プロの冒険家になるには? 気になる収入の目安や活躍中の冒険家を紹介

子どもが将来「冒険家になりたい」と言い出したら、戸惑ってしまうパパ・ママは多いのではないでしょうか。一口に冒険家といっても活動内容はさまざまですし、収入面も気になります。なり方や収入の目安など、プロの冒険家になるための基礎知識を紹介します。

プロの冒険家とは?

世の中には多くの冒険家が存在しますが、冒険だけで生計を立てられる人は一握りです。彼らがどのような仕事をして、どのくらいの収入を得ているのかを見ていきましょう。

冒険家の仕事内容

世界には高山や深海、ジャングルなど、人類が足を踏み入れていない場所がたくさんあります。冒険家はそのような場所を踏破して、新しい発見をもたらす仕事です。

行き先は、基本的に冒険家が自分で決めます。山岳専門の人や南極・北極を目指す人、海を横断する人など、さまざまなタイプの冒険家が活躍しています。

また、四六時中冒険に出ているわけではありません。体験談を本にまとめたり、メディアで発表したりして、冒険の成果を世間に披露するのも大切な仕事です。

収入について

冒険家は誰かに雇われているのではなく、フリーで活動しています。

そのため、決まった給与収入や、福利厚生はありません。冒険は仕事というよりも、趣味に近い活動です。「冒険1回につきいくら」のように、報酬を得られる可能性はほとんどないでしょう。

一方で、冒険に出るにはとてもお金がかかります。交通費や宿泊費、装備品の購入費、保険などは、全て自己負担です。冒険家を志す人の多くは、別の方法でお金を稼ぎ、冒険に出ています。

支援者を見つけたり、書籍の出版やテレビ出演の話が舞い込んだりして「プロの冒険家」らしい収入を得られる人は一握りでしょう。

冒険家になるには

冒険家になるには、冒険に対する熱意はもちろん、経済力や語学力も求められます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

冒険に出るにはスポンサーが必要

冒険にはどれくらいお金がかかるのでしょうか。

例えば、エベレストに登る場合、1人当たり約110万円の入山料がかかります。現地までの往復航空券や宿泊費、食事などを含めると、相当高額になることが予想できます。よほど裕福でない限り、個人で冒険資金を出し続けるのは厳しいでしょう。

冒険を続けるなら、まずは資金を調達する必要があります。実際に活躍している冒険家は皆、スポンサーになってくれる企業を探したり、クラウドファンディングを活用したりして、資金集めに余念がありません。

ただし、冒険家を目指す人は多く、必ずスポンサーが見つかるとは限らないのも事実です。

お金を出すなら、より好感度の高い人や次の冒険に期待を抱かせてくれる人を応援したいと思うのが人情です。資金集めには、営業力や世の中の流れを見る力など、冒険の実力とは別の能力も求められます。

資格は不要だが英語力は必須

医者や弁護士などと違って、冒険家になるために特別な資格は不要です。学歴や職歴も関係ないので、なろうと思えば誰でもなれます。

しかし、冒険家は世界で活躍する仕事です。現地でスタッフを募集したり、同じ冒険仲間と情報交換したりと、さまざまな国の人とコミュニケーションを取ることになります。

そのため、最低でも英語だけはマスターしておく必要があるでしょう。

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冒険家に向いている人とは

職業にはそれぞれ向き不向きがあります。冒険家にはどのような人が向いているのでしょうか。

体力がある人

体力に自信がある人は、冒険家向きです。

冒険中は、自分の体だけが頼りです。暑さや寒さなど過酷な条件にも耐えなければならず、歩き疲れたからと電車に乗るわけにもいきません。過酷な状況が続き、途中で力尽きれば命を落とす危険もあります。冒険家を目指すなら、体を鍛えることから始めましょう。

目標達成のために作戦を練り努力できる人

冒険家には、目標達成のための作戦をじっくりと練り、時間や手間を惜しまずに実行できる人が適しています。

冒険の目標は、誰も行ったことのない場所に到達し、見たことのない景色や生物を探すことです。目的地は人が住めない厳しい自然の中にあり、ほとんどの場合、行き方さえもよく分かっていません。

冒険には現地の情報を集めて安全なルートを導き出したり、十分な食料を調達したりといった、地道な準備作業も必要なのです。

現在活躍中の有名冒険家

有名な冒険家の功績を見れば、冒険家という職業を理解しやすくなります。現在も活躍中の冒険家を2人紹介します。

海洋冒険家「堀江謙一」

堀江謙一は、大阪市出身の海洋冒険家です。1962年に小型ヨットで兵庫県西宮市を出発し、たった1人でアメリカのサンフランシスコまでの航海を成功させました。

当時はヨットで出入国する前例がなく、日本では不法出国者扱いでしたが、アメリカ側が好意的に受け入れたことで一躍人気者となります。航海の様子を記録した手記『太平洋ひとりぼっち』はベストセラーとなり、石原裕次郎が主演の映画も作られました。

単独無寄港での世界一周や足漕ぎボートでの航海など、堀江謙一の冒険は独創的でワクワクさせてくれるものばかりです。海の魅力を世間に広く伝えることに貢献したとして、2011年には内閣総理大臣賞を受賞しています。

登山冒険家「ラインホルト・メスナー」

イタリア出身のラインホルト・メスナーは、世界でも指折りの登山冒険家です。1978年に、人類で初めてエベレストへの「無酸素登頂」に成功しました。

その後も標高8000m以上の14峰全てに無酸素で登頂するなど、多くの偉業を達成しています。登山以外の冒険では、南極大陸の走破やゴビ砂漠横断などが有名です。著書や関連書籍も多く、『ヒマラヤ運命の山』など映画化された作品もあります。

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冒険家になるための一歩を踏み出そう

冒険家は体力・知力・コミュニケーション力と、さまざまな能力が求められる仕事です。冒険家を目指して鍛錬した経験は、大人になってからもきっと役に立ちます。外遊びや英語の学習など、親子で一緒にできることから始めてみましょう。

文・構成/HugKum編集部

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