暑い時期や寒い時期でもエアコンがあれば快適に過ごせますが、使い続けていれば内部が汚れてしまいます。ではエアコンが汚れてしまったとき、洗浄する必要はあるのでしょうか?自分でもできるフィルターの洗浄方法や、業者への依頼の仕方について紹介します。
目次
エアコン洗浄は必要?
エアコンに限らず、どのような家電も使っているうちに汚れが蓄積してきます。では、エアコンの汚れをそのままにすると、どのような影響があるのでしょうか?エアコン洗浄の必要性や、理想の洗浄頻度について紹介します。
汚れはトラブルの原因
エアコンの内部に汚れがたまると、さまざまなトラブルの原因になります。その一つが健康に対する影響です。
ほこりやカビが内部にある状態でエアコンを使用すると、温風や冷風とともにほこりやカビが部屋の中に吐き出されます。汚れた空気を吸い込むことで、アレルギー症状を起こしたり、呼吸器系の病気になったりする可能性があります。
また、内部に汚れがたまった状態で使用すると、冷暖房の効率が悪くなります。エアコンの効きをよくしようと設定温度を変更することで、電気代がかさんでしまう懸念もあるでしょう。
フィルター洗浄は月2回、内部は年1回
エアコンの汚れによる健康被害を防ぎ、冷暖房の効率をアップさせるには、定期的に洗浄するのが効果的です。エアコンの洗浄は、「フィルター洗浄」と「内部の洗浄」の二つに大きく分けられます。
フィルターの汚れ付着は、エアコンの効きに影響を与える大きなポイントです。そのため、フィルターに汚れがたまらないよう、月2回を目安に洗浄しましょう。使用頻度が低い場合でも、月1回は洗浄するのがおすすめです。
また、エアコンはフィルター以外にも汚れがたまります。それらを取り除くために、年に1回は内部の洗浄も行いましょう。
エアコンにカビが発生する三つの要因
エアコンを使っているうちに、内部にカビが発生することがあります。なぜエアコンにカビが発生してしまうのでしょうか?考えられる三つの要因を見ていきましょう。
快適な温度
エアコンにカビが発生してしまう要因の一つは、部屋の中が快適な温度であることです。カビは20~30℃の温度を好み、活動が活発になります。この温度で放置するとどんどん増殖が進み、大量発生してしまうのです。
冷房を稼働させている最中は、一時的にエアコン内部が冷えることもあります。しかし、冷房を消せばすぐに部屋の温度が上がり、カビが好む温度になってしまうでしょう。
また5~35℃の気温では、カビが死滅することはほとんどありません。家の中はおおむね、夏でも冬でもカビが生存できる範囲の温度を保っているといえます。
高い湿度
カビの発生に大きく関わるのが湿度です。カビは60%以上の湿度で発生しやすくなるといわれており、80%を超えると一気に増殖するスピードが上がります。
部屋の湿度は季節や天候によって上下しますが、部屋全体の湿度にかかわらず、エアコン内部の湿度が高くなるケースがあります。
冷房運転ではエアコンの内部で空気を冷やし放出しますが、その際の温度差によって結露が発生しやすくなるのです。結露が発生したエアコン内部は、90%以上の湿度になることもあり、カビの発生につながります。
ほこりなどの汚れ
カビが繁殖するには養分が必要ですが、その養分となるのがほこりなどの汚れです。エアコンは周囲の空気を取り込み、それを冷やして放出するため、ほこり以外にもキッチンの油汚れやたばこの煙など、部屋の中の汚れがそのままフィルターにたまります。
これらを養分にすることで、エアコン内部ではカビが繁殖しやすくなってしまうのです。フィルターを清潔にしていれば大量発生することはありませんが、掃除を怠っているとどんどん増殖してしまうでしょう。
エアコンフィルターの洗浄方法
エアコンフィルターはカビの温床になりやすいため、定期的に洗浄する必要があります。しかし、洗浄方法を間違えると、かえってカビを増殖させることにもなりかねません。
エアコンフィルターは、どのような手順で洗浄すればよいのでしょうか?
