目次
「紅葉狩り」とは
秋の行楽シーズンを迎え「紅葉狩りにいこう」と計画を立てている人も多いはず。しかし、紅葉狩りとは、実際に何をするものなのでしょう? ここでは、紅葉狩りの意味や起源、どうして「狩り」という言葉が使われているのかなどを詳しく解説します。
意味
紅葉狩りは、主に色づいた落葉樹の紅葉を眺めて楽しむこといいます。その言葉からイメージされがちな「何かを狩る」「何かを獲る」といったことではありません。あくまでも秋に見頃を迎える紅く染まった落葉樹の葉を鑑賞するものです。
起源
奈良時代から室町時代にかけ、貴族たちの間で広まった娯楽とされている紅葉狩り。美しい紅葉を鑑賞しながら宴を催し、和歌を詠むなどしながら楽しんだようです。紅葉狩りが世間一般にも楽しまれるようになったのは、江戸時代中期になってからといわれています。
なぜ、紅葉「狩り」というの?
本来「狩り」とは、獣を捕まえるときに使われる言葉です。昔の貴族たちにとって、歩くという行為はあまり上品ではない、と認識されていたようです。そのため、紅葉の鑑賞に出向くことを狩りに見立て「紅葉を狩りにいく」とおしゃれに表現したことが由来とされています。
紅葉狩りの楽しみ方
紅葉を鑑賞するときに守ったほうがいいマナーやルール、準備しておいたほうがいい持ち物やふさわしい服装があります。ここからは、紅葉狩りを満喫するために知っておきたい基本的な楽しみ方を見ていきましょう。
紅葉狩りを楽しむためのマナー
紅葉狩りは、赤く染まった落葉樹の葉を目で見て楽しむものです。紅葉をちぎったり、枝を折ったりしては絶対にいけません。また、混雑した観光スポットで行う写真撮影のときも、周囲に対する配慮はもとより、撮影禁止や立ち入り禁止といった規制を必ず守るようにしてください。
紅葉狩りを楽しむための持ち物
飲み物をはじめ、ハンカチやタオル、ポケットティッシュは持っていたほうがいいでしょう。エコバックやごみ袋も用意しておくといいですね。また、この季節の山間部は、気温の変化が大きいため、マフラーやストール、使い捨てカイロがあると防寒対策も万全。さらに当日の天候次第では、折りたたみ傘の準備も考えておきましょう。
紅葉狩りを楽しむための服装
紅葉狩りを楽しむための服装のポイントは「動きやすさ」です。紅葉を鑑賞するときは、慣れない山道などを歩くことを想定し、動きやすい服装と履き慣れた靴(スニーカー)がおすすめ。また、気温の変化に対応できる着脱しやすい衣類を選び、カバンはショルダーバッグやリュックなど、両手が空くものが最適です。
紅葉狩りにおすすめの食べ物
この季節に旬を迎える食材を食べるのも紅葉狩りを楽しむ大きなポイント。おすすめの食べ物は、秋にシーズンを迎える新そばです。紅葉を眺めながら和の味わいを堪能する贅沢は、紅葉狩りならではの楽しみといえます。また、栗やさつまいも、柿や梨を使ったスイーツなども紅葉狩りに人気の食べ物です。
紅葉狩りはいつが最適?2024年・全国の紅葉の見頃予想
2024年の紅葉の見頃は、全国的に平年並みか少し遅れる見通しです。9月の気温が高いこと、10月の気温は高温傾向が和らぐ見込みであることがその理由です。
北日本
山間部では10月下旬~11月中旬、 平野部では10月中旬~11月上旬にかけて見頃となる見込み。
東日本
山間部では11月中旬~12月上旬、 平野部では10月下旬~11月中旬にかけて見頃となる見込み。
西日本
山間部では11月中旬~12月上旬、 平野部では11月下旬~12月中旬にかけて見頃となる見込み。
紅葉狩り・おすすめの名所【北海道・東北編】
北海道から沖縄まで全国各地で楽しむことができる紅葉狩り。ここでは、その中でも特に人気が集まる紅葉の観光スポットを厳選してみました。まずは、北海道・東北エリアの紅葉狩り、おすすめの名所をご紹介します。
見ごろはいつ?
