学園都市とは│居住のメリットや注意点、日本や世界で有名な学園都市や買い物スポットをご紹介

子どもがいる家庭に人気が高い「学園都市」。そもそも学園都市とはどんな街のことを言うのでしょうか?  また学園都市に住むメリットと注意点にはどんなものがあるのでしょうか。さらに世界と日本の主要な学園都市をリストアップ。それぞれの特徴と、日本の都市については買い物スポットもご紹介しています。

学園都市とは

学園都市
子育てに向いていると言われる学園都市。

 

学園都市とは一般的に、大学などの高等教育機関を中心として発展した都市のことを言います。明確な定義があるわけではありません。大学が街の中心となるときは、「大学都市」と呼ばれることもあります。また大学以外の研究機関を中心とする街も学園都市と呼ばれます。

高い教育・研究水準を誇る

学園都市には国や民間の教育機関や研究機関が集まっています。そのため、その周辺は教育や研究水準が高いという特徴があります。

国・自治体が計画的に街づくり

学園都市は、国や各自治体が大学や研究機関を誘致して計画的に整備したものもあります。

日本を代表する学園都市である筑波研究学園都市は国の研究・教育機関のほか、約150もの民間の研究機関・企業が集まっています。筑波研究学園都市は国家プロジェクトとして計画され発展してきました。

街のブランディングにつながる

世界や日本で有名な学園都市には、誰もが知っているような国立・私立大学が街の中心にあります。そのため、都市開発においては「〇〇大学がある」という付加価値がつき、街のブランディングにつながっています。

たとえば、東京の東急線沿線は学園都市が多く、沿線一体のブランディングにつながっている良い事例でしょう。

学園都市に住むメリット

研究学園駅(つくばエクスプレス)

 

子育て世代は、子どもの成長とともに「子どもにとって、どの街に住むべきか?」と考えることもあるでしょう。そんなときに、必ず人気候補地としてあがるのが学園都市ではないでしょうか。

学園都市に住むメリットとして、以下のようなことが期待できます。

メリット1:教育に熱心な人が多い

学園都市には、子どもの教育に対して熱心な人たちが多く集まります。大学や研究機関の関係者が住んでいることも多く、高い専門知識を持った人々が自然と周囲に多くなる環境ができあがります。

それに有名大学やよく知られた研究機関が身近にあると、そのような教育機関に小さい頃から遊びに行ったり、子ども向けの体験プロジェクトに参加する機会も多くなり、子どもの知的好奇心や学習への意欲が刺激されることにつながります。

メリット2:治安が良い

大学や研究機関を中心とした街づくりが行われているため、学園都市にはネオンが光る繁華街や娯楽施設はあまり多くありません。子どもを持つファミリー層が多く、静かな住宅街が広がるエリアが多く、街全体の治安が良い傾向にあります。

メリット3:公共施設・医療機関などが多い

学園都市は大学や研究機関を中心に街づくりが計画的に進められています。そのため、公共施設や医療機関、スーパー、幼稚園や保育園など、生活に必要となる各種施設が充実しているケースが多いと言えます。

メリット4:都心へのアクセスが良く、自然が多い

学園都市を作るためには、大学や研究機関のための広い土地が必要となります。そのため、都心部よりやや郊外に作られる傾向があり、周囲の自然をほどよく残しながら、先進的な街づくりが進められます。

さらに、大学や研究機関への通勤・通学のために、交通アクセスの整備も進められ、郊外でも、比較的交通の便が良いエリアが多くなっています。

メリット5:子育て世代への支援がある

学園都市にはたくさんの子育て世代が移り住んでくることが期待できるため、自治体は子育てに関するさまざまな支援体制を整えています。子育てには、まさに最適な環境と言えます。

学園都市に住む注意点

東京都国立市 さくら通り

 