用意するもの
フィルターの清掃を始める前に、まず必要なものをそろえましょう。用意するのは、掃除機・タオルや雑巾・使い古した歯ブラシなどです。これらはフィルターの汚れ落としに使います。
けが防止用のゴム手袋や、ほこりを吸い込まないためのマスクも用意しておきましょう。床にごみやほこりが落ちる可能性があるため、新聞紙があると汚れを防げます。
洗剤は基本的には必要ありませんが、汚れがひどい場合に備え、食器洗い用の中性洗剤があるとよいでしょう。また、エアコンは高い位置に設置されていることがほとんどのため、脚立や椅子など安定した台も必要です。
フィルターを外し、ほこりを吸い取る
作業に入る前に、エアコンのコンセントを抜きましょう。作業中に誤って電源が入ってしまうとけがにつながる可能性があるため、これは重要なポイントです。
その後カバーを開けて、フィルターを取り外します。新聞紙の上にフィルターを置き、掃除機を使ってほこりを吸い取っていきましょう。
このとき、最初はフィルターの表側から掃除機をかけるのがポイントです。裏側から先にかけてしまうと、表側にたまったほこりをフィルターに吸い寄せてしまう形になり、取れにくくなります。表側のほこりを残らず吸い取ったら、裏返して裏側のほこりを吸い取りましょう。
水洗い後、しっかり乾かす
ほこりを吸い取った後は、風呂場など汚れてもよい場所で水洗いをします。裏側からシャワーをかけ、残ったほこりや汚れを落としていきましょう。フィルターの裏側から水をかけることで、つまった汚れを押し出せます。
汚れが落ちにくい場所があったら、歯ブラシでやさしくこすって落とせばOKです。汚れが落ちない場合は、中性洗剤を水で薄めてこすりましょう。強くこすりすぎると、フィルターを傷める可能性があるため要注意です。
汚れを落としたら、タオルや雑巾などで水気を拭き取り、陰干しします。水分が残っているとカビの発生原因になるため、しっかり乾燥させることがポイントです。
エアコンのカビや汚れの予防法
エアコンはカビが発生しやすい環境にあるため、予防するには日々の使い方に気を付ける必要があります。カビや汚れを防いで清潔に使用するには、どのようなことを気を付ければよいのでしょうか?
定期的なフィルター洗浄
カビ予防に効果的なのが、定期的なフィルター洗浄です。カビが発生する条件の一つにほこりなどの汚れがありましたが、エアコンを使い続けていると、いつの間にかフィルターにはほこりがたまってしまいます。
定期的にフィルター洗浄をしてほこりを取り除くことで、エアコン内部にカビの栄養分が蓄積されず、繁殖しにくくなるのです。前述したように、月2回程度のペースでフィルターを洗浄するとよいでしょう。あまりエアコンを使わない場合でも、月に1回はフィルター洗浄をすることで、カビの繁殖を防げます。
使用後に送風運転をする
冷房や除湿機能を使うと、エアコン内部が冷えて結露が発生しやすい状態になります。その後すぐに停止すると、エアコンの中に水分がたまったままになり、カビの発生原因になってしまうのです。
そのためやっておきたいのが、使用後の送風運転です。送風で内部に発生した水分を除去することで、エアコン内部の湿度を下げられます。送風運転をする時間は、30分~1時間でOKです。
機種によっては予め設定しておくことで、使用後にクリーン機能などが働き、湿度を下げてくれるものもあるでしょう。
部屋の湿度を下げる
エアコン内部だけでなく、部屋の湿度を下げることもカビ予防のポイントです。エアコンを使っている最中は、部屋を閉め切ってしまいがちですが、たまに窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。
冬場には、乾燥対策として加湿器を使うこともあります。加湿器の使用中は特に結露が発生しやすくなるため、換気は重要です。湿度が高くなりやすい梅雨時や雨の日は、除湿機も作動させましょう。
キッチンの近くでは、調理中の蒸気で湿度が高くなりがちです。その際には換気扇を使って部屋の外に蒸気を逃がすと、湿度の上昇を防げます。
エアコン内部の洗浄はプロの業者に依頼
エアコンの周囲の掃除やフィルター洗浄は自分でもできますが、エアコン内部を洗浄したい場合には、なかなか自分では対応できません。プロの業者に依頼するメリットや、料金の目安を紹介します。
依頼するメリット
エアコンの内部の洗浄は、市販の洗浄クリーナーや掃除道具を用意して自分でやってしまいたいと考える人もいるかもしれません。しかし、エアコン内部の掃除には専門知識が必要で、素人が内部の細かいところまできれいにするには難しいのです。
また、掃除しているときに内部の部品に水や洗剤をかけてしまうことで、エアコンの故障を招き、ひどい場合にはエアコンの火災につながる事例もあります。そのような事態を避けるためにも、内部の洗浄はプロの業者に依頼するのがおすすめです。
プロの業者であれば、内部のカビやほこりをしっかり洗浄してくれます。素人ではすすぎが足りず内部に洗剤が残ってしまう可能性もありますが、業者なら高圧洗浄機などでしっかり洗い流してくれるでしょう。
費用対効果を考えれば、プロの業者に依頼するのは大きなメリットがあるのです。
依頼のタイミング
エアコンクリーニングは、依頼におすすめの時期があります。それはエアコンをよく使用する期間の合間に当たる、4~5月または9~10月です。
