小学生のプログラミング教育ではコードは書かず、主にビジュアルプログラミング(Scratchなど)を使ってプログラミングを学びます。今回はそのビジュアルプログラミングのScratchを使って制作した子どもたちのプログラミング作品を一挙大公開します。作品によっては実際のプログラムファイルも公開しますので、ぜひ親子で遊んでみてください!
◆Scratch(スクラッチ)とは?
マサチューセッツ工科大学で開発されたプログラミング言語。世界150以上の国と地域で利用されており、対象年齢は8歳から。ビジュアルプログラミングという難しいコードがいらず”視覚的”に理解することができる子どもに適した無料ソフトです。
マネしてみたくなる!小学生が作った3つのゲームを公開
ここでは、『脱出ゲーム』『キャラ拾いゲーム』『スペースハンター』の3つのゲームを動画付きで紹介します。
【1】脱出ゲーム
ショッピングモールに閉じ込められた主人公が、ショッピングモールの中にあるモノを使い脱出するゲームです。制作したのは中学校1年生(製作時小学6年生)のゆうまくん。どんなゲームなのでしょうか?
まずはショッピングモールの中からスタート。商品など、1つ1つのデザインまでこだわっていて素晴らしいですよね!
そして外に出ると駐車場が。
自動車に近づくと”A”ボタンが出現!「自動車に燃料を入れますか?」と聞いてきます。
一旦内容はここまでの公開にしますが、なんとこのゲーム、脱出する方法が3つもあるみたい!普通に市販されているRPGみたいなクオリティに終始驚かされます。ゆうまくんの『脱出ゲーム』をもっと知りたい人は、こちらのYouTube「みらいいチャンネル」をぜひチェックしてみてください。
▼『脱出ゲーム』のプログラムファイルはこちら
https://scratch.mit.edu/projects/305275971/
【2】キャラ拾いゲーム
次に紹介するゲームは、上から降ってくるキャラをかごで拾っていくゲームです。作ってくれたのは小学5年生のたいがくん。YouTube「みらいいチャンネル」でまずはゲームをチェックしてみましょう!
このゲームの魅力は、なんといってもキャラクターがどれも抜群にかわいいこと。それぞれのキャラのおでこにある数字が「キャラの点数」になっていて、その点数分ポイントが加算されていくシステムです。
そしてフィーバータイムになると大量のキャラクターが!!!
子どもも大人も楽しめる素敵な作品になっていますね。
そして、ゲームのプログラムの一部がこちら。これだけ複雑なブロック構成になっています。これでもほんの一部です…!
▼みらいいHPでは、「キャラクター拾いゲーム」のプログラミングのブロックを全て公開中です!
【3】スペースハンター
最後に紹介する作品は、中学校1年生(製作時小学6年生)のゆうまくんが制作した『スペースハンター』。まずこのゲームにはストーリーがあります。
「何かの事故で燃料が切れ、主人公は1つだけの脱出機で敵の戦闘機を殲滅(せんめつ)して自分の国に帰る」
ゲーム以前のストーリーを考え、それに沿ったゲームを作っていくという、ゲーム会社も顔負けのゆうまくんのアイディアが素晴らしいですね!
内容はいわゆる“インベーダーゲーム”のようなもの。ライフや敵のレベル、ビームの種類など、非常に細かい設定がされています。
▼『スペースハンター』のプログラムファイルはこちらをチェック!
https://scratch.mit.edu/projects/216277160/
ゲーム作りで得られる力とは?
今回は3つのゲームを紹介しました。ゲーム作りは、単にプログラミング技術があればOKではありません。子どもだちは、実際にゲームをする人が誰かを想定し、どうやったら楽しんでくれるかを考え、試行錯誤しながら作っていきます。
ゲーム作りで得られる4つの能力
子どもたちがゲーム作りで得られる力は、主に4つあります。
①作品(ゲーム)の始めから終わりまで、どのようにストーリーが進んでいくかを考える構成力
②より楽しく入り込めるように見せるデザイン力
③ゴールから逆算して考える論理的思考力
④一筋縄ではいかないとき失敗しても諦めない粘り強さや前に進めていく推進力
ゲーム作りひとつでも、「いろいろな能力を育みながら、自分やみんなが楽しめるものを提供する」という非常に素晴らしい経験ができるのです。
ゲームをやるだけでなく、作る側になってみよう
今回紹介した高いレベルのゲーム作りができる小学生はまだ少なく、始めからこのクオリティを求めてはいけません。ですが、熱意を持って本気で取り組めば、このクオリティやさらにその先までいけるということです。
今の時代、ゲームに熱中するお子さんを見て不安になるママ・パパもいると思いますが、何かに熱中することはとても貴重な体験になります。もしお子さんに興味があれば、「ゲームをやる側だけでなく、“作る側”になってみれば?」と声をかけてみても面白いかもしれませんね!
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