日本にある学園都市はどこも、「暮らしやすい街」として名前があがるよう場所ばかりです。そんな学園都市で暮らす場合も、いくつか事前に注意しておくべきことがあります。

注意点1:住居費が高めになる

「住みたい街ランキング」で上位に選ばれる街には、学園都市が必ず入っていまる。人気が高く、住みたいと思う人が多いエリアは、住居費が高くなる傾向があります。

注意点2:年収が高い世帯が多い

学園都市には、研究者や学者など知的レベルが高い人が集まるため、一般的に年収が高い世帯が多くなると言われています。

生活レベルが周囲とかけ離れているエリアに住むと、居心地の悪さを感じることがあるかもしれません。

注意点3:都心から離れる

学園都市は都市部ではなく郊外にあります。できるだけ都心部に住み、通勤時間を短縮したいと考える方、都会的な暮らしを希望する方には、学園都市はあまり向かない可能性があります。

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世界の主要な学園都市

世界には、大学を中心として発展してきた学園都市が数多くあります。どんなものがあるか具体的に見ていきましょう。

イギリス オックスフォード大学

オックスフォード大学(イギリス・オックスフォード)

イギリスでトップクラスの名門大学、オックスフォード大学を中心とした街が形成されているのが、イギリスの都市オックスフォードです。オックスフォード大学は12世紀に設立された歴史ある伝統校で、世界中から優秀な学生や研究者が集まります。

参考:オックスフォード(英国政府観光庁)

ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学など(アメリカ・ボストン)

世界最高峰の大学と言われるハーバード大学、アメリカ屈指の名門校であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のほか、ボストン大学、タフツ大学などの有名大学が集まっているのが、アメリカのボストン。街には多くの学生が暮らし、アカデミックな雰囲気があふれています。

参考;ボストン(マサチューセッツ州政府観光局)

チューリッヒ大学(スイス・チューリッヒ)

スイスの北部にあるチューリッヒには、スイスで最も大きな総合大学であるチューリッヒ大学があります。教育レベルは世界トップクラスで、ヨーロッパを代表する大学のひとつです。

参考:チューリッヒ(スイス政府観光局)

日本の主要な学園都市

次に日本でよく知られる学園都市を紹介します。

茨城県つくば市中心部

筑波研究学園都市(茨城県つくば市)

筑波大学のほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、理化学研究所、国土地理院、気象研究所など、国のさまざまな研究・教育機関をはじめ、民間の研究機関などが集まっているのが 筑波研究学園都市です。つくば市の約2,700ヘクタールの土地を「研究学園地区」として開発し、国土交通省などが中心となって計画された大型の学園都市です。

参考:筑波研究学園都市(つくば市)

買い物スポット

関東最大級のショッピングセンター「イーアスつくば」が、つくばエクスプレス研究学園駅から徒歩4分があり、ショッピングやグルメなどを楽しむことができます。

参考:イーアスつくば

国立市(東京都国立市)

一橋大学を誘致して、学園都市として発展したのが東京都国立市。都の条例で「国立文教地区」に指定され、建物の高さなどが厳しく制限されています。周囲には、国立音楽大学、桐朋学園もあります。

参考:国立市

買い物スポット

お隣の立川市にあるのが「ららぽーと立川立飛」。多摩モノレール立飛駅に直結した大規模ショッピングモールです。ショッピングからグルメ、映画館まで、いろいろなものが揃っています。

また買い物スポットではありませんが、中央線国立駅から南武線谷保駅まで続く、まっすぐ伸びた大きな道「大学通り」は国立市の象徴。春には桜が咲き誇り、秋になるとイチョウが黄色く染まり、散歩に快適なスポットです。

神戸研究学園都市(兵庫県神戸市)

兵庫県神戸市西区あり、市営地下鉄学園都市駅を中心に広がるニュータウンが神戸研究学園都市です。兵庫県立大学、神戸市外国語大学、神戸市看護大学、流通科学大学などの教育機関が集まっています。

参考:神戸研究学園都市

買い物スポット

神戸研究学園都市で人気のスポットが「ブランチ神戸学園都市」。ショッピングからレストランなどが集まっています。

参考:ブランチ神戸学園都市

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学園都市は子育て世代に人気!

学園都市は、教育レベルが高く、子どもを持つファミリー層が多く暮らしています。子どもの教育に力を入れていきたい方、子どもの住環境について考えたい方は、これから暮らす地域として学園都市を候補に考えてみてください。

今回紹介した学園都市は大規模なものですが、これ以外にも日本各地に大学や教育機関を中心とした都市があります。

文・構成/HugKum編集部

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