンとして配信されています。

総務省が推進する官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の一環

なお、今回のキャンペーンとイベントは、こども家庭庁が実施する「令和8年 春のあんしんネット・新学期一斉行動」に合わせて実施され、総務省が推進する官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の一環として展開。

Meta社は「保護者が多忙な中でも子どものオンライン体験を見守り、安心を得るために役立つツールを提供したいと考えています。同時に、10代の利用者には、友人とつながったり新しい興味関心を発見したりすることができるポジティブかつ安全なオンライン環境を提供していくことを目指しています」とのこと。

確かにSNSはトラブルが心配ですが、使っていない人の方が少ないくらい普及しているコンテンツでもありますよね。「ティーンアカウント」であれば、インターネットやSNSに詳しくなく、Instagramを普段使っていない保護者でも、お子さんのアカウントを管理しながら見守ることが可能です。

全く使わせずに禁止するよりも、「ティーンアカウント」などを利用し、一緒に考えながら使ってみるという方法も検討してみてはいかがでしょうか。

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文・構成/鬼石有紀

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