栄養豊富で体が温まる鍋料理は、寒い日の定番メニューです。とはいえ、いつも同じ味では家族に飽きられてしまいます。具材やスープのバリエーションを覚えて、いろいろな味を楽しみましょう。子どもに人気のレシピやご当地鍋など、鍋料理の種類を紹介します。
忙しいママに!お手軽鍋レシピ
鍋料理は手軽とはいえ、具材が多いものや味付けが複雑なものは、それなりに手間がかかります。少ない具材でおいしくできる、忙しいママにぴったりのレシピを見ていきましょう。
もはや定番「白菜と豚肉のミルフィーユ」
白菜と豚肉を重ねて煮るだけの、シンプルな鍋料理です。パイ生地とクリームを重ねたフランスのお菓子「ミルフィーユ」のような見た目が特徴です。
白菜は縦にカットして、葉を1枚ずつ剥がします。白菜と豚バラ肉を交互に4回重ねて5cm程度の幅に切り、層の断面が見えるように鍋に敷き詰めていきましょう。
まんべんなく敷き詰めたら水と調味料を入れて鍋に蓋をし、弱火で白菜が柔らかくなるまで煮込みます。
材料の目安は4人分で白菜1/4~1/2個、豚バラ肉300~400gです。調味料は水4~6カップに、顆粒だしやしょうゆ、塩、酒などを加えて調整します。薄めの味付けにして、ポン酢を付けてもよいでしょう。
鶏ガラスープで中華風にしたり、コンソメを入れて洋風にしたりするのもおすすめです。
SNSでも話題「無水水炊き」
水を使わず、白菜の水分と料理酒だけで作る旨みたっぷりのレシピです。人気料理研究家リュウジさん発案の「水道を止められても作れる」料理として、SNSでも話題になっています。
一口大にカットした白菜適量を鍋に敷き、手羽元(1人当たり4~5本)、千切りにしたショウガを乗せます。
酒と白だしを4:1の割合で入れ、蓋をして弱火で20分ほど煮込んだら、仕上げに白ゴマと万能ネギを散らして完成です。お好みで塩やポン酢を付けていただきます。
参照:https://bazurecipe.com/2020/05/08/3215/
子どもも喜ぶ鍋料理は?
子どもが鍋料理をあまり喜ばないときは、少し目先を変えてみましょう。鍋料理は熱いため、子どもに敬遠されがちです。見た目や味が単調だったり、苦手な野菜が入っていたりすることも、嫌がられる理由です。
子どもが鍋を喜んで食べてくれるアイデアレシピを紹介します。
見た目も楽しい「肉タワー鍋」
テーブルに出しただけで歓声が聞こえてきそうな、インパクトのある鍋料理です。いつもとは違う見た目が、外食に出かけたような気分にさせてくれます。
カラフルな野菜を使ってデコレーションすれば、さらに盛り上がるでしょう。
鍋に白菜やキノコ、もやしなどの野菜を入れてタワー状に盛り、下から薄切り肉を巻き付けていきます。肉の上に赤唐辛子を乗せ、周りにニラを敷き詰めれば、見た目も華やかになります。
スープを加えて火にかけ、煮立ったら肉を崩しながら、火が通るまで煮込みましょう。スープは好みの味で構いません。豚バラ肉やもやし・ニラを使うなら、トンコツ味がおすすめです。
残り物アレンジも「カレー鍋」
カレー味の鍋なら子どもはもちろん、大人もおいしくいただけます。スープはカレー粉とコンソメで作ってもよいですが、残り物のカレーを活用することも可能です。
好みのだし汁で薄めて、スパイスやめんつゆなどで味を調整しましょう。
ミニトマトやうずらの卵、ウインナーを串に刺しておけば見た目もよく、子どもも食べやすくなります。シメはカレーチーズリゾットや、カレーうどんがおすすめです。だし汁の種類に合わせてアレンジしてみましょう。
鍋だって洋風に「トマトチーズ鍋」
トマトベースのスープにチーズをプラスした洋風鍋です。トマトの鮮やかな色とチーズのまろやかさに、子どもも夢中になるでしょう。
ソーセージやエビ、ジャガイモなど、子どもが好きな具材と合わせやすいのもポイントです。
