離乳食の果物はいつから?生でもOK?時期別の種類や量の目安、加熱や冷凍保存方法まで

こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。春夏秋冬と、季節ごとに様々な果物がありますね。私が働いている保育所では、2歳の子どもが食後の果物を楽しみにしていて、給食の先生に「今日のデザートはなに?」と聞くことも。食べると幸せな気持ちになる食べ物のひとつが「果物」です。今日は、離乳食に果物を取り入れるときの方法や注意点などをお話しますね。

離乳食の果物はいつから?加熱するべき?

果物は離乳食初期から食べられます。まずは、野菜を数種類経験した後にチャレンジ。時期別の果物の種類や量の目安は後ほど詳しくご紹介します。

一番最初に食べる果物は加熱がおすすめ

果物は生で食べてもよいとされていますが、加熱して酵素の動きを押さええることでアレルギーを引き起こしにくくなります。ですので、最初に食べる果物はまずは加熱することをおススメしています。果物を加熱する方法はいくつかあります。

私がオススメする加熱して美味しい果物は、みかん、りんご、バナナ、なし、桃、柿、イチゴです。すべて、皮を剥いてから加熱します。

果物の加熱方法

  • 湯がく

果物を少量のお湯でゆがきます。

  • 蒸す

よく湯気の上がった蒸し器で蒸します。蒸し器がなくとも、フライパンにお湯を張り、果物を入れた耐熱容器を入れ、蓋をして蒸す方法もあります。蒸すと軟らかくなり、甘みが増して食べやすくなります。

  • オーブン(トースター)で焼く

オーブンに入れて5分ほど加熱するだけです。大人も美味しく食べられます!

  • レンジでチン

レンジに入れて10秒ほど加熱するのもひとつの方法です。

離乳食の果物とアレルギー

アレルギー表示27品目は少量からスタート

アレルギー表示27品目(※)の中には、りんご、桃などの果物も入っています。りんごと桃を与えるときは少量からスタートし、赤ちゃんの身体観察をしてあげましょう。また、

・パイナップル
・マンゴー

などの、南国の果物は酵素が多く赤ちゃんの内臓に負担をかけることもありますので、離乳食期は避けましょう。

※アレルギー表示27品目とは

消費者庁が指定するアレルギー発症の原因になりやすい物質のこと。

重篤度・症例数の多い 7 品目(鶏卵、牛乳、小麦、落花生、ソバ、カニ、エビ)については内閣府令で表示を義務付けし、過去に一定の頻度で健康被害が見られた 20 品目(いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、山芋、カシューナッツ、もも、ごま、サバ、さけ、イカ、鶏肉、りんご、松茸、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉)については通知により表示を推奨しています。

時期別・食べられる果物の種類

離乳食初期

離乳食初期は、ほとんどの果物を食べられます。例えば、りんご、バナナ、いちご、みかん、スイカ、メロン、梨、桃など。離乳食初期後終わりごろには、オレンジも食べられるようになります。

まずは、野菜を数種類経験した後に果物にチャレンジです。加熱してから裏ごしし、とろとろの滑らかな状態にするか、ガーゼなどで絞って果汁にしてから与えます。皮と種は必ず取り除きます。

離乳食中期

離乳食中期前半には、ぶどう、はっさくなどを食べられます。ぶどうは、球体なので、そのままだとつるんとのどに入って誤嚥することがあります。デラウェアのような実の小さいぶどうでも、離乳食期は必ず細かく刻んで与えましょう。また、はっさくは苦みが少しあるので無理しないようにします。

離乳食中期後半には、柿、さくらんぼ、ブルーベリーなども食べられるようになります。柿は熟したものを使います。柿もさくらんぼも、皮と種を取り、ブルーベリーは皮を取り除き与えます。離乳食中期は、2~3㎜のみじん切りにして与えましょう。

離乳食後期

離乳食後期には、キウイが食べられるようになります。最初は、甘みのあるゴールデンキウイのほうが食べやすいでしょう。5㎜角に切って与えます。

離乳食完了期

離乳食完了期になると、マンゴーやパイナップルなども食べられるようになります。パイナップルは繊維が多く食べづらいので、月齢の目安の大きさ(1㎝)よりも小さく切って与えましょう。また、南国の果物は、口の周りがかゆくなったり荒れたりすることもあるので、「極たまに、少量だけ」与えるようにするほうが安心でしょう。もし心配なら、幼児期になってからのスタートでも、もちろん大丈夫です。

時期別・量の目安

果物は、ビタミンCも摂れ、甘さもあり、赤ちゃんが好む食材のひとつです。離乳食にも取り入れていきたい食材なのですが、果物には加糖があるので与えすぎないようにしましょう。例えば「食後に少しだけ食べる」「レシピの中に少量入れて風味を足す」といった使い方がいいですね。

離乳食初期

量の目安:5g

加熱して裏ごしして与えます。離乳食初期の赤ちゃんには、積極的に果物を与えなくてもいいです。与えるのであれば6ヶ月以降に。

離乳食中期

量の目安:10g

まだ加熱をしてもいいでしょう。食べ慣れた果物は徐々に生でもチャレンジしましょう。

離乳食後期

量の目安:10g

初めて食べる果物は、加熱するとより安心です。

離乳食完了期

量の目安:15g

おやつに果物を取り入れることもできます。

離乳食の果物は毎食取り入れてもいいの?

毎食でなくても楽しみとして時々取り入れて

果物は離乳食に毎食取り入れなくても大丈夫。赤ちゃんにとっても、果物はおいしい甘みです。時々の楽しみとして献立に取り入れる程度でよいと思います。

離乳食の果物の冷凍保存方法

赤ちゃんのために果物を買ってきたけれど、今日すべて食べられないという場合に、冷凍保存をするときの手順です。

1.果物を洗って、皮や種を取り除く

2.小さく切る

3.水気をしっかりふき取り、密封容器に入れる

一食分を小分けにして冷凍すると使いやすいですね。

* * *

果物は季節感を感じられる食材のひとつです。旬の果物を取り入れながら離乳食に彩りを加えてくださいね!

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文/中田 馨(なかた かおり)

一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。

離乳食インストラクター協会HP 

中田馨の和の離乳食レシピブログ

 

 

 

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