干し芋の作り方・アレンジレシピ│さつまいもの選び方や下処理法、室内外での干し方、保存法をチェック

さつまいもの自然な甘みが楽しめる干し芋は、子どものおやつにピッタリ! 今回は干し芋の作り方について、干し芋に適した品種や下処理方法をご紹介。さらに干し芋を使ったアレンジレシピもピックアップ! ご家族でいろいろな干し芋を楽しんでください。

干し芋のレシピや作り方は意外と簡単!

さつまいもを蒸して乾燥させたおやつ「干し芋」。さつまいもの自然な甘みと、素朴な味を楽しむことができます。ですが、干し芋を自分で作って食べたことがある方は、少ないのではないでしょうか。

干し芋作りは、難しそうに感じるかもしれませんが、意外と簡単。干し芋は、栄養たっぷりなうえ、保存にも適しているのがうれしいポイントです。ぜひチャレンジしてみてください。

干し芋に適したさつまいもの選び方

まずは材料となるさつまいもの選び方を見ていきましょう。干し芋は、砂糖などの調味料は一切使わず、素材はさつまいもだけですので、材料選びはとても大切です。どんなことに気をつければよいのか、解説していきます。

品種

スーパーや八百屋さんでおなじみのさつまいもですが、さまざまな品種があり、見た目や味が違います。干し芋作りでまず重視すべきポイントは「食感」です。さつまいもの食感は、大きく「ほくほく系」と「しっとり系」の2つに分けられますが、干し芋にはしっとり系のさつまいもが適しています。

市販の干し芋は「玉豊」や「いずみ」といった干し芋用に専用に作られている品種で作られていますが、ご家庭で作る場合は「紅はるか」や「安納芋」といった手に入りやすい品種を使うと良いでしょう。

どちらもしっとり食感で、甘さも十分。焼き芋の品種として有名ですが、干し芋にしても美味しく食べることができます。

熟成

スーパーなどで売られているさつまいもは、収穫後に熟成(追熟)が行われています。なので、芋掘りなどで収穫したさつまいもの場合は少し寝かして、熟成させたほうが美味しい干し芋になります。

さつまいもは2週間から1か月ほど冷暗所で寝かせると、でんぷんが糖に変化して、甘みが強くなります。収穫したてのさつまいもはすぐには使わず、追熟させてから使うようにすると甘くて美味しい干し芋ができあがります。

表面

干し芋作りのさつまいもを選ぶときは、表面をよく見てください。さつまいもの表面には「ひげ」のようなものが生えています。このひげが多いさつまいもは、繊維質が多い傾向にあります。

ひげがなくても、表面に凸凹が多いものは、もともとひげがたくさん生えていた証拠なので、できるだけ表面が凸凹していない、ツルっとしたものを選ぶようにしてください。

さつまいもの下処理の方法

ここからは、干し芋の作り方を解説していきます。まずは、干す前のさつまいもの下処理です。下処理は、蒸し器を使うのが一般的ですが、他の方法でも干し芋作りの下処理を行うことができます。

蒸し器

・蒸し器に水をいれて沸騰させます。
・よく洗ったさつまいもを入れ、弱火で40分ほど蒸します。
・竹串や爪楊枝がスッと通るぐらいの柔らかさになったらOK。

茹でる

・さつまいもをよく洗って、鍋に入れます。
・さつまいもが浸るぐらいの水を入れて火にかけます。
・強火から中火で水から茹でます。
・沸騰したら弱火にして、さらに1時間ほどじっくり茹でます。
・竹串や爪楊枝がスッと通ればOK。

圧力鍋

・圧力鍋に水を入れ、蒸し板を入れてさつまいもをのせます。
・蓋を締めて火にかけます。
・沸騰してから、12分から15分ほど加圧します。
・火を止めて、鍋の圧力が抜けるまで待ちます。
・圧力が抜けたら蓋をあけて、竹串や爪楊枝がスッと入る柔らかさであればOK。

炊飯器

・洗ったさつまいもを炊飯器の中に入れます。
・さつまいもが半分くらい浸るまで水を入れます。
・いつもどおりに炊飯スイッチを入れます。
(玄米コースで炊くと、よりねっとり仕上がります)
・炊飯が終わったら竹串や爪楊枝で固さ確認。スッと入ればOK。

電子レンジ

・洗ったさつまいもを、皮のついたまま、ラップで包みます。
・500Wで15分程度加熱します(大きさにもよって、調整してください)。
・竹串や爪楊枝がスッと入る柔らかさであればOK。

干し芋の干し方【基本編】

下処理が終わったら、いよいよさつまいもをスライスした後、干していきます。

まずは基本の干し方として、室外で天日干しする方法を紹介します。天日干しをする際にはカビに注意が必要。干す場所や時期、天候など、注意すべき点をしっかり把握して、おいしい干し芋を作ってください。

道具

使う道具は、干し網のみ。下処理して、スライスしたさつまいもを1枚ずつ重ならないように並べます。何日か天日干しするので、鳥や虫からさつまいもを守れるように全体をカバーできるタイプの干し網を使うと良いでしょう。

場所

干し網全体に太陽の光がよく当たる、風通しの良い場所を選びます。

時期

さつまいもには秋から冬のイメージがありますが、干し芋作りもその時期がもっとも適した時期といえます。冬は湿度低く、乾燥しています。湿度が高い時期だとカビが生えやすいので、干し芋を作るには乾燥した寒い時期がオススメです。

天候・気温

天日干しをする際は、3日以上晴天が続く日を狙って干すようにします。乾燥させることが目的なので、雨などで濡れてしまわないようにします。

また天敵であるカビから干し芋を守るために、晴天が続き、気温が15℃を下回るような乾燥した日を選びます。

干す期間

お好みによって干す期間は異なります。2日~4日程度干すと、ソフトな仕上がりのセミドライタタイプに、5日~7日程度干すと、しっかりとしたハードな硬さに仕上がります。

