イカの干物であるあたりめですが、古くは平安時代の辞書にも載っており、昔から食べられてきた加工品です。現在でもおやつやおつまみとして、子どもから大人まで人気が高い食べ物の1つです。
長い歴史を持つあたりめは、多くの食品メーカーやお菓子メーカーからさまざまな商品が販売されてきました。イカを干したシンプルな食品でありながら奥が深く、商品によって違いもあります。するめとあたりめの違いや、おすすめのあたりめ商品を紹介します。
するめとあたりめの違い
するめとあたりめは同じ意味で、するめの「する」を嫌って言い換えられた言葉があたりめです。「する」は、博打で「する」や、お金を「する」を連想させるため、「当たり」に言い換えて「あたりめ」と呼ばれるようになりました。あたりめの原材料はスルメイカと呼ばれるイカが主流ですが、剣先イカやホタルイカの加工品もあたりめと呼ばれます。
いろんなシーンでおいしいあたりめ
噛めば噛むほど味が出てくるあたりめは、子どもから大人まで大好き。いろいろなシーンで楽しめるおやつです。
子どものおやつに
自然由来の体に優しい食品なので、子どもにも安心して与えられるおやつです。あたりめは硬く、しっかり噛まないと食べられないので、おいしく食べながら顎の発達も促してくれます。また、よく噛んで食べることで満足感を得やすく、ご飯の前に食べ過ぎてお腹いっぱいになりにくいおやつでもあります。干物なので持ち運びもしやすく、お出かけ先のおやつとしても便利です。
大人のおつまみに
ビールや日本酒、焼酎など、色々なお酒によく合うので、大人のおつまみにもぴったりです。しっかりとした味わいでお腹に溜まらないので、お酒がどんどん進むおつまみです。もちろん、お酒を飲まない人でもおいしく食べられます。
料理の具材に:イカ人参
あたりめは料理の具材としても古くから活用されています。福島の郷土料理であるイカ人参は、代表的なあたりめ料理です。
用意するもの
<材料>
・人参:3本
・あたりめ:1杯分
・昆布:1枚
<調味料>
・しょうゆ:1/4カップ
・酒:1/4カップ
・みりん:大さじ2
料理の手順
1:調味料を鍋に入れ、強火で2分程煮る
2:人参と昆布を細切りにする。あたりめをハサミなどで細く切る
3:ポリ袋などに1と2とを入れ、冷蔵庫で半日馴染ませる
料理の具材に:天ぷら
あたりめは天ぷらにすると、お酒にぴったりのグレードアップしたおつまみに変身します。
用意するもの
<材料>
・あたりめ:お好み
・薄力粉:適量
・冷水:適量
<調味料>
・マヨネーズ:適量
・七味:適量
料理の手順
1:ボウルに薄力粉と冷水を入れて衣を作る
2:あたりめに衣を付ける
3:180度の油で衣に色が付くまで揚げる
4:マヨネーズ、七味を添える
料理の具材に:あたりめの炊き込みご飯
あたりめの出汁がご飯に染み込み、おいしい炊き込みご飯ができます。
用意するもの
<材料>
・米:2合
・あたりめ:1杯分
・人参:1/3本
・しめじ(しいたけでも可):1/4株
・油揚げ:1枚
・その他、こんにゃくなど好みの具を入れる
<調味料>
・酒:大さじ2
・醤油:大さじ1.5
・みりん:大さじ1/2
・顆粒出汁:小さじ1
料理の手順
1:ボウルに酒と醤油を入れ、あたりめを30分漬けこみます
2:人参は短冊切りに、油揚げも同じくらいのサイズに切ります
3:炊飯器に米と2合分の水、みりん、顆粒出汁を入れ、1・2を入れて炊きます
あたりめの種類
干物のあたりめは、加工方法で2種類のタイプがあります。
裂きイカタイプ
イカをそのまま乾燥させた、シンプルなあたりめです。イカは水分が抜けると、繊維に沿って細く引き裂けます。乾燥したイカを丸ごと包装したタイプもありますが、多くは食べやすいように、加熱して柔らかくしたものを、細く引き裂いた上で販売されています。そのままはもちろん、料理に使ってもおいしいです。乾燥させた後に味付けをしているタイプもあります。
ジャーキータイプ
イカにあらかじめ下味を付け、特殊な熱処理を施してシート上に加工したあたりめです。そのままおやつやおつまみとして食べるあたりめで、料理に使われることはあまりありません。本来ジャーキーとは、肉を乾燥させた保存食品を指します。イカジャーキーの多くは濃い目に味付けされ、見た目は干し肉を思わせるあたりめです。しっかりとした味で、噛み応えもあります。
