【子どもの家庭内での事故】コロナ禍でのSTAY HOME期間、キッチンでの事故が最多!今こそ安全対策の見直しを

コロナ禍、家で過ごす時間が多くなった分、目を少し離した隙に「子どもが階段から落ちた」「ポットを倒して、やけどしそうになった」などヒヤッと体験をしたママは、意外と多いのではないでしょうか。

消費者庁では、令和24月から5月末までの緊急事態宣言などによる外出自粛要請期間中に発生した「家の中での14歳以下の子どもの事故やヒヤっと体験」について、全国の20歳以上の男女3109人にインターネットアンケート調査を実施しました。

そのうち24%(756人)が、家の中で事故またはヒヤっと体験をしたことがわかりました。リサーチ結果と併せて、ママたちの体験談を紹介します。

家の中では、階段などから“落ちる”事故がトップ!

リサーチ結果から事故の種類を見ると「落ちる」がトップ! 次点は「転ぶ」「ぶつかる」「やけど」「切る・刺さる」「はさむ」の順でした。

【落ちる事故体験談】

目を離した隙に、階段から転げ落ちて全身アザだらけに(0歳女児)

●手をつないで階段を下りていたら、急にジャンプをして落ちそうになりました(1歳女児)

●室内用すべり台から落下。額を切って5針縫いました(1歳男児)

階段での事故は、男児が女児の2倍!

階段での事故発生件数は、なんと男児が女児の倍という結果に! 階段での事故を防ぐには、ベビーゲートなどを付けて、子どもが1人で上り下りしないことが肝心。下りるときはママやパパと一緒に。1人で下りたがる場合は、ママやパパが先に下りて、万一の場合すぐに支えられるようにしましょう。階段に滑り止めを付けるのも有効です。

またリビングでは、ソファや室内用遊具などからの落下事故も多いので、床にはクッションマットを敷いておくと安心。ぶつかったときケガをしないように、テーブルなどの角にはクッション材を付けましょう。

最も事故が起きやすい場所はキッチン! やけど、手を切るなどの事故が多発

事故が起こった場所は、1位キッチン、2位リビング、3位階段、4位浴室・洗面所、5位寝室の順でした。

【キッチンでの事故体験談】

走り回っていて、熱いフライパンの取っ手にぶつかりヒヤッとしました(5歳男児)

ケトルのコードを引っ張って落としたのでビックリ!(2歳女児)

●箱にしまっていたミキサーをいつの間にか取り出して、刃の部分をつかんで遊んでいるので驚きました(2歳男児)

包丁を使っていたら、横から急に手を出されて切りそうになりました(2歳男児)

キッチンは危険がいっぱい!

対策としては、ベビーゲートを付けてキッチンには子どもが入らないようにするのが一番。無理な場合は、鍋やフライパンの向きを変えて取っ手にぶつからないようにしたり、炊飯器、ケトルなどやけどの原因になるものは、子どもの手の届かない場所に置きましょう。ミキサーや包丁、洗剤、漂白剤なども同様です。

ちなみに子どもの手が届く範囲(台の高さ+手の届く範囲)は、

1歳児 約90cm2歳児 約110cm3歳児 約120cmが目安です。

家庭での溺死や溺水事故の大半はお風呂で! ベランダや窓からの落下にも注意

短時間でも浴室で一人にしない

事故が起きた場所4位の浴室・洗面所では「浴槽をのぞいていて落ちた」(3歳女児)など、命にかかわる事故も!

厚生労働省の人口動態調査によると、平成 26 年から 30 年までの5年間で家庭 における不慮の溺死および溺水事故は 148 件発生。そのほとんどが浴槽での事故で、0歳から4歳で最も多く起きています。事故防止のためには、ほんのわずかな時間でも子ども1人で入浴させないこと。湯船の中で浮き輪などを使っていても、バランスを崩して溺れるケースもあります。また入浴時以外は、できたらカギを閉めて子どもが浴室に入らないようにしたほうが安心です。

ベランダには踏み台になるものは置かない

事故が起きた場所のトップ5には入っていませんが、ベランダからの転落事故も後を絶ちません。転落事故を防ぐには、子どもの手が届かない場所にカギを付けたり、二重ロックにするのが有効です。ベランダには、踏み台になるようなものを置かないことも大切です。リビングなどの窓からも転落事故は起きるので、窓のそばにも踏み台となるものは置かないで!

ボタン電池の誤飲やブラインドのひもによる事故は、命にかかわることも

今回のアンケートでは見られませんでしたが、ボタン電池を誤飲すると食道にとどまり放電し、短時間でも潰瘍ができて、食道などに穴が開いたりして危険な状態になることも。とくにコイン型のリチウム電池は、食道などにとどまりやすいだけでなく、電池を使い切るまで、ほかの電池よりも高電圧を保持する特性があります。

医療機関ネットワークでは「14 歳以下によるボタン電池の誤飲報告」が平成 27 年1月から令和元年 12 月末までに 124 件、誤飲の疑いや鼻に詰めた報告も含めると 248 件寄せられています。年齢別では、3歳以下が 220 件(89%)と大半を占めており、なかでも1歳児の誤飲や誤飲疑いが 116 件(47%)と最も多く発生しています。そのためボタン電池が使われているおもちゃなどの電池蓋は、はずれやすくないか確認しましょう。未使用のボタン電池も、子どもの手が届かない場所で保管してください。

さらにブラインドの操作用のひもにも注意が必要です。ブラインドのそばで遊んでいるうちにひもが首に絡まったり、ソファなどから飛び降りた拍子にひもが首に引っかかる事故が起きています。ひもが首に絡まり窒息または酸欠状態になると23分で死に至るケースもあります。ブラインドがひも付きの場合は、クリップなどを使ってひもを上のほうでまとめておきましょう。

年齢別に見ると家の中での事故の発生が最も多いのは1歳、4歳、2歳、3歳の順でした。子どもは成長するに従い、ママやパパが予測もしないようなことをするようになります。また事故を防ぐために、子どもからずっと目を離さないのは難しいでしょう。コロナ禍でおうちにいる時間が多い今だからこそ、改めて家庭内での事故防止対策を見直してみませんか。

構成/麻生珠恵   資料/消費者庁HPより

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