クリーニングも閑散期で作業予約が取りやすく、お得な料金が設定されているケースもあります。本格的に使用し始める前にエアコン洗浄をすることで、エアコンの効きがよくなるのもメリットです。
6~8月にクリーニングを依頼するのは、なるべく避けましょう。繁忙期に当たり予約が取りづらいだけでなく、クリーニング中はエアコンが使用できないため、暑い部屋で過ごさなければいけなくなります。
料金の目安
業者に依頼する場合、気になるのが料金です。料金はエアコンの種類によって異なりますが、一般的な家庭用壁掛けエアコンの場合は1万円前後が相場になります。
近年は掃除機機能付きのエアコンが増えていますが、通常のエアコンに比べて掃除する箇所が増えるため、料金が高くなりがちです。掃除機能付きの場合は、1万円台後半~2万円台が目安と考えておきましょう。
天井埋め込み型の場合は、2~3万円になるのが一般的です。なお、これらは部屋に設置してある本体の洗浄のみで、室外機は含まれていません。室外機の洗浄はオプションや別途見積もりになるため、注意しましょう。
エアコンクリーニング業者選びのポイント
数あるエアコンクリーニング業者から、依頼先を選ぶときには、どのような点に注目すればよいのでしょうか?業者選びのポイントをまとめました。
料金体系を明確に提示
洗浄料金の書き方に注目し、料金体系が明確に提示されている業者を選びましょう。
「エアコン1台○○円~」のように幅を持たせた表記の場合、実際依頼してみたら、その金額よりも大幅に高くなる可能性があります。「壁掛けエアコン○○円」「掃除機能付き○○円」などの表記であれば安心です。
また、どのような場合に追加料金がかかるのかチェックしておく必要があります。作業開始前に、合意した料金以上はかからないことを確認しておきましょう。
スタッフの対応が丁寧か
業者に電話やメールなどで問い合わせをすることがありますが、その際の対応にも注目しましょう。受け答えは丁寧か、こちらの疑問に対して分かりやすく説明してくれるか、レスポンスが早いかなどがチェックポイントです。
もちろんほとんどの場合、問い合わせに応答した人が、実際に作業するわけではありません。しかし顧客に対する対応で、会社としての姿勢はある程度見えてくるはずです。
スタッフの対応が悪い業者は、教育が行き届いていない可能性が高いと考えられます。洗浄に訪れたスタッフも対応が悪いケースがあり、嫌な思いをするかもしれません。安心して依頼できるよう、スタッフの対応を見極めましょう。
土日も作業可能か
平日が仕事で休めない場合は、土日の作業が可能かどうかをチェックしましょう。エアコンのクリーニングには立ち会いが必要で、作業中は在宅している必要があります。平日しか対応していない業者に依頼してしまうと、休みを取らなければいけません。
場合によっては、作業の前に下見が必要なケースもあるため、時間に融通が利く業者であることがポイントです。土日対応の可否と、土日作業の場合の追加料金の有無についても合わせて確認しておきましょう。
おすすめのエアコンクリーニング業者
エアコンをクリーニングしてくれる業者は、全国に数多く存在しています。その中でもおすすめの業者を3社紹介しましょう。
おそうじ本舗
おそうじ本舗はエアコンクリーニング197万台の実績を持ち、業界一の店舗数を誇る業者です。全国に1554店舗あるため、近くの店舗を探しやすいというメリットがあります。
通常メニューは高圧洗浄で内部のカビやほこりを取り除いた後、オリジナル防カビ剤で仕上げを行う方式です。エアコンの洗浄だけでなく、防カビチタンコーティングや室外機の洗浄など、オプションメニューも充実しています。
依頼の翌日から3日以内に対応する有料オプションサービスもあり、急ぎの人にもおすすめです。
ダスキン
ハウスクリーニング業者として有名なダスキンには、エアコンクリーニングのメニューもあります。クリーニングのみのプランと、クリーニング+抗菌コートのプランがあり、好みに合わせて選択可能です。
ダスキン独自の養生カバーで覆ってから作業を始めたり、作業後は汚水も持ち帰ってくれたりするなど、きめ細かい対応をしてくれます。公式サイトから料金シミュレーションができ、エアコンの写真を登録すれば、訪問見積もり不要で依頼できて便利です。
エアコンクリーニング<壁掛けタイプ> | お掃除サービスのダスキン
ベアーズ
ベアーズは家事代行やベビーシッターなどを行っている業者で、エアコンクリーニングも請け負っています。作業前には周辺に汚れが飛び散らないよう、しっかり養生してから分解クリーニングを行ってくれるため安心です。
抗菌コートやエアコン室外機の洗浄オプションもあり、必要に応じて選べます。作業終了後、コールセンターから仕上がり確認の電話が入るなど、アフターフォローもしっかりしているのがポイントです。
ベアーズはさまざまな地域に店舗がありますが、対応外の地域もあります。ベアーズの公式サイトで、サービス提供エリアをチェックしてみましょう。
定期的な洗浄でエアコンをいつも清潔に
エアコンを洗浄しないまま使い続けていると、ほこりがたまって効きが悪くなったり、カビによる健康被害が出てしまったりする可能性があります。エアコンを長く効率よく使うには、定期的に洗浄することが大切です。
日頃の使い方にも気を付けつつ、定期的にフィルター洗浄や内部洗浄を行い、ときには専門の業者に依頼することも検討しましょう。そうすることで、安心してエアコンを清潔に使い続けられます。
文・構成/HugKum編集部