紅葉狩り、北海道での見ごろは、道北エリアですでに見頃のところもあります。10月中旬になると道南エリアも見ごろに入るようです。東北では、山間部で10月中旬から平野部で10月下旬とされています。
「定山渓温泉」(北海道札幌市南区定山渓)
定山渓温泉は、国立公園にも指定されている自然豊かな全国でも有数な紅葉狩りの名所です。名物の「紅葉ゴンドラ」や「紅葉かっぱバス」から眺める絶景は、雄大な北海道の紅葉を存分に楽しむことができます。
「苗場ドラゴンドラ」(新潟県南魚沼郡湯沢町)
片道5,5㎞の日本最長を誇る新潟県の苗場ドラゴンドラでは、約25分間の空中散歩を楽しみながら紅葉を鑑賞することができます。特に「14号柱」や「二居湖」のスリルと神秘には、驚きや感動を味わえるはずです。
「磐梯吾妻スカイライン」(福島県福島市町庭坂~土湯温泉町)
日本の道百選にも選ばれている磐梯吾妻スカイライン。福島県屈指といわれる紅葉狩りの名所では、ドライブを楽しみながら紅葉を堪能することができます。最大の見どころは、作家の井上靖が名付けた景勝地「吾妻八景」からの景観です。
【完全ガイド】2024 磐梯吾妻スカイライン 紅葉情報(福島市観光ノート)
紅葉狩り・おすすめの名所【関東編】
ここからは、関東エリアの紅葉狩り、おすすめの名所をご紹介します。全国的にも名の知れた紅葉の観光スポットが数多くある関東エリア。今回は、東京都、栃木県、群馬県の3都県からチョイスしてみました。
見ごろはいつ?
毎年、山間部から紅葉狩りのシーズンが始まる関東エリア。早いところでは10月下旬、南部や平野部などの名所では、11月下旬あたりから見ごろを迎えます。
「国営昭和記念公園」(東京都立川市緑町)
東京の国営昭和記念公園は、趣の異なる色どり鮮やかなイチョウの黄葉とモミジの紅葉を堪能することができます。特に数百メートルも続くイチョウ並木は、シーズンを迎えると黄金色のトンネルとなるため、全国的にも人気の高い名所です。
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「那須高原(那須岳周辺)」(栃木県那須郡那須町)
全国的にも有名な栃木県・那須高原の紅葉。その見どころは、那須連山の主峰・茶臼岳のロープウェイから望む景観です。一面が真っ赤に燃えるような美しい風景は、紅葉狩りにふさわしい必見の価値があります。
「伊香保温泉」(群馬県渋川市伊香保町)
名湯の伊香保温泉は、紅葉狩りも楽しむことができる名所です。湯元になっている河鹿橋付近では、夜になると紅葉がライトアップされ、昼間とは違う幻想的な景観が目の前に広がります。
紅葉狩り・おすすめの名所【関西(近畿)編】
関西、特に近畿地方も紅葉狩りの名所が多いおすすめの人気エリアです。京都府の嵐山や滋賀県の比叡山など、シーズンともなれば、紅葉を楽しむために毎年全国からたくさんの人たちが集まってきます。
見ごろはいつ?
関西・近畿地方の紅葉狩りは、標高の高い山間部で11月上旬が見ごろといわれています。平野部では11月中旬あたりから紅葉のピークを迎えるようです。
「嵐山」(京都府京都市右京区)
京都の嵐山は、世界中から紅葉狩りを楽しみたい観光客が集う名所中の名所です。深紅に染まった嵐山を背にする曲線の美しい渡月橋をはじめ、他にも天龍寺・宝厳院・大本山大覚寺など、秋の嵐山には、紅葉を楽しめる鑑賞スポットが数多く点在します。
「比叡山延暦寺」(滋賀県大津市坂本)
平野部よりも一足早く鑑賞できる比叡山の紅葉。延暦寺を目指し、深山の紅葉狩りを楽しみながら走る比叡山ドライブウェイは、紅葉以外にも京都の街並みや大津市街、琵琶湖などが望める贅沢な展望コースです。
天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
「高野山」(和歌山県伊都郡高野町)
1200年の歴史を持つ高野山の紅葉狩りは、色鮮やかな紅葉とともに神秘的な雰囲気を味わうことができる名所です。金剛峯寺から壇上伽藍(だんじょうがらん)に向かう蛇腹路では、夜になるとライトアップされた紅葉のトンネルを楽しめます。
紅葉狩り・おすすめの名所【九州・沖縄編】
紅葉狩りの名所、最後は、九州・沖縄エリアのご紹介です。観光地の多い九州・沖縄エリアも紅葉狩りを満喫できる名所が数多く集まるエリア。ここでは、福岡県と大分県、鹿児島県から3件の名所をピックアップしました。
見ごろはいつ?
年間の平均気温が高い九州・沖縄エリアの紅葉狩りは、11月上旬からシーズンを迎えます。福岡や大分などの北部九州と鹿児島や宮崎などの南部九州では、その見ごろにも若干の差異があるようです。
「霧島」(鹿児島県霧島市霧島温泉郷)
霧島山の大小9つの温泉からなる霧島温泉郷では、県道1号小林・牧園線をドライブしながら紅葉狩りを楽しむことができます。大浪池や新川渓谷、丸尾の滝などで、それぞれの特色ある紅葉風景が鑑賞できる鹿児島の人気スポットです。
紅葉狩りは、日本の四季の美観を感じさせてくれる
紅葉狩りは、秋の終わりと冬の始まりの季節の移ろいを感じさせてくれます。その意味や起源、楽しみ方を知り、マナーやルールをしっかりと守りながら全国各所の紅葉名所を巡ってみてください。そして、色付いた落葉樹の葉を眺めながら、日本の四季の美しさを目と肌でじっくりと堪能するようにしましょう。
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文・構成/HugKum編集部