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子どもと動画コンテンツとの付き合い方の正解は?
Q:子どもがYouTubeなどの動画コンテンツが好きすぎて、毎日動画を観たがります。親として注意すべき点を教えてください。
保護者が質の良いコンテンツを推奨することが重要です。
子どもがどんな動画を観ているかを完全に把握するのは難しいと思いますが、保護者が「この動画は面白いよ」とおすすめしてみたり、リビングのテレビなどに動画を映してみんなで一緒に観る機会を作ったりすることも一つの手段です。こうすることで、子どもが視聴するコンテンツの質をある程度管理し、良いコンテンツに触れるきっかけにすることができます。
また、星の数ほどある動画の情報は、時に誤った情報も含まれているため、すべての情報を鵜呑みにせず、親子で対話することが必要です。 保護者は子どもが観ている内容に関心を持ち、「この情報は本当かな?」と対話を通じて情報の真偽を判断する力を養う手助けをしてあげてください。
一方で、動画コンテンツは専門家が配信する質の高いものも含まれています。「図書館」のような有益な情報源でもあります。 家庭ではなかなか体験できないことを視覚的に学べるため、子どもの好奇心を刺激する上で非常に有効なツールであることも間違いありません。そういう優良な動画コンテンツや配信者さんを探し、たくさん出合わせてあげてください。
僕はサイエンスライブを全国各地でやってるんですけど、結構お父さんお母さんがハマって、子どもに見せたら子どももハマって科学好きになったという方も多いんです。親子で一緒に観て、子どもに興味を抱かせるっていう流れは、将来の子どもたちのためにすごくいいことだなと思っています。一緒の趣味があると会話も弾みますよね!

それから、子どもは特定のジャンルに偏った動画ばかりを視聴しがちです。保護者が子どもが普段観ていないような分野の面白いコンテンツを紹介し、良質なクリエイターに出会わせることで、子どもの視野と可能性を広げる働きかけになると思いますので、ぜひいろいろなジャンルの動画を一緒に観てみましょう。
身近な話題やトレンドを意識して“なぜ?”を引き出そう
Q:元気先生の動画は、どのようなことに注意して制作されているのでしょうか?
僕のYouTubeでは、単に知識を伝えるだけでなく、情報が正しいかどうかを判断する力や科学的な思考プロセスを体験できるような構成を重視しています。
また、撮影時に理科の探究を加速させるようなミッションを台本に盛り込み、子どもたちが自分で考えられるように工夫しています。現状は、「なぜだろう」と問いかけて答えを出す構成が基本ですが、今後は子どもたちが自分で考えるための余白をより多く設けることを目指していきたいと考えています。
子どもは大人よりも「なぜ?」と思うチャンスが多くあると思います。僕はそこに注目して、新しいコンテンツを企画しています。
例えば、最近は線状降水帯が発生しやすく、水害が拡大しています。そういうニュースが報道されれば、「線状降水帯って何?」「なぜ線状降水帯ができるの?」とたくさんの疑問が湧いてくると思います。そして、それを実際に再現してみる。
子どもたちにとって身近な話題やトレンドを意識してコンテンツを制作することで、科学への興味が湧き、面白さが伝わるのではないかと思っています。
元気先生のおすすめ動画
子どもたちは、実験動画を観ただけで満足するとは限りません。僕は、家庭ではできない実験もしていますが、今すぐ真似できる実験もたくさん紹介しています。そういう動画を観ると、「おうちでできるならば自分もやってみたい!」と好奇心をかき立てるきっかけになるんです。ぜひ家庭で再現できる実験の動画で、お子さんの好奇心を高めてあげてください。
自由研究は夏という季節にとらわれず。最初から一つに決めずに複数実験からチョイス!
Q:毎年、夏休みの自由研究の宿題に悩まされています。スムーズに進める方法はありますか?
僕は、日頃からたくさんの簡単な実験をやってみることをおすすめしています。いくつか実験を繰り返していると、「これについてもっとやってみたい」「ここはなぜこうなるのだろう」と、もっと深掘りしたいテーマがお子さんの中に出てきます。それを探求して自由研究のテーマにするといいですよ。
夏休みに入ってから、あれこれテーマを探していると、そもそもテーマを決めるのにも時間がかかってしまいますし、どうしても一つのテーマで深掘ることが難しくなってしまいます。夏という季節にとらわれずに、楽しく簡単な実験に日頃からチャレンジしてみてください。

