連載「今さら聞けない先端教育・基本のキ」では、プログラミング教育やSTEAM(科学・技術・工学・数学の教育分野の総称)教育について、わかりやすく伝えていきます。第2回は「子どものネットリテラシー」です。
スマホの普及が幅広い年代で進んでいる現代では、子どもがインターネットに触れることも多くなっています。
内閣府が行った青少年のインターネット利用環境実態調査では、小学生の85.6%、中学生では95.1%と、実に8〜9割の子どもたちが「インターネットを利用している」と回答しています。
出典:平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)
今や、子どももスマホを使うのが日常的な時代といえます。そこで今回は、子どもが正しくインターネットを利用するために必要なネットリテラシーについて、親が絶対に知っておくべきことをわかりやすく解説します。
ネットリテラシーとは?
「ネットリテラシー」とは、「インターネットリテラシー」の略で、インターネットを使うために必要な知識やスキルのこと。
ネットを使えばたくさんの知識が簡単に手に入って便利ですが、すべてが安心・安全な情報とは限りません。そのため、情報が正しいか間違っているかを見極めて、正しく使いこなすことが大切です。子どもたちの身近にインターネットがある今、ネットリテラシーを身につけることが必要不可欠といえます。
ネットリテラシーが低い人の特徴
ネットリテラシーが低い人は、以下のような特徴があります。
・情報をすぐに信用する
・セキュリティが甘い
・プライバシーを安易に公開しがち
・他人の情報を無断で使用する
これらの特徴に子どもが当てはまっていれば、トラブルに巻き込まれる可能性は否定できません。
ネットリテラシーが低いことで伴うリスク
ネットリテラシーが低いと、どんなリスクがあるのでしょうか。ここでは、ネットリテラシーが低いことで伴うリスクをチェックしていきましょう。
SNS上のトラブルに遭う
ネットリテラシーが低いと、SNS上でトラブルに遭う可能性があります。
匿名で使えるSNSはさまざまな人が活用し、中には攻撃的な人も存在します。正しく活用する能力がなければ、個人情報を特定されたり、炎上トラブルに巻き込まれたりすることもあるかもしれません。
知らないうちに加害者になってしまう
知らないうちに加害者になってしまうことも、ネットリテラシーが低いとあり得ます。
ネットの情報を利用する際は、ルールを守って行う必要があります。無断で文章や画像を引用したり、他人が映っている写真をアップしたりすることは、著作権や肖像権の侵害にあたり、ルールを知らないからといって許されることではありません。知らないうちに加害者になってしまわないためには、ネットリテラシーを身につけること必要です。
ウイルスに感染される可能性がある
ネットリテラシーが低いと、ウイルス感染にあう可能性があります。
スマホが子どもの身近にあると、開発元が怪しいアプリや不審なURLが添付されたメールに遭遇することもあるでしょう。そのとき、ネットリテラシーが低いと、危険性があるアプリやメールを安易に使ってしまうため、ウイルス感染されてしまうという事態は回避できません。
ネット詐欺にひっかかってしまう
ネット詐欺にひっかかってしまうことも、ネットリテラシーが低いと起こります。
「まさか子どもが詐欺に逢うなんて…」と思いますが、ネットリテラシーが低い人はネット詐欺の格好の的。「うちの子は大丈夫」「騙されるわけない」と思っているケースほど危険性は高いです。
子どものネットリテラシーを高める方法
子どもがインターネットを活用する機会があるなら、ネットリテラシー教育は必須です!これから子どものネットリテラシーを高める方法を紹介するので、ぜひ参考にして実践してみてください。
ネットの危険性をわかりやすく伝える
ネットの危険性をわかりやすく伝えることは、子どものネットリテラシーを高めるための第一歩です。次のように、ネットには危険が潜んでいることを、パパ・ママが子どもにきちんと教えてあげましょう。
- ・「無料でも怪しいサイトはお金がかかることもあるんだよ」
- ・「こんなネット詐欺があったから、同じような目に遭わないように注意しようね」
危険があると認識し、注意しながらネットを利用することで、自然と子どものネットリテラシーは高まっていきます。
インターネットを使うときのルールを決める
インターネットを使うときのルールを決めることも、子どものネットリテラシーを高める方法として有効です。たとえば、次のようなルールを決めて使うようにしてみてはいかがでしょう。
- ・個人情報の入力が必要なときは必ず親に相談する
- ・無料のアプリやソフトでも勝手にダウンロードしない
ルールを守りながらインターネットに触れて、正しい使い方ができるように促してあげてください。
ネット以外の情報にも目を向けるように促す
ネット以外の情報にも目を向けるように促すことも、子どものネットリテラシーを高めるために必要です。視野を広げることで、「この情報は違うかも」と気づける力がアップします。1つの情報源にとらわれず、テレビや本、新聞など、複数の情報を参考にするように子どもに促してあげてみてください。
情報リサーチの経験を増やして見極める力をつける
情報リサーチの経験を増やし、情報の善し悪しを見極める力をつける方法でも、子どものネットリテラシーを高めることが可能です。子どもがリサーチの経験を積み、さまざまな情報に触れる度に、信用できる情報と信用できない情報の特徴や違いが見えるようになります。
経験を積むことで、ネットで情報を見た際に「このサイトは公式だから信憑性が高い」「これは誰が書いたかわからないからすぐに信用しないようにしよう」というように気づくことができるようになるでしょう。
ネットリテラシーは子どもだからこそ必要
インターネットが子どもの身近にある今だからこそ、ネットリテラシーは必要です。「子どもだから…」と油断していると、知らないうちに子どもが危険にさらされるかもしれません。
子どもが情報の良し悪しを見極め、ネットを正しく使いこなせるように、ぜひパパ・ママが積極的にネットリテラシーについて教えてあげてくださいね。
参考:https://www.gymboglobal.jp/column/124
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記事監修
「いいなぁ、みらい」をコンセプトに、子どもたちのみらいを切りひらくための機会を提供。webメディア「みらいい」やYouTube「みらいいチャンネル」を中心とした先端教育に関する情報発信や成功体験を得るプロジェクトを推進。プログラミング教育やSTEM教育、SDGsに関する情報格差の解消を目指します。