HugKum新連載「今さら聞けない先端教育・基本のキ」では、プログラミング教育やSTEAM(科学・技術・工学・数学の教育分野の総称)教育について、わかりやすく伝えていきます。
第1回目は、家庭での「オンライン学習」です。新型コロナウィルスの影響で学校が休校となった時期、子ども達の家庭での勉強法として注目されたオンライン学習。そのメリット・デメリット、気をつけたい注意点を、今回はわかりやすく解説します。実際に体験した人も、なんだか未知の世界に躊躇している人も、オンライン学習のポイントを知って、より効果的なオンライン学習をめざしましょう。
自宅学習にデジタルを活用している家庭は70%
イー・ラーニング研究所の調査によると、子どもの自宅学習にデジタルを利用している家庭について、以下のようなデータがあります。
Q.子どもの自宅学習にてデジタルを活用していますか
- はい・・・70%
- いいえ・・・30%
デジタルを活用している家庭は全体の70%で、多くの子どもがデジタル教材を使って勉強していることがわかります。
Q.今後どのような自宅学習を取り入れたいですか
- 通信教材・・・71%
- オンライン学習・・・62%
- スマホアプリ・・・42%
こちらのデータからは、自宅の勉強法として多くの家庭が、デジタル並びにオンライン学習に感心を寄せていることが明らかになっています。
出典:7割の親が「子どもの自宅学習にデジタルを活用」 =イー・ラーニング研究所調べ=|ICT教育ニュース
オンライン学習のメリット
オンライン学習は、主に「ライブ授業タイプ」「家庭教師タイプ」「動画配信タイプ」「添削タイプ」の4つがあります。形式によって特徴があるので、教科や子どもの性格に合わせて選ぶ必要があります。
まずはオンライン学習全般のメリットからチェックしましょう。
時間や場所に縛られず学習できる
時間や場所に縛られずに学習できることは、オンライン学習の大きなメリットです。
動画配信タイプなら、子どもの好きなタイミング・場所で見ることができ、効率よく勉強することができます。ライブ授業タイプや家庭教師タイプといった時間指定があるオンライン学習でも、家庭の希望を反映して受講したい時間帯を選べます。
時間や場所に縛られないことは、習い事が多かったり、共働きで送り迎えや付き添いができないといった事情の家庭には、大きなメリットといえます。
塾に通うより低コスト
オンライン学習は、塾に通うより低コストな場合が多いです。
一般的に通う塾の費用には、月謝以外にも教室維持費や印刷費などの諸経費がかかります。
一方、オンライン学習はそうした諸経費がかからず、1つの端末で複数の教科に対応していることが多いことから、授業料が安い傾向があります。また、通うための交通費もかからないため、オンライン学習は塾に通うよりも金銭的負担が軽くてすみます。
視覚的・聴覚的に学べて理解しやすい
オンライン学習は、テキストだけでなく動画や音声もセットになっているため、視覚的・聴覚的に学べます。画像や解説音声などをテキストと組み合わせることで理解度がアップし、文章だけの問題より取り組みやすいのがメリットです。
「文章の意味や内容を読み取るのが苦手…」というような子どもでも、オンライン学習で視覚的・聴覚的に学べば、理解度をアップできる可能性が高くなります。
オンライン学習のデメリット
続いてオンライン学習のデメリットも知っておきましょう。
モチベーションキープが難しい
オンライン学習は、モチベーションのキープが難しいことが、デメリットとして挙げられます。
オンライン学習のメリットである「時間や場所に縛られない」ということは、「勉強をしてもしなくてもいい」と捉えることもでき、モチベーションに影響が出ることが多いです。また、慣れないオンライン形式の授業に悪戦苦闘しているうちに、やる気がなくなっていくケースも少なくありません。
◆モチベーションを上げるためには?
オンライン学習の教材の多くは、ゲーム感覚で進められたり、目標を達成するとご褒美がもらえるなど、子どもが勉強を楽しむ仕組みや工夫を施しています。
楽しんで取り組めるオンライン学習を選択したり、大人がサポートを続けることで、モチベーションダウンを回避することはできるでしょう。
書く機会が減ってしまう
オンライン学習を導入すると、書く機会が減ってしまうというデメリットもあります。
オンライン学習では、あらかじめ必要な教材が用意されている場合がほとんどなので、書く行為自体が省略されることが少なくありません。
家庭でのオンライン学習の注意点
家庭でのオンライン学習のメリット・デメリットを踏まえた上で、どのようなことに気をつければよいのか確認しましょう。
子どもに合ったものを選ぶ、試す
オンライン学習は、子どもに合ったものを選ぶことが大切です。
モチベーション維持が難しいオンライン学習は、子どもの好みや性格に合わないものを選ぶと、長く続けられない可能性があります。
勉強が苦手な子なら「ゲーム感覚で進められる」という特徴で選ぶ、集中力が散漫になりやすい子なら「家庭教師でマンツーマン」という種類で選ぶなど、子どもにベストな選択を考えてみてください。
そして最初は、無料のオンライン学習教材を試したり、無料体験に参加するなどして、パパママもぜひ子どもと一緒にオンライン学習に取り組んでみましょう。取り組んでいる際の子どもの表情や学習の進め具合を見れば、自然とオンライン教材との相性が判断しやすくなります。
長く続けられるようにサポートする
長く続けられるように親がサポートしてあげることも、オンライン学習における注意点です。
オンライン学習は親の手を借りなくても楽しく勉強できる仕組みが作られているものが多いですが、モチベーションを保てるかどうかは親の声かけが大切になります。
子どもが自主的に勉強に取り組めるようになるまでには、スケジュールを一緒に考えたり、「頑張ってできたね!」「こんな問題もできるようになったね!」と定期的に声を掛けてあげましょう。子どものやる気を引き出すことができれば、オンライン学習がより楽しく、長く続けられるはずです。
今後も広がるオンライン学習
今後ますます浸透していくオンライン学習。そのメリットを正しく理解して、必要な環境を整えること。そして気をつけたいことに留意することで、ぐっと効率的に取り組めるでしょう。
ぜひオンライン学習に対する理解や知識を深めて、子ども達にチャレンジさせてあげてほしいと思います。
記事監修
「いいなぁ、みらい」をコンセプトに、子どもたちのみらいを切りひらくための機会を提供。webメディア「みらいい」やYouTube「みらいいチャンネル」を中心とした先端教育に関する情報発信や成功体験を得るプロジェクトを推進。プログラミング教育やSTEM教育、SDGsに関する情報格差の解消を目指します。