僕は、いろいろなテーマの実験がおうちで楽しめる実験キットを開発しています。毎月、安全で本格的なキットが自宅に届き、動画の解説もしていますので、興味のある方はチェックしてみてください。
子どもを肯定的に育てると好奇心はぐんぐん育ちます!
Q:元気先生の好奇心の源は? 子どもの好奇心を育むポイントを教えてください。
僕は幼少期に母がやりたいことをなんでもやらせてくれました。否定されずに育ったと表現すると語弊があるかもしれませんが、僕が「やってみたい」と言ったことはできる限りやらせてくれました。そして、どんな結果であれ、ほめてくれました。そういう環境が、「なんでもできる」という自信と、いろいろなことにチャレンジする好奇心を育ててくれたと思っています。
自分自身も、わが子に対しては興味を持ったことは否定せずに、挑戦できる環境を整えています。それが好奇心を育てる最も重要なことだと思っています。
そして、子どもが興味を持ったことや、「なぜ?」と思うことがあったら、その疑問をはぐらかさないようにしてください。その瞬間にできなくても、保護者が一緒に考えて、深く調べて考える時間を持つことが、興味を深掘る探究心につながります。
また、僕の経験上、やらなくて後悔することはあっても、やって後悔することはありませんでした。
僕は、中学3年生のときの最後のテニスの県大会で、顧問の先生から「元気、(試合に)出るか?」と聞かれたんです。でも、負けそうだったし、すごいプレッシャーがあってみんなに迷惑をかけると申し訳ないと思って断ってしまった…そしたら、もう二度と声はかけてもらえなかったんです。そういう経験から、チャンスが来たら自信がなくても「とりあえずやってみる」ことが大切だと学びました。
何でもそうですが、やり続けることで自信が後からついてくるんですよね。自信がなくてなかなかチャレンジできないお子さんには、「最初から自信があることなんてないからやってみよう」と声をかけてあげてください。

無駄な経験なんてありません! 子ども自身が考えて選ぶ経験を
僕が子どもの頃、学校から帰るとすぐに野山へ行き、昆虫などの生き物を探したり川や池で釣りなどをしたりして過ごしていました。小学6年生の頃からは「役者になりたい」と言って、東京のプロダクションに通ったり、オーディションに応募したり。そして、中学では美術部の副部長とテニス部の部長を兼任。絵を描くと母がすごくほめてくれたので、「自分は絵がうまいんだ」と勘違いして「イラストレーターという仕事もいいな」と思っていた時期もありました。
役者をしている時期も、アニメが好きでアニメばかり観ている時期も、「先生になりたい」と思って教師になる大学へ進学したことも、今は全部つながりYouTubeで先生を演じていることにつながっています。
一見バラバラな挑戦も、点と点がつながり円になります。それが、将来的にその人独自の魅力や力になるので、無駄な経験というのは何一つありません。こういう経験の積み重ねが個性になるんです。
そして、興味のあるものに挑戦する経験がたくさんあれば、やり続ければ後から結果がついてくるという思考が生まれます。自分にできないことがあっても、「同じ人間なんだからできないことはないだろう」と考えて努力することもできるようになります。
また、近年はAIが身近なものになり、判断をAIに委ねてしまう恐れもあります。だからこそ、保護者も子どもたちも、自分のことは自分で考えて選ぶことを大切にしてほしいと思っています。もちろん、AIに相談することも悪いことではありません。でも、最終的に決めるのは自分自身。子どものうちから自分で決める経験をたくさんさせてあげてください。そして、「AIは信じない」「自分のことはAIには決めさせない」ということを徹底してほしいと思います。
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お話を伺ったのは
東京学芸大学初等教育教員養成課程理科選修を卒業。2019 年にサイエンス(科学)を使った様々な取り組みを行う会社として 「株式会社GENKI LABO」設立。
YouTubeやテレビ、サイエンスライブを通して、実験の楽しさを子どもたちに届ける科学チーム。YouTube チャンネル 「GENKI LABO」は、日常に潜む科学の魅力をわかりやすく楽しく解説し、子供から大人まで楽しく科学を学べるチャンネルに成長。創立5年でチャンネル登録者数は100万人を突破した。
昨年はクラウドファンディングで1,500万円を集め、新たな実験ラボを設立。「科学の力で日本の未来を元気に」を目指して活動中!
この記事を書いたのは
教育学部を卒業し、幼稚園・小学校教諭免許を取得するも、教師は母の希望だったため教師にはならず。自分自身の経験から、子どもは矯正せずにありのまま育てるのが一番だと思っている。勉強は嫌いだけと、学ぶことは楽しいと大人になって気づく。趣味は腸活と音楽を聴くこと。最近は子どもの影響で城・神社、世界遺産巡りにハマっている。