気温、湿度で干す日数は変わってきますので、毎日、仕上がり具合を確認するようにしてください。夜は夜露がカビの原因になりますので、夕方には室内に取り込むようにしましょう。

干し芋の干し方【応用編】

次に干し方の応用編です。天日干しではなく、天候などの関係で室内に干すときの注意点や、オーブンを活用した簡単な干し方を解説します。時間をあまりかけたくないときや、お子さんと一緒に作るときなどにオススメの方法です。

室内で干す方法

スライスしたさつまいもを干し網に並べるところまでは、天日干しのときと同じです。室内に干す時も、もちろん乾燥した場所を選ぶようにしてください。サーキュレーターなどで風を当てることができればベストです。エアコンの除湿機能を使うのも効果的。

あとは、窓際で太陽の光を当てながら、天気の良い日は窓を開けて風に当てると、天日干しに近い状態になり、おすすめです。

オーブンで干す方法

下処理からスライスまでは、他の方法と同様です。その後、

・オーブンを100℃に温めます。
・クッキングシートの上にさつまいもを重ならないように1枚ずつ並べます。
・100℃で1時間加熱。
・さらに裏返してもう1時間100℃で加熱します。

お好みの硬さになったら完成。焼き時間は途中、竹串や爪楊枝で硬さを確認しながら調整してください。

干し芋の干し方【トラブルシューティング編】

作り方自体は簡単な干し芋ですが、干しているときにトラブルが発生することもあります。

白い粉が出てきた

干し芋の表面に全体的に白い粉が出ることがあります。これはさつまいもの糖分が結晶化したものですので、食べても問題ありません。

ただし、一部分だけに白いものが出てきているときは白カビの可能性があります。カビの場合は、通常のさつまいもとは違う臭いがします。万一食べてしまった場合も、少量であれば大きな問題はありませんが、違和感を感じた場合はすぐに処分してください。

濡らしてしまった

思わぬ雨で干し芋が濡れてしまった場合もカビが発生していなければ、そのまま干し続けても大丈夫です。心配な場合は、オーブンを使った乾燥に切り替えましょう。

カチカチになってしまう

干しすぎてしまうと必要以上に水分が抜けてしまい、カチカチの固い干し芋になってしまいます。こまめに固さをチェックして、干しすぎを防ぐようにしましょう。

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干し芋の保存方法

干し芋は、保存食として昔から食べられてきました。どんな方法で保存すれば、どれくらい保存できるのでしょうか。干し芋の適切な保存方法を見ていきましょう。

常温

寒い季節であれば常温での保存が可能です。タッパーやチャック付きの袋などに入れて、しっかり封をして、湿気に触れさせないようにします。

ただし、干し芋に水分が多く残っている場合は、カビが生える可能性があるので、注意してください。すずしい冷暗所で保存し、なるべく早く食べるようにしましょう。

冷蔵

夏の時期や、水分を多く含んでいる場合は冷蔵保存がおすすめです。一つ一つラップに包んで、干し芋同士がくっつかないようにします。それからタッパーやチャック付きの袋に入れて保存してください。

保存期間は1週間程度ですが、なるべく早く食べるようにしましょう。

冷凍

冷凍でも保存可能です。冷蔵と同じように一つ一つラップで包んで、タッパーやチャック付き袋に入れてから冷凍しましょう。

食べるときは自然解凍かオーブントースターで軽く温めると美味しく食べることができます。保存期間の目安は1か月程度です。

こんな食べ方も! 干し芋のアレンジレシピ

そのまま食べてもおいしい干し芋。ここでは、いつもと違う楽しみ方ができるアレンジレシピを紹介します。

干し芋の甘みとチーズの塩分が相性抜群!「干し芋トマトのチーズ焼き」

材料

・トマト 1個
・干し芋 2〜3枚
・とろけるチーズ 1枚
・塩 少々
・オリーブ油 小さじ2

作り方

【1】トマトを薄くスライスします
【2】トマト半分を耐熱皿の底に並べて、その上に一口大にカットした干し芋を並べ、さらにその上に残りのトマトを並べます。
【3】とろけるチーズをのせて、オリーブ油を回しかけます。
【4】電子レンジ(500W)で1分半温めて、さらにトースターでチーズに焦げ目が軽くつくまで焼けば完成。

子どもが大好きなチョコレートを乗せて「干し芋スライスチョコレート」

材料

・干し芋 2枚
・スライス生チョコレート 1/2枚

◆作り方

【1】スライスチョコレートを干し芋サイズにカットします。
【2】カットしたスライスチョコレートを干し芋のうえにのせて、トースターで2~3分ほど焼きます。
【3】お好みの焼き加減になったら完成。

おやつだけでなく朝食にも!「干し芋のサクサク一口揚げ」

材料

・干し芋 2枚
・ホットケーキミックス 40g
・水 50ml

作り方

【1】干し芋を一口大の大きさにカットします。
【2】ホットケーキミックスに水を加えて、ダマにならないようによくかき混ぜます。
【3】油を温めます。
【4】ホットケーキミックスと干し芋をまんべんなく混ぜ合わせます。
【5】油で揚げて、こんがりきつね色になったら完成。

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干し芋作りにチャレンジしよう!

ねっとり甘くて、美味しい干し芋。ご自宅でも簡単に作ることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。お子さんと一緒にスライスしたり干したりすると楽しいですし、食育にもなります。そのまま食べるのはもちろん、アレンジレシピも楽しめます。

 

文・構成/HugKum編集部

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