エアコン掃除をこまめにしておくと、いつもきれいな空気の中で過ごせます。とはいえ、毎回お金を払って業者を呼ぶというわけにもいきません。そこで、エアコンのお手入れ方法の手順を詳しく解説しましょう。
エアコン掃除をしないとどうなるの?
「目につく場所でもないし、特に掃除しなくても気にならない」このような考えでエアコンを放置してしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。エアコン内部の掃除を怠った場合に考えられる、二つの大きな弊害について解説します。
健康を害する原因に
エアコンは、温風や冷風を送り込んで部屋の温度を調整する家電です。エアコンから出てくる風が部屋中を循環するため、エアコンが汚れていれば当然送り込まれる空気も汚れたものになります。
汚れもただのホコリとは限りません。エアコンの内部は結露しやすく、「水分やたまったホコリをエサにしてカビが繁殖してしまう」こともあるのです。
カビやホコリを含んだ空気を大量に吸い込むことで、「アレルギー」を誘引する可能性もあります。肺炎などの「重篤な健康被害」を引き起こすこともあるため、定期的にエアコン内部の掃除をすることが大切です。
電気代がかさむ
エアコンに限った話ではありませんが、空気を循環させる家電にとってホコリは大敵です。フィルターにホコリがたまると、「運転効率が下がり余計な電力を消費する」ことになります。
カビが発生してホコリに絡みつくと、さらに空気の通り道が狭くなるでしょう。きれいな状態のときに比べて空気が循環しづらくなるため、設定温度になるまでの所要時間が増えてしまいます。
数日であればたいした負担にはなりませんが、チリも積もれば山となり、年単位にすれば「経済的ダメージが大きくなる」ことは避けられません。
自分で掃除をする準備
「慣れない場所の掃除はなかなか重い腰が上がらない」という人も多いでしょう。しかし、エアコンの掃除は手順さえ覚えてしまえばそう難しくありません。必要な道具・掃除する部分・事前準備について、詳しく見ていきましょう。
自分でできるのは3カ所
自分で掃除できるのは次の3カ所です。
・カバー
・フィルター
・ルーバー
「カバー」とは、前面パネル部分のことです。持ち上げてみると中に「フィルター」が見えます。「ルーバー」とは、フィルターの下にあたりエアコンの風向きを変えたときに動く羽のような部分のことです。
なお、ファンや熱交換器といった部品は、自分でお手入れすると故障の原因となる可能性があるため避けたほうが賢明でしょう。気になる場合はクリーニングのプロに依頼するのがおすすめです。
用意するもの
掃除に取りかかる前に、以下のものを用意しましょう。
・ビニールシート
・脚立
・掃除機
・雑巾
・掃除用歯ブラシ
・中性洗剤
・キッチンペーパー
・割り箸
・バケツ
・マスク
・ゴム手袋
シートは床を養生するために使うので、新聞紙などで代用しても構いません。脚立ではなく椅子などでも問題ありませんが、高所での作業になるため「安定しているもの」を選びましょう。
歯ブラシは細いところを掃除するために必要です。より細かく掃除したい人は「綿棒」などもあるとよいかもしれません。中性洗剤は専用品ではなく「キッチン用」や「洗濯用」のもので大丈夫です。
なお、エアコン掃除用にエアコンクリーナーといった商品も市販されています。ただ、クリーナーやスプレーの使用により故障してしまうケースも少なくないため、使用する際には十分注意しましょう。
掃除の前にすること
エアコン掃除には、注意点がいくつかあります。次の4点を確認してから分解作業に入りましょう。
・コンセントからエアコンの電源プラグを抜く
・床にシートを敷いて養生する
・足場を確認する
・エアコン周囲のホコリを拭き取る
エアコンの電源プラグは必ず抜いておきましょう。万が一、掃除中にエアコンが作動してしまうと、感電や指挟みなどによる大けがを負うリスクがあります。エアコン脚立がグラついたりしないよう、足場の確認もしておきましょう。
また、掃除中にホコリが落ちたり、洗剤を含んだ水分が垂れたりするため、前もってシートや新聞紙で床をカバーしておくと安心です。
掃除をする際は、マスクやゴム手袋を着用し、ホコリを吸い込まないようにしたり、直接触れないようにしたりします。雑巾でエアコンの外周をなぞるように汚れを拭き取りましょう。
エアコンを分解する方法
掃除の準備が整ったら、エアコンを分解していきましょう。外側から順番に、取り外し方を詳しく説明します。基本的にはどのエアコンも手順は変わりません。
しかし、細かい部分は機種によって異なります。「少し違うな」と思ったら無理に外そうとせず、取扱説明書を確認しましょう。
前面のカバーを外す
まずは前面のカバーを外しますが、その前にエアコン側面を確認してみましょう。カバーと本体の継ぎ目に、指を引っ掛ける「くぼみ」が見つかります。
くぼみは左右の側面にあるため、指を掛けてカバーを手前に引き上げましょう。カバーが上がらなくなるまで、約90度上方へ持ち上げます。
そのまま手前に引いてみて動くようなら、カバーを引き抜いて外すタイプです。動かない場合は、左右どちらかにカバーを寄せてから反対側の根元を外します。
もし、「壊しそうで怖い」「どうやっても外せない」といった場合は、開いた状態で手が届く部分だけ掃除しましょう。
フィルター周りを掃除してから外す
カバーを開けた状態で、ホコリが確認できるかもしれません。床に落ちる前に、掃除機で目立つホコリを取り除いておきましょう。掃除機の先をブラシや先端の細いものに変えておくと効率的です。