おすすめのあたりめ9選
裂きイカタイプ・ジャーキータイプそれぞれのおすすめあたりめを紹介します。
国産 無添加 あたりめ 300g – 東北ヒロヤ
加工はもちろん原料も国産にこだわったあたりめです。原材料は北海道、青森近海で取れたスルメイカで、とれたてを函館で加工・製造しています。海外産のイカのように、長期間冷凍保存されることが無いので、風味が損なわれず、新鮮な味わいが凝縮された贅沢なあたりめです。保存料不使用で塩分も無添加なので、子どもでも安心してイカ本来の味を堪能できます。
やわらかするめジャーキー 500g – 豆商黒田屋
黒田屋は1942年創業の老舗干物屋です。黒田屋のあたりめは九州醤油を下味に使ったこだわったジャーキータイプです。イカ本来の甘みと、九州醤油の甘みが調和した逸品で、大人はもちろん子どもも食べやすい味付けです。食べやすいサイズにカットされたジャーキータイプなので、おやつにもぴったりです。
POT焼きあたりめ265g – よっちゃん食品工業
駄菓子でおなじみのよっちゃん食品工業のあたりめは、焼きが特徴です。乾燥させたスルメは焼いて加熱すると、香ばしさと柔らかさが増します。POT焼きあたりめは、乾燥させたスルメをしっかりと焼き、香ばしさと柔らかさをより引き出した商品です。保存容器にもなるポット入りで、お皿などを用意しなくてもそのまま食べられるので便利です。
けんこうカムカム 280g – よっちゃん食品工業
小さくカットされたよっちゃん食品工業のあたりめです。駄菓子として子どものおやつに人気のあたりめですが、唐辛子で味付けされたピリ辛風味なので、大人のおつまみとしてもぴったりです。親子で一緒に食べれば、よりおいしく食べられそうです。
技の逸品あたりめ 26g – なとり
原材料はイカ、食塩、焼酎のみ。食品添加物を使用せずに、天然素材にこだわったあたりめです。おつまみや珍味で有名ななとりは、もともと加工水産物の生産で始まった日本を代表するあたりめの製造会社です。素材の味にこだわったあたりめで、内容量も食べきりサイズなので、おつまみとしてはもちろん、おやつとしても安心です。
おしゃぶりいか 18g – 個食美学
ジャーキータイプのあたりめです。食べやすいサイズにカットされており、イカのうまみが引き立つシンプルな味付けです。噛めば噛むほどイカの旨味が広がって、手が止まらないおいしさです。薄くカットされたジャーキーが18gとたっぷり入っていて、値段もリーズナブルなあたりめです。
元祖するめジャーキー – タクマ食品
駄菓子として有名な元祖するめジャーキーは、食べたことがある人も多いでしょう。1枚ずつ個包装されているので、持ち運びに便利で、食べ過ぎも防止できます。1枚単位で販売しているのも嬉しいポイントで、食べたいときに食べたいだけ購入できます。ジャーキータイプで噛み応えも十分なので、1枚でも満足度が高いあたりめです。
スパイシーするめ足 かめばかむほど – 谷貝食品工業
イカの足を集めたポット入りあたりめです。あたりめの中でも足は1本ずつちぎって食べれば、子どもでも食べやすく、形も揃っていないのでいろいろな噛み応えを楽しめます。子どもが食べやすいように甘めの味付けですが、唐辛子が味に深みを与えています。商品名の通り、噛めば噛むほどおいしいあたりめです。
恋するめ 17g – マルエス
薄く小麦の衣をまとった変わり種のあたりめです。砂糖の甘さとともに唐辛子がほんのり辛い味わいはまるで恋の味で、パッケージもあたりめとは思えない可愛らしさです。1袋17gの食べきりサイズで、自宅でもお出かけ先でも手軽に食べられるあたりめです。
あたりめを家族でおいしく楽しもう
おやつはもちろん、料理としても古くから活用されているあたりめは、日本人にとってはソウルフードといえるでしょう。歴史が古いからこそ、加工の方法もさまざまで、商品によって味わいや噛み応えは違います。シンプルにイカを乾燥させた素材の旨味を存分に味わえるタイプから、下味を付けて味わいをより深くしたジャーキータイプまで、好みに合わせて自分好みのあたりめを見付けてみてください。
文・構成/HugKum編集部