友達とおもちゃの取り合いで、手を出す1歳の息子。叱ってしまう自分にも嫌気がさして…【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

友達とおもちゃの取り合いになると手を出す息子。ほかの友達と遊ばせる自信がなくなってしまい…

友だちと遊んでいたら、おもちゃの取り合いに! 相手の子をプラスチック製のおもちゃで叩き、額に傷をつけてしまいました。これまでもおもちゃで叩くことはありましたが、ケガをさせてしまったのは初めてで…。本当にショックで、きつく叱りました。

しかし、その後もおもちゃの取り合いになると、おもちゃで叩こうとするのです。私自身、ほかのことに気をとられて、息子をよく見ていなかったことなどは反省しています。また、1歳児に対して感情的に叱った自分にも腹が立つのですが、その怒りの矛先を思わず息子にぶつけてしまうんです。今日は、息子の前で泣いてしまいました。

正直、ほかの友だちと遊ばせる自信がありません。のびのびとは遊ばせたいのですが、ほかの親御さんの目が気になります。このままでは、わが子を否定的に捉えてしまいそうです。(1歳の男の子のママ)

 

まだ1歳。大事なのは友達関係ではなく、親子関係です。穏やかに過ごせることを大切に

可愛いいはずなのに、トラブルを起こすと「どうして、あんたは!」と思いますよね。

1歳台は、言葉でのやりとりが十分にできないため、おもちゃを手に持っていると、どうしてもおもちゃで叩いて感情を表現しようとします。これは子どもにとっては自然なことですが、ケガにもつながり困っちゃいますね。

叩こうとしていたら、すぐにおもちゃを取り上げるという余裕があればいいのですが…。お母さん自身、心に余裕がないときは、公園などに行く時間をずらして、みんながいないときに行くのも一つだろうと思います。また違う公園などに行って、同じようなタイプの子を探したり、たくましい子が集う子育てサークルなどに入ったりするのもいいでしょう。

あなたの子は特別ではなく自我が強く、思いをストレートに出せるいい子です! そして、そういう子はたくさんいます。外に行くのが嫌なときは、家にこもっていてもいいですよ。お互いにビクビクするより、穏やかに家で過ごしていた方が親も子もいいですからね。

まだ1歳です。大事なのは友だち関係ではなく、親子関係です。くれぐれも無理せずに。「やれやれ…」と可愛い寝顔を見ると、気持ちが切り替わるのではないでしょうか。

 

 

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。


イラスト/海谷泰水

編集部おすすめ

関連記事