空気清浄機が臭い原因は?
空気清浄機を稼働させると、嫌な臭いに気が付くことがあるでしょう。臭いは、大きく分けて二つの原因が考えられます。
汚れによる雑菌
空気清浄機は、室内の空気を吸い込んで空気中のゴミや臭いを除去するため、本体にいくつものフィルターを内蔵しています。
主に使用されているのは、ホコリなどを除去する「プレフィルター」、目に見えない細かなチリを除去する「集塵フィルター」、部屋の臭いを除去する「消臭・脱臭フィルター」の三つです。
空気清浄機の使用で部屋の空気がきれいになると、ゴミや臭いはフィルターにたまっていきます。掃除せずに放置していると雑菌が繁殖してしまうため、小まめな掃除が大切です。
カビの発生
空気清浄機から嫌な臭いがする場合、内部にカビが繁殖していることも考えられます。カビには特有の臭いがあるため、臭いで分かることもあるでしょう。
本体内部にカビが繁殖するのは、フィルターが空気中の水分を吸収していることが原因です。
カビは湿気を好むため、湿ったままのフィルターはカビが発生しやすい状態です。カビが繁殖した空気清浄機を使っていると、逆に部屋の空気を悪くしてしまうこともあります。
また、空気清浄機の中には加湿機能が付いた機種もあります。この場合、加湿用に配置された給水タンクの水分もカビの原因になるため注意が必要です。
定期的に手入れをしよう
臭いが発生するのを防ぐには、小まめな掃除が欠かせません。空気清浄機の基本的な手入れ方法を見ていきましょう。
空気清浄機の掃除頻度は?
空気清浄機の内部に汚れがたまっている状態は、衛生的に好ましくありません。定期的に掃除をして清潔な状態を保つようにしましょう。
掃除のペースは、フィルターの通りが悪くならないよう「2週間に1度」が目安です。
フィルターにたまったホコリなどの汚れは、掃除機を使って取り除きます。新聞紙を敷き、取り外したフィルターを置いて掃除機で汚れを吸い取ります。掃除機で落ちないしつこい汚れは、水洗いするのも効果的です。
近年は、本体の外側に貼り付けるタイプの「プレフィルター」が販売されています。後ろのパネル部分にプレフィルターを貼り、汚れが付いたら取り替えるだけでも、内部のフィルターにたまる汚れを減らす効果が期待できます。
フィルターのホコリを取る
空気清浄機の背面にある大きなパネルは、特にホコリがたまりやすい場所です。目に見えるホコリを掃除機で吸い取ったら、雑巾で水拭きと乾拭きして掃除します。
それでも汚れが残っている場合は、つけ置き洗いを試してみましょう。
バケツなどにぬるま湯をためて食器用洗剤を溶かし、フィルターを入れて10分間放置します。汚れや洗剤が残らないようにしっかりとすすぎ、最後に陰干しすることが重要です。
外側にあるプレフィルターをきれいにするだけでも、本体内部の汚れは改善します。空気清浄機の臭いが気になる人は、定期的にフィルターのホコリを除去することを心掛けましょう。
水を入れたままにしない
加湿機能付きの機種の場合は、給水タンクの手入れも欠かせません。タンクに水を入れたまま放置していると、水が腐ってタンク内部にぬめりが発生してしまいます。
使用後はタンクの水を捨て、よく乾かしておきましょう。
水を取り替えずに放っておくことは、雑菌の増殖につながります。加湿機能を使う際は、毎日水を交換することが大切です。
なお、タンクに入れる水は「水道水」が適しています。塩素が含まれていないミネラルウォーターを使うと、むしろカビや雑菌が繁殖しやすくなるので気を付けましょう。
臭う場所をチェック!