フィルターの前面にある「ツマミ」を持って、そっと引き出しましょう。エアコンの使用頻度や状況によって、ホコリが大量に付いている場合があります。ホコリの塊を落とさないよう、ゆっくり引き出すのがポイントです。
ルーバーを外す
最後にルーバーを外します。閉じたルーバーを吹き出し口が見えるくらい手で開き、中央に留め具があれば、まずはそこを外しましょう。
あとは、ルーバーを左右どちらかに寄せ、全体をしならせるようにして側面の留め具を外します。留め具が外れる程度にしならせればよいですが、破損が心配な場合はカバーと同様に見える部分だけ掃除すれば大丈夫です。なお、ルーバーを外せないタイプのエアコンもあるため、取扱説明書の確認をしておくとよいでしょう。
フィルター掃除の方法
取り外したフィルターの掃除方法を紹介します。チリやホコリが最もたまる場所ですから、隅々まできれいに汚れを取り除いていきましょう。
掃除機でホコリを取り除く
まず、床に敷いたシートの上に、フィルターを表面が上になるようにして寝かせます。掃除機でホコリを吸い取ったら、ひっくり返して裏面にも掃除機をかけましょう。
この「吸引の順番」を間違えないよう、注意が必要です。フィルター掃除は、エアコン使用時の「吸い込み→吹き出し」という空気の流れと同じ順番で行った方がスムーズに掃除できます。
裏面から吸引した場合、ホコリで目詰まりしてしまうかもしれません。手間を増やさないよう、必ず「表面」から行いましょう。
裏面から水洗いし乾かす
掃除機でホコリを吸引しても、取り切れない汚れが残ることがあります。できる限りホコリを取り除いたら、次はシャワーを使って水洗いしましょう。
水洗いするときの順番は掃除機の場合と真逆です。目詰まりを避けるため、「裏面から表面」の順で流しましょう。ざっとホコリが取れたら、バケツに水と中性洗剤を入れ、しばらく浸けておきます。
10分程度放置して汚れが浮いてきたら、やわらかい歯ブラシを使ってこすり落としましょう。洗い終わったら洗剤を水でよく流し、フィルターについた水分を乾いた雑巾でポンポンと拭き取ります。設置する前に、風通しのよい場所で完全に乾燥させましょう。
ルーバー掃除の方法
続いて、ルーバーの掃除手順を紹介します。細かな部品があまりなく、フィルター掃除ほど時間はかかりません。カバーのお手入れにも応用できるため、取り外せた場合は同じ手順で掃除しましょう。
取り外して掃除する場合
ざっと拭き掃除でホコリを取り除いてから、全体に水を掛けます。ルーバーを洗剤水が入ったバケツに入れ、歯ブラシやスポンジを使って汚れをこすり落としましょう。
掃除用の歯ブラシには固いものがありますが、プラスチックの面に傷が付きやすいため、やわらかいものを使用することをおすすめします。洗い終わったら、水でよくすすいでから水分を乾いた雑巾で拭き取り、風通しのよい場所でよく乾燥させましょう。
付けたまま掃除する場合
ルーバーが外せないときは、付けたまま拭き掃除をします。洗剤水を含ませたもので水拭きした後に雑巾をすすいで水拭きし、から拭きの順で仕上げましょう。
雑巾を絞るのが面倒な場合は、使い捨ての掃除用シートやキッチンペーパーで代用すると簡単です。奥のほうは、手や雑巾では届きにくいかもしれません。
そんなときは、割り箸とキッチンペーパーで「お掃除棒」を作っておくと便利です。割り箸の先にキッチンペーパーをクルクルと巻き、輪ゴムで固定します。
内部の掃除はプロに任せよう
フィルターやルーバーだけではなく、さらに奥の部分にも汚れがたまります。しかし、そこまで分解して掃除するのは難しいでしょう。
自己流で分解すると故障してしまうこともあるため、徹底的に大掃除したいときはプロの手を借りるのがおすすめです。最後に、利用者の多い人気クリーニング業者を紹介します。
コストパフォーマンスに優れた おそうじ本舗
1件目は「おそうじ本舗」です。業界店舗数No.1(2019年10月現在)で、日本全国でサービスを行っています。
お掃除機能付きエアコンの場合、クリーニングを断られることも少なくありません。しかし、おそうじ本舗なら経験豊富なスタッフがそろっているため、どの機種のエアコンでも対応してもらえます。無料で「防カビ剤」を噴霧して仕上げてもらえるのも、うれしいポイントです。
丁寧な接客で人気 ベアーズ
かわいらしいクマのキャラクターが目を引く「ベアーズ」は、丁寧な接客がウリの家事代行サービスです。GMOリサーチが2018年に行ったサイトのイメージ調査によれば、ベアーズのハウスクリーニングサービスは「サービス品質が高いと思うサービスNo.1」を獲得しています。
エアコン掃除では、周囲の養生から丁寧にやってくれるため安心感があるでしょう。本体は専用の薬剤で汚れを浮き上がらせてから、高圧洗浄機でホコリ・カビ・花粉などをしっかり洗い流します。
出典:家事代行サービスのイメージ調査 | 日本マーケティングリサーチ機構|JMRO
エアコンだって自分でキレイに
ついエアコン掃除を後回しにして、長い間手つかずになっている人もいるのではないでしょうか? 掃除をしていないエアコンを使用すると、部屋の空気が汚れてしまいます。長い間ホコリやカビにさらされれば、健康にも問題が出てくるかもしれません。特に子育て世代にとっては避けたい事態です。
エアコン掃除は手順を知ってしまえば、案外簡単にできます。ただ、高い場所での作業になるため決して無理はせず、適宜プロに任せるとよいかもしれませんね。
構成・文/HugKum編集部