フローリングがきれいに掃除されていると、家全体が明るくなり気持ちよく過ごせます。シミや変色を防いで長持ちさせるためにも、フローリングの特徴に合わせた掃除方法をマスターしましょう。基本の掃除方法と注意点を解説します。
フローリングの種類を確認しよう
フローリングには「複合フローリング」と「無垢材(むくざい)フローリング」の2種類があります。
種類によって掃除方法は多少異なるため、まずは自宅の床がどちらなのかを確認しておきましょう。それぞれの特徴を紹介します。
手入れが簡単「複合フローリング」
複合フローリングは合板の表面に、化粧材と呼ばれる木の板を貼り合わせた床材です。化粧材にはオークやウォルナットを始め、さまざまな木が使われています。
複合フローリングは温度・湿度の変化に強く丈夫な上に、手入れが簡単です。合板部分に加工を施して防音性を高めたものなど、高機能な床材も目立ちます。
色やデザインのバリエーションが豊富で、供給が安定しているため、建売住宅やマンション用として広く普及しています。
そのため、一般的にフローリングといえば、複合フローリングを指すと考えてよいでしょう。
自然な色合い「無垢材フローリング」
無垢材とは、切り出した木をそのまま製材した木材のことです。
無垢材を使ったフローリングは、天然の木が持つ自然な色合いや香り、柔らかな肌触りが特徴です。多少傷が付いても削れば目立たなくなるので、補修しながら長く使えるでしょう。
ただし、数が少なく、加工・施工も難しいため価格は高めです。温度や湿度の変化によって歪むこともあり、メンテナンスの手間がかかるのもデメリットといえます。
無垢材フローリングは一般家庭にはハードルが高いため、使用率は全体の1割にも満たないといわれています。
基本的な掃除方法
床にはほこりや髪の毛、皮脂、食べこぼしなどさまざまな汚れが付いています。掃除は、汚れのタイプに合わせてすると効率的でしょう。フローリングの基本的な掃除方法を紹介します。
最初に掃除シートでほこり取り
フローリングにいきなり掃除機をかけてしまうと、排気によって細かいほこりが舞い上がり逆効果です。
掃除機をかける前に、ドライタイプの掃除シートを使って、ほこりや髪の毛を取り除いておきましょう。
掃除ワイパーを遠くから自分の方へ引き寄せるように動かすと、ゴミが一カ所に集まり、むだがありません。ほかに目立つ汚れがなければ、ほこりを取る作業だけでも十分きれいになります。
掃除機で細かなゴミを除去
掃除シートで取り切れなかったゴミは、掃除機で吸い取ります。掃除機のヘッドは、フローリングの目地に沿ってゆっくり動かすのがポイントです。
フローリングの継ぎ目にゴミがたまっていたら、つまようじなどを使ってかき出しておくとよいでしょう。
壁際やサッシとの境目、テーブルの脚周りなどは細かいゴミがたまりやすいため、細いヘッドに付け替えて念入りに掃除します。
複合フローリングの落ちにくい汚れは水拭き
複合フローリングは、基本的に水拭きが可能です。掃除シートや掃除機では落ちにくい汚れは、固く絞った雑巾で水拭きしましょう。
ただし、濡れたままにしておくと、シミや変色の原因となります。汚れが取れたらすぐに乾拭きして、しっかりと乾かすのが基本です。
フローリング掃除の注意点
住宅用洗剤の中には、フローリングと相性の悪いものがあります。洗剤の成分が表面のコーティングを溶かしたり、中にしみ込んだりしてシミになってしまうのです。
フローリングは一度シミや変色が起こると元に戻すことは難しく、きれいに保つためには張り替えるしかありません。汚れを落とそうとして逆にシミを作ってしまうことのないように、十分注意しましょう。
アルカリ性の洗剤は使わない
重曹やセスキ炭酸ソーダのようなアルカリ性の洗剤は、油汚れや皮脂汚れに有効で、家庭の掃除にも幅広く活用されています。
しかし、フローリングにはアルカリ性洗剤は使えません。
フローリングの表面塗ってあるワックスには油が入っているため、アルカリ性の洗剤を使うとワックスが剥がれてしまうのです。
剥がれた場所から洗剤液がしみ込むと黒っぽいシミになり、見た目もよくありません。フローリングの拭き掃除には、台所用の中性洗剤を使いましょう。
アルコールの使用も原則NG
床を除菌しようと、フローリングにアルコールをかけるのもNGです。アルコールには油を分解する作用があるため、ワックスにかかると油分が分解されて、白く濁ってしまいます。
濁った部分は時間が経っても元に戻ることはありません。間違ってアルコールをこぼしたときは、一度ワックスを剥がし、新しく塗り直しましょう。
きれいなフローリングをキープしよう
何気なく掃除していたフローリングにも、適切な掃除方法があります。基本的には、乾拭きでほこりや髪の毛を取り除いてから、掃除機がけを行います。汚れが気になる場合は、水拭きや洗剤を使っての掃除もおすすめです。その際は、フローリングの素材を確かめ、中性洗剤を用いる点には注意が必要です。
正しい掃除方法を身に付け、フローリングをきれいに保ちましょう。
構成・文/HugKum編集部