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子育てしやすい街ランキングとは
子育て世代にとって、最大の悩みは「どこで子どもを育てるか」ではないでしょうか。同じようなファミリー世代が多く暮らしていたり、子育て支援が充実している街は、何かと暮らしやすいはず。
そこで参考になるのが、日経DUALと日本経済新聞社の共同調査『自治体の子育て支援制度に関する調査』です。全国151自治体から得た回答をもとに、共働き世帯にとって子育てしやすい街をランキング形式でまとめています。
子育て支援が手厚い自治体がランキング上位に
子育て中の共働き世帯にとって欠かせないのが、認可保育所や学童保育などの施設。さらに子育て世帯への補助やサービスの手厚さも必要です。
そんな視点でみると、ランキング上位に入った街には、子育て支援の手厚い自治体が数多くランクインする結果となっています。
「共働き子育てしやすい街ランキング2020」の評価ポイント
2020年版の「共働き子育てしやすい街ランキング」の評価ポイントを見てみましょう。ランキング作成時に、どのような項目を評価したのか、全部で43ある評価項目のうち、主なものを紹介します。
認可保育所の状況
共働き世帯は保育所に子どもを預けることになります。そこで問題になるのが、認可保育所に子どもを預けたい世帯が、本当に預けられるかどうか、です。
ランキングでは、待機児童ゼロの達成状況をチェックしています。さらにその自治体にある認可保育所の保育利用枠の状況と、今後増えるかという点も大切です。さらに認可外保育施設などの有無も評価ポイントとなっています。
学童保育の充実度
学童保育の状況についても、チェックしています。学童保育がどのくらい充実しているのか、その内容が評価されました。
コロナ禍での支援制度
2020年版のランキングでは、新型コロナウイルス感染拡大のなかで、子育て世帯にどのような支援があったかが、新たな評価項目としてプラスされました。
児童虐待に対応する支援拠点
万一、児童虐待があった場合、子どもや親を支援する施設やシステムが整っているかもチェック項目です。
不妊治療助成
不妊治療を行う夫婦への助成金制度があるかも評価項目として設けられています。
「共働き子育てしやすい街ランキング2020」総合編トップ3は?
2020年版「共働き子育てしやすい街ランキング」の総合編ランキングで、1位から3位に選ばれた自治体を紹介します。
1位:松戸市(千葉県)
スコア74点で見事総合1位に輝いたのが、千葉県松戸市。
保育定員が2019年から2020年にかけて1062人増え、2021年、2022年でも約1000人ずつ増やす計画があります。また、病児・病後児保育に対応する施設は、市内に全部で8カ所。妊婦健診にはタクシー送迎の助成があるなど、さまざまな支援制度が充実していることから、高い評価を得る結果となりました。
2位:葛飾区(東京都)
2位は東京都葛飾区で、スコアは72点です。
こちらも認可保育所の定員を増員しているほか、認証保育所に通う世帯には最大5万円の補助があります。また妊婦には、助産師や保健師が妊婦と面接を行いながら、一人ひとりに合わせて「ゆりかごプラン」を作成するなど、きめ細かなサポート体制を整備。コロナ禍では「妊娠子育て応援券」1万円を上乗せしていました。
2位:豊島区(東京都)
スコア72点で同率2位となったのが、東京都豊島区。
2019年は総合11位でしたが「子どもと女性にやさしい街づくり」を積極的に推進したことで、2位に躍進しました。認可保育所の定員を増やしたほか、認可外保育所に子どもを通わせる世帯には、認可保育所の保育料との差額を補助。コロナ禍では、ひとり親家庭に5万円を独自に支給したことも評価されています。
4位以降のランキング
4位には、大分県大分市、東京都新宿区、東京都福生市の3つの自体体が71点でランクイン。7位には、東京都板橋区、神奈川県大和市、9位には東京都青梅市、福岡県北九州市がランクインしました。
「共働き子育てしやすい街ランキング2020」関東編
「共働き子育てしやすい街ランキング2020」の結果から、関東で上位に入った街をピックアップして紹介します。
福生市(東京都)
総合編4位に入ったのが、東京都福生市です。福生市は6年連続で「子育てしやすい街ランキング」のトップ10に入った唯一の街。東京・多摩地区26市の中で、トップにランキングしています。
2020年版で特に評価されたのは、コロナ禍において、ひとり親家庭への臨時特別給付金を給付したこと。またコロナ禍で出産を迎える世帯には「ウェルカム赤ちゃん臨時特別給付金」を給付しました。
大和市(神奈川県)
神奈川県でトップになったのが、総合7位に入った大和市です。大和市では5年連続待機児童がゼロで、病児保育の定員も充実しています。さらに保育士の人材確保や、公私連携型保育所をオープンするなど、子どもを安心して預けられる体制を整えています。
学校生活では、1人1台のパソコンを整備し、小学校・中学校で完全給食を提供。放課後児童クラブの待機児童もゼロを達成しています。
板橋区(東京都)
東京都板橋区は7位にランクイン。待機児童ゼロに向けた取り組みのほか、ひとり親世帯に臨時特別給付金を支給したり、コロナ禍では妊婦支援制度を追加実施するなど、幅広い子育て支援の取り組みを行っています。
厚木市(神奈川県)
神奈川県厚木市は、総合13位にランクイン。子連れで楽しめる施設が数多く設けられ、子育てや子どもの成長に関する面談や相談に応える体制が整えられています。
厚木市は「2021年住みたい街ランキング(首都圏版)」(LIFULL HOME’S)で、借りて住みたい街 第1位、買って住みたい街 第3位にランクイン。子育ての面に限らず、住みたい街として幅広く人気を得ています。
柏市(千葉県)
千葉県では、1位の松戸市に次いで2番目にランキングに入ったのが、13位の柏市です。待機児童ゼロを7年連続で達成しています。さらに保育士による電話相談や、相談窓口などできめ細やかな対応を実施していることなどが評価されています。
「共働き子育てしやすい街ランキング2020」関西編
次に「共働き子育てしやすい街ランキング2020」の結果から、関西で上位に入った街をピックアップして紹介します。
堺市(大阪府)
関西圏でトップに入ったのが、11位の大阪府堺市です。公共施設や教育施設が揃った街で、特に児童手当や子どもの医療費控除など、独自の支援制度が整っています。
神戸市(兵庫県)
関西圏で2番目にランキングが高かったのが、17位の兵庫県神戸市。児童館の数が政令指定都市で2位となるほど充実。妊婦健診の助成、子育て支援の住み替え助成、特定不妊治療費の助成など、各種の支援制度が揃っています。
松阪市(三重県)
三重県松阪市は、24位にランクイン。コロナ禍でひとり親世帯や低所得の子育て世帯に、生活支援特別給付金を給付するなど、独自の支援制度を行っていました。
大阪市(大阪府)
大阪府大阪市では、子育てに関して相談できる施設や子育て支援講座などのサポート体制が整えられています。また子どもがのびのびと遊べるアスレチック公園などの施設も市内に数多くあります。
四日市市(三重県)
三重県四日市市は、子育て支援施設や補助制度などが評価されました。乳幼児と保護者が気軽に利用できて、育児相談ができる場所を提供したり、医療支援の制度も整えられています。
ファミリー世帯の街選びの参考に
同じ都道府県であっても、住んでいる自治体によって、子育てに関する支援制度は実にさまざまです。特に共働きで忙しい世帯は、自治体の支援制度をうまく活用したいもの。子育てを考えて街選びをするときに、ぜひ、今日ご紹介したランキングを参考にしてみてください。
文・構成/HugKum編集部