こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食の時間になり気合いを入れてスプーンにのせた離乳食を「あ~ん」と赤ちゃんの口の前に持っていったけれど口を開けてくれない。。。。離乳食期のどの時期にも赤ちゃんが口を開けてくれない悩みがあります。こんな時はどうすればいいのか?月齢別に考えられる理由と対処方法をお話します。
離乳食のとき赤ちゃんが口を開けてくれないのはなぜ?
離乳食の時に赤ちゃんが口を開けてくれない理由は個人個人によっても月齢によっていろいろあります。いろいろある中で多くある理由と対処方法は以下です。離乳食の期別に紹介します。
初期に考えられる理由
離乳食を受け入れる口の発達になっていない
対処法
赤ちゃんは、産まれもって吸う能力があります。大人が教えなくても母乳やミルクを水から吸うようになりますね。これは吸う能力の「吸てつ反射」があるからです。その反対で吸えないものが口に入ると押し出す「押し出し反射」もあります。舌に異物がのると舌をベロベロして出すのです。「押し出し反射」は4カ月ごろから徐々に消滅していくのですが、5カ月になってもまだ残っている子もいます。このような時は3日~1週間、離乳食を中断してから再スタートします。
中期に考えられる理由
食べ物の大きさが急に大きくなってビックリした
対処法
離乳食初期の裏ごしから、離乳食中期はみじん切りに変わります。裏ごしとみじん切りを並べてみます。まず、その形状に違いを感じます。そして食べ比べてみましょう。裏ごし食べてみじん切り食べたら、その食感に違いにビックリすることでしょう。これまで液体に近い裏ごしのトロトロだった離乳食が急につぶつぶのみじん切りになったことで、赤ちゃんが戸惑うのは当然のこと。そんな時は、みじん切りから裏ごしに再度戻してみましょう。そこで食べたら、次にすることは裏ごし+みじん切り(少量)を混ぜ合わせること。徐々につぶつぶの量を増やして最終的にみじん切りだけにするのです。
後期に考えられる理由
発達してきた証
対処法
離乳食後期ごろになると食べムラが多く現れるようになります。これまで食べていた食材もプイっと横を向いて食べてくれない。「どうして?」と悲しくなってしまいます。好きな食べ物、苦手な食べ物が分かることって脳が発達している証。食べ物を自分で選んでいるのですから!とはいえ、食べてほしいですので親ができること言えば、生活リズムを整えること。朝起きる時間を決めて起こします。散歩に出かけてエネルギーを使います。昼寝は赤ちゃんに任せず寝かしつけをします。生活リズムが整うとお腹がすくリズムも自然と整ってきます。
スプーンを変えてみるのは効果的?
離乳食初期の赤ちゃんが食べないというお悩みがあったら「スプーンを変えるのも一つの方法です」とお話することがあります。シリコン製のスプーンを使っているのなら、木製のスプーンに変えると食べ始めた!という事例は数多くあります。そこで、保育所の同じ悩みを持ったママにも「木製のスプーンにしてみては?」と提案すると翌日のママの報告は「先生、うちの子はステンレス製のティースプーンがお好みでした」とのこと。赤ちゃんによって好きな肌触りが違うんだと、改めて学んだエピソードです。
口が小さくて、大きく開けてくれない場合は?
赤ちゃんの口が元々小さくて開けてくれない場合は、口の中に離乳食を入れるのも一苦労です。口の小さな赤ちゃんには、スプーンの先に小さく離乳食を盛って少しずつ与えることからスタートです。時間はかかりますがゆっくりゆっくり与えて、無理強いしないことです。
口には入れるけど、口を閉じてくれない場合は?
口に入れるけど、口を閉じてくれない。モグモグする様子も見られない場合もあります。そんな時は、目の前でママも口を動かして「モグモグするよ」と見本を見せましょう。一口量が多くないかも確認しましょう。口いっぱいに食べ物が入ると、モグモグしにくいモノです。
また、赤ちゃんにとって離乳食が進みすぎている可能性もあります。離乳食初期の液体に近いトロトロ状態はゴックンと飲み込めていますか?再度、裏ごしのトロトロ状態に戻して再スタートすることも検討してみましょう。
赤ちゃんが離乳食の時に口を開けてくれない理由には個々によりいろいろ。「食べない時があっても大丈夫」くらいの気持ちで、気長に取り組んでみましょう。
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。