空気清浄機から異臭がしたときは、どこから臭いが発生しているかを確認してから掃除を行うことで、より臭いへの対処が可能です。臭いがする場所を特定する方法を紹介します。
フィルターを確認しよう
まずは、フィルターをチェックします。フィルターが原因かどうかを判断するためには、本体から全てのフィルターを取り外しましょう。
フィルターを外してから電源を入れたときに嫌な臭いがしなければ、フィルターが臭いの原因だと特定することが可能です。
さらに、内部のフィルターを一つずつ取り付けて電源を入れれば、どのフィルターから臭いが発生しているかが分かります。
異臭の原因が特定できたらフィルターの掃除を行い、再び本体に取り付けてまだ臭いがするか試してみましょう。掃除をしても問題が解決しない場合は、フィルターを新品に交換することも検討しましょう。
タンクや本体の場合も
フィルターを外して動かしても嫌な臭いがしたら、内部に原因がある可能性が考えられます。
フィルターの汚れを長期にわたって放置していると、本体に臭いが染み付いてしまうこともあります。機械の内部に汚れがたまっていることもあるため、メーカーに修理や清掃を依頼するとよいでしょう。
加湿機能が搭載された機種であれば、タンクから臭いが発生している可能性も考えられます。給水タンクに付いた水垢やカビも悪臭を発生させる原因です。
タンクに汚れがたまっていると、加湿のたびに部屋の空気が汚れてしまう恐れがあるため、タンク内も清潔に保ちましょう。タンク付近のトレーも、一緒に掃除をすると効果的です。
気になる臭いを改善する方法
空気清浄機が臭う場合、普通に水洗いしただけでは臭いが改善しないこともあります。そのようなときに試してみたい、掃除方法をチェックしていきましょう。
フィルターの掃除方法
フィルターの嫌な臭いを取り除くには「クエン酸」を使うのが有効です。
まずはフィルターが入るサイズの容器を用意し、40~50度のぬるま湯をためます。水1lに対しておよそ6gのクエン酸を溶かし、よく混ぜてからフィルターを入れましょう。容器がない場合は浴槽を使っても問題ありません。
2時間ほど放置したら、水で汚れをよくすすぎ、タオルなどで水分を拭き取ります。細かい汚れが残っているようであれば、歯ブラシなどを使ってこすりましょう。フィルターが湿ったままではカビが発生する原因になるため、しっかり天日干しをして乾かすことも大切です。
なお、酸性の性質を持つクエン酸は、長く触ると肌が荒れる可能性があるため、ゴム手袋などを使って作業するのがよいでしょう。
フィルター掃除の注意点
フィルター掃除をする際は、フィルターによって手入れ方法が違う点に注意しましょう。
細かい汚れを吸い取る集塵フィルターは、静電気の力を利用しています。集塵フィルターは濡らすと静電気の働きが弱まってしまうため、水洗いは避けましょう。
臭いの素を吸収する脱臭フィルターも、水洗いが可能なものとそうでないものに分かれています。水洗いが可能な場合は、カテキンを含んだウーロン茶などを使ったつけ置き洗いがおすすめです。最後にしっかり洗い流し、陰干しをしてよく乾燥させましょう。
水洗い自体が推奨されていないフィルターもあるため、掃除をする前は必ず説明書に目を通すことが重要です。
タンクの掃除方法
給水タンクが汚れている場合は、中性洗剤を使うのがおすすめです。本体からタンクを取り外し、中に残った水があれば捨てましょう。ふたの部分にもカビが繁殖しやすいため、歯ブラシなどでこすって汚れを落とします。
タンク内部の汚れを落とすには、クエン酸を使った方法が効果的です。タンクにぬるま湯を入れ、1lあたり10gを目安にクエン酸の粉末を溶かします。2時間ほど放置したら、中身を捨ててタンクの中を水でよくすすぎましょう。
常に水が入っているタンクは特にカビが発生しやすいので、しっかりと乾かしてから本体に取り付けます。
空気清浄機の嫌な臭いをなくして快適に
空気清浄機から発生する異臭は、内部に汚れがたまっているサインです。ホコリやカビなどの汚れを放置しないよう、定期的に掃除を行いましょう。
空気清浄機を衛生的に使用するには、どこから臭いが発生しているかを特定することが重要です。加湿機能付きの機種を使っている場合、フィルターやタンクにカビが繁殖する危険性もあります。
気になる臭いの原因にきちんと対処し、日頃から正しい手入れを行って、空気清浄機を快適に利用しましょう。
文・構成/HugKum編集部