コンソメや鶏ガラで作ったスープに、肉やジャガイモなどの火が通りにくい具材を入れて煮込みます。湯むきしたトマトやキノコなどを入れ、10分程煮れば完成です。
仕上げにピザ用チーズをたっぷりと加え、お好みで黒コショウをかけましょう。シメにご飯を入れて卵でとじれば、オムライスのような味わいのリゾットができます。
自宅で旅行気分!ご当地鍋3選
日本各地の名物鍋を食卓に取り入れて、自宅にいながら旅行気分を楽しむのもおすすめです。人気の高いご当地鍋を三つ紹介します。
鮭の旨みが際立つ 北海道「石狩鍋」
石狩鍋は、生鮭を味噌味のだし汁で煮込んだ北海道の郷土料理です。
豆腐・玉ネギ・キャベツ・ニンジン・キノコなど具材をたっぷり入れた汁に、濃厚な鮭の旨みが浸み込んだ、深みのある味わいが特徴です。
牛乳やバターをプラスすると味がまろやかになり、子どもも喜びます。シメは北海道らしく、味噌バターラーメンがおすすめです。
食べ応えもバッチリ 秋田県「きりたんぽ鍋」
秋田県に古くから伝わる「きりたんぽ」は、つぶしたご飯を棒に巻き付けて作る、餅に似た食べ物です。
焼いて味噌などを付けて食べるほか、棒からはずして鶏肉や野菜と一緒に煮込む「きりたんぽ鍋」もよく食べられています。
だし汁が浸み込んで柔らかくなったきりたんぽは、とてもおいしく食べ応えがあるでしょう。
シメまでおいしい 福岡県「もつ鍋」
牛や豚の内臓を使ったもつ鍋は、福岡県の有名な郷土料理です。柔らかく、内臓肉に特有の臭みもないため、子どもでも食べやすいでしょう。
福岡には多くのもつ鍋専門店があり、スープの味も店によってさまざまです。
もつとスープのセットをネットで販売している店もあり、野菜を追加するだけで本場の味を楽しめます。シメの具材は「ちゃんぽん麺」やご飯が人気です。
毎日鍋でも飽きない一工夫
作るのも後片付けも楽な鍋料理は、できれば毎日でも取り入れたいメニューです。しかし、どんなにおいしくても、何日も続くと家族に苦情を言われてしまうかもしれません。
飽きずに最後まで食べてもらえるアイデアを見ていきましょう。
仕切り鍋で家族みんなが満足
鍋料理のバリエーションはたくさんありますが、子どもがいると「キムチ鍋」のような辛い味付けが難しくなります。とはいえ毎回子どもの好みに合わせていると、大人が飽きてしまいます。
そのようなときは、真ん中で仕切られ異なる二つの味が楽しめる「仕切り鍋」がおすすめです。
仕切り鍋を使えば1度で2種類の鍋料理を作れるので、家族それぞれが好きな味を楽しめます。同じ具材でスープだけ変えればよく、準備や後片付けの手間もほとんど変わりません。
シメを作る際のコツもチェック
最後においしい「シメ」をいただけるのも、鍋料理の大きな楽しみです。シメを上手に作れたら、また食べたいと思ってくれるかもしれません。シメをおいしく作るポイントは、「脂」「塩気」「とろみ」の3点です。
食べ終わる頃のスープには、肉や魚から出た脂が浮いています。脂が多いとご飯や麺に味が浸みにくく時間がかかるため、できるだけ取り除いておきましょう。スープが煮詰まって塩気が強くなっていたら、野菜やだし汁を追加します。
また、スープにとろみがついている状態ではご飯や麺に火が通りにくく、加熱し過ぎて焦げ付くことがあります。手早く火を通すために、ご飯を温めたり麺類は一度茹でたりしておくとよいでしょう。
最後は溶き卵でスープの旨みを閉じ込め、風味付けにゴマ油を数滴たらします。余裕があれば万能ネギや三つ葉をトッピングして、彩りよく仕上げます。
カレー鍋やトマト鍋のトッピングにはチーズ、黒コショウ、パセリなどもおすすめです。
新しいお気に入りを見つけよう!
手軽で栄養満点の鍋料理は、作る側にも食べる側にもメリットがたくさんあります。子どもが食べやすいように工夫したり、珍しいご当地鍋を取り入れたりすれば、家族も喜んでくれるでしょう。
お気に入りのレシピを見つけて、冬を元気に乗り切りましょう。
文・構成/